どうも、FXトレーダー兼システムエンジニアのナオトです。
投資と心理の話の20回目です。前回は、勝ったら腕、負けたら運と考えてしまう、自己奉仕バイアスでした。
今回は、周りの人の動きに合わせてしまうくせ、群集行動です。
よく紹介されるのが、1951年のソロモン・アッシュの実験です。
1本の線を見せて、長さが同じ線を3本の中から選んでもらう。答えははっきりしていて、1人で答えると、間違いはほとんど出ません。
ところが、同じ部屋の他の人たちが、わざとそろって間違った答えを言うと、本人もそれに合わせてしまう場面が出てきます。
紹介される数字には少し幅がありますが、そうした場面のおよそ3分の1で、周りに合わせた答えになりました。少なくとも1回は合わせた人が、4人に3人ほどいたと伝えられています。
経済学では、1992年に、これを別の角度から説明する論文が2つ出ました。
ビクチャンダニ、ハーシュライファー、ウェルチの3人の論文と、バナジーの論文です。
考え方はこうです。
前の人が何を選んだかが見えると、その人は自分の知らないことを知っているのかもしれない、と考える。
それで、自分の持っている情報より、前の人の選び方に合わせる。1人ずつ見れば、筋の通った判断です。
ところが、全員がこうすると、最初の数人がたまたま同じ方を選んだだけで、流れができてしまいます。
後の人は自分の情報を使わなくなるので、その流れが間違っていても、なかなか直りません。
これを、情報のカスケード、つまり情報の滝と呼びます。
相場の格言には、人の行く裏に道あり、というものがあります。
投資と心理の5回目で取り上げたとき、そのまま使うと危ない、と書きました。FXの線は、皆が見ているからこそ効くことがあるからです。
実際に測ってみると、ついていくほうが効いた場面もありました。
検証ノートの28回目では、4時間足でダウ理論の高値更新の瞬間についていくと、3銘柄とも、でたらめな入り口を上回りました。
20回目では、久しぶりの高値を上に抜けたら買う形が、買いの側で効いていました。
群れについていくのが悪いのでも、逆を行くのが正しいのでもありません。
どちらが効くかは、場面によって違います。
だから、ついていくか逆を行くかは、格言や雰囲気で決めずに、過去のデータで測って決めています。
みんながそうしているから、は、測る前の仮説としては使えても、答えにはなりません。
ご自分の入り方が、群れについていく形でも逆を行く形でも、でたらめと比べて測る、過去検証のご依頼も受けています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。