【投資と心理⑨】最初に見た数字に引っぱられる。アンカリングと、久しぶりの高値

【投資と心理⑨】最初に見た数字に引っぱられる。アンカリングと、久しぶりの高値

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マネー・副業
どうも、FXトレーダー兼システムエンジニアのナオトです。

投資と心理の話の9回目です。前回は、合う証拠ばかり集めてしまう確証バイアスでした。
今回は、最初に見た数字に判断が引っぱられるくせ、アンカリングです。アンカーは船のいかりのことです。



有名な実験があります。プロスペクト理論のカーネマンとトベルスキーが、1974年の論文で紹介したものです。

0から100まで目盛りのある回転盤を回して、出た数字を書いてもらいます。ただし、回転盤には細工がしてあって、10か65でしか止まりません。
そのあとで、国連に加盟している国のうち、アフリカの国は何%か、と聞きます。

回転盤の数字は、この質問とまったく関係がありません。ところが、10を見た人たちの答えは25%ほど、65を見た人たちの答えは45%ほどでした。
関係の無い数字だと分かっていても、最初に見た数字の近くから考え始めて、そこから十分に離れられないのです。



トレードでも、いかりはあちこちにあります。

いちばん身近なのは、自分が買った価格です。
相場はこちらの買った価格を知りません。それでも、買った価格まで戻ったら売ろう、と考えてしまう。1回目に書いた、損を確定したくない心のくせと重なっています。

前の高値や、150円ちょうどのようなキリのいい価格も、いかりになります。
ただ、こちらは少し話が違います。多くの人が同じ価格をいかりにしているなら、その価格の近くで、実際に売り買いが集まるからです。



その面白い例が、株の研究にあります。

2004年にジョージとファンが発表した研究では、アメリカの株で、過去52週の高値に近い銘柄ほど、そのあと値上がりしやすかったと報告されています。
のちの研究では、これがアンカリングで説明されることが多いです。投資家が52週の高値をいかりにして、良い材料が出ても高値の近くでは買い上げるのをためらう。だから、価格が良い材料に追いつくのが遅れ、そのあとも上がっていく、という説明です。



私の検証にも、これとよく似た結果があります。

4時間足で、直近60本のあいだ一度も来ていない高値へ価格が届いた瞬間に、逆指値で買う。
ゴールド、ドル円、ポンド円の3つ、前半と後半の期間、2つの決め方で、12通りすべてが、トントンになる勝率を上回りました。
株と為替で、時間の長さも違うので、同じ現象とは言い切れません。それでも、久しぶりの高値を抜けたあとに買いがついていく向きは、どちらも同じでした。

自分の買った価格は、相場にとって意味の無いいかりです。多くの人が見ている高値やキリのいい価格は、売り買いが集まる、意味のあるいかりです。同じいかりでも、この2つは分けて考える必要があります。

キリのいい価格に線を引いて、近づいたら知らせるインジケーターも作っています。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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