どうも、FXトレーダー兼システムエンジニアのナオトです。
投資と心理の話の13回目です。前回は、もう戻ってこない費用を惜しむ、サンクコストの誤りでした。
今回は、運で決まることでも、自分で選ぶと当たりそうに感じてしまうくせ。コントロールの錯覚です。
1975年に、アメリカの心理学者エレン・ランガーが、くじを使った実験を発表しています。
会社員に、1ドルのくじを買ってもらいました。くじは、アメフト選手の絵が付いたカードです。
半分の人は、自分でカードを選びました。もう半分の人は、実験する側からカードを渡されました。
抽選の前に、そのくじをいくらなら売り戻すかを聞いています。
自分で選んだ組は、平均8.67ドルでした。渡された組は、平均1.96ドルです。
当たる確率は、どちらの組も同じです。それでも、自分で選んだくじには4倍以上の値を付けました。
この実験には、批判もあります。
好きな選手のカードを選んだだけではないか、という指摘です。人数も、それぞれ30人に届きません。
どういう仕組みでこうなるのかは、今も研究が続いています。
それでも、自分で選んだものを高く見積もる、という向きは、トレードにもそのまま当てはまります。
トレードでは、入り口を選ぶ場面で出てきます。
チャートを見て、ここだ、と自分で決めて入った取引は、なんとなく勝てそうに感じます。
でも、相場は、こちらがどれだけ考えて選んだかを知りません。
自分で選んだ入り口が本当に良いのかは、選んでいない入り口と比べないと分かりません。
検証ノートの10回目で、サインの効き目は、でたらめな時刻に入った場合と比べて測る、という話を書きました。あれは、この錯覚を防ぐやり方でもあります。
EAの入り口を決めるときも、同じ考え方をしています。
私が、ここで入る、と印を付けたチャートの画像を元に決まりを作る、というやり方もあります。
でも、印を付けた場面は、自分が覚えている場面に偏ります。自分で選んだ場面だから、良く見えるんです。
それで、過去のチャートの形を総当たりで調べて、でたらめに混ぜたデータと比べても残った傾向を見るようにしています。
この話は、ハムラットの話の12回目に書いています。
自分で選んだ入り口ほど、一度は疑ってみる。
選ばなかった入り口と並べて、それでも差が残るかを見る。それが、この錯覚への手当てです。
ご自分の手法が、でたらめに入った場合と比べてどうなのかを測る、過去検証のご依頼も受けています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。