どうも、FXトレーダー兼システムエンジニアのナオトです。
投資と心理の話の16回目です。前回は、持っているものを高く見てしまう、保有効果でした。
今回は、結果を確かめる回数が多いほど、損に敏感になってしまうくせ。近視眼的損失回避です。
1995年に、行動経済学のシュロモ・ベナルチとリチャード・セイラーが、この考え方を発表しました。
株は、長い目で見ると債券より大きく増えてきました。それなのに、多くの人が株を避けて債券を選ぶ。その理由を説明するために考えられたものです。
人は、損を得より重く感じます。投資と心理の1回目のプロスペクト理論の話です。
そのうえで、成績を見る回数が多いと、そのたびに小さな損を見ることになります。長い目で見れば増えていても、1回1回の確認では、損の日がかなりあります。
その損の重さが積み重なって、値動きのある資産を避けるようになる、という説明です。
1997年には、ウリ・ニーズィーとヤン・ポッターズが、これを実験で確かめています。
参加した人に、何回かに分けて、当たれば増え、外れれば減る賭けにお金を入れてもらいました。
一方の組は、1回ごとに結果を知らされ、毎回いくら入れるかを決めます。
もう一方の組は、3回分をまとめて決め、結果も3回分まとめて知らされます。
結果は、まとめて知らされた組のほうが、多くのお金を入れました。
結果を見る回数が多い組ほど、慎重になったんです。
その後の研究では、条件によっては差が小さくなる、という結果も出ています。いつでも同じ強さで起きるとは限りません。
トレードに置き換えると、損益の画面を見る回数の話になります。
ポジションを持ったまま、1分ごとに含み損益を見ていると、そのたびに小さな損を見ます。
決めた損切りに届く前に、怖くなって手仕舞ってしまう。決めた利確に届く前に、少し戻っただけで降りてしまう。
どれも、見る回数が多いことで、損を感じる回数が増えた結果とも言えます。
EAの成績を見るときも、同じことが起きます。
EAは、1日単位で見ると負ける日がいくらでもあります。週単位でも、月単位でも負けることはあります。
そこだけを見て止めたり設定を変えたりすると、本来の成績が出る前にやめてしまいます。
私は、EAや手法を検証するときは、年ごとの成績を並べて、何年中何年がプラスだったかで見ています。
1日や1週間の結果で判断しないために、見る単位を先に決めておくんです。
損益を見る回数は、自分で決められます。
入る前に損切りと利確を決めて注文に付けておけば、途中で何度も見る必要はなくなります。
ご自分の手法を、年ごとの成績に分けて確かめる、過去検証のご依頼も受けています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。