すべてを疑い、たった一つの真実へ
こんにちは。セールスコピーライターの岩井直樹です。
アリストテレスによって、
哲学は「現実世界」を徹底的に探求する科学の旅へと進みました。
しかし、時代は大きく動きます。
宗教改革や大航海時代を経て、これまでの常識が次々と覆されるようになると、人々は「いったい何を信じればいいんだ?」という不安に襲われました。
そんな混迷の時代に、すべてを疑うことで、
たった一つの確実な真実を見つけた男がいました。
今回ご紹介するのは、近代哲学の父とも呼ばれる、ルネ・デカルトです。
デカルトとはどんな人?
デカルトは、17世紀ごろのフランスの人物です。
日本の歴史でいうと、江戸時代にあたります。
彼は哲学者であると同時に、
数学者、物理学者としても偉大な功績を残しました。
数学で私たちが使う「x軸」と「y軸」の概念を考案し、
図形を方程式で表す「解析幾何学」を発明したのも彼です。
彼は、数学のように誰が見ても「絶対に正しい」と言えるような
確実な真実を、哲学でも見つけようとしました。
デカルトの哲学「我思う、ゆえに我あり」
デカルトの哲学は、非常にシンプルで、
かつ大胆な問いから始まります。
それは、「世界にある、あらゆるものを疑ってみよう」というものでした。
彼は、次のように徹底的に疑っていきます。
「私たちが五感で感じる世界は、本当に存在しているのか?」
→ 目の錯覚や幻覚があるように、
感覚は当てにならないかもしれない。
「常識や過去の知識は、本当に正しいのか?」
→ 昔の常識が、今では間違いとされているように、
信じていることが間違っているかもしれない。
「私が見ているこの現実は、夢ではないのか?」
→ 夢の中では、現実と同じように物事を体験する。
夢と現実を区別する確実な方法はないかもしれない。
こうして、ありとあらゆるものを疑った結果、
彼は一つの確実な真実を発見します。
それは、
「どんなに疑っても、今、まさに疑っている自分自身の存在だけは確実だ」
ということでした。
そして、この思考の旅は、哲学史上最も有名な言葉として結実します。
「我思う、ゆえに我あり(コギト・エルゴ・スム)」
哲学は「自分」という出発点へ
ソクラテスが「自分は何も知らない」と自覚することで哲学を始めたように、デカルトは「私は考えている」という確実な一点から、知識を再構築しようとしました。
彼の思想は、それまでの「神」や「外界」を真実の源としていた哲学から、「考える自分自身」へと哲学の中心を大きく転換させました。
この考え方が、その後の近代哲学と近代科学に大きな影響を与え、今日の私たちが「自分らしさ」や「個人の価値観」を大切にする考え方の基礎になったのです。
デカルトから学ぶ3つのヒント
デカルトの哲学は、現代を生きる私たちにも大切なヒントをくれます。
彼の思考を、身近な例で見ていきましょう。
①「疑う」ことから始める力
当たり前だと思っていること、流れてくる情報、誰かの意見。
一度立ち止まり、「本当にそうだろうか?」と疑ってみること。
この姿勢が、真実を見抜く力を養ってくれます。
②自分の「内側」に確信を見つける力
多くの意見に惑わされたとき、一度「自分は何を考えているか?」と
自問自答してみましょう。外部の評価や意見に流されず、自分の確信に
基づいた判断ができるようになります。
③複雑な問題を「分解」する力
デカルトは、複雑な問題を小さな要素に分解して考えることを得意としました。
(例)
大きなプロジェクトや難しい課題に直面したとき、全体を一度に考えず、一つひとつの小さなステップに分けてみましょう。そうすることで、解決の糸口が見えてきます。
哲学は「自分らしさ」を見つける旅へ
いかがでしたか?
デカルトの哲学は、すべてを疑うという大胆な方法で、
最終的に「自分自身」という確かな存在にたどり着きました。
彼の思想は、外の世界ではなく、私たちの内なる世界にこそ、
確実な真実があると教えてくれます。
さあ、次は誰の物語を紐解いていきましょうか?
【ちょっと補足】
デカルトは、数学と哲学を結びつけたことでも有名です。
彼が考案した「x軸」と「y軸」によって、
図形を数式で表すことが可能になりました。
これは、今日のGPSやコンピューターグラフィックスの基礎にもなっており、彼の哲学が科学技術の発展にどれほど大きな影響を与えたかが分かります。