七草粥を作るという、やさしい習慣

七草粥を作るという、やさしい習慣

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コラム


七草粥を初めて作ったのは、一昨年のことでした。
それまでの私は、正直なところ「七草粥=なんとなく食べるもの」という認識で、自分で作る発想すらなかったように思います。
調理自体も、恥ずかしながらあまり経験がなかったんですよね。

でも、ある年のお正月明け、ふとスーパーに立ち寄ったときのことです。
野菜売り場に、2人分ほどの春の七草がセットになったパックが並んでいました。
「これなら作れそうかも」と、少しだけ背中を押されるような気持ちで、初めて七草粥に挑戦してみることにしました。

作ってみて驚いたのは、その手軽さと、素朴なのにきちんと“美味しい”ということ。
お正月のごちそうで少し疲れた胃に、じんわり染み込むようなやさしい味で、「あ、これは毎年作りたくなるな」と感じたのを覚えています。
それ以来、七草粥は私の中で“行事”というよりも、“身体を労わる習慣”になりました。

❇️春の七草が持つ、やさしい力

七草粥に使われる「春の七草」には、それぞれきちんと意味と栄養があります。
ただの縁起物ではなく、昔の人が冬から春への体調の変化を考えて選んだ、理にかなった食材なのだと思うと、その一杯がよりありがたく感じられます。

🌿せり
ビタミンA、B2、カルシウム、鉄分を含み、健胃・整腸作用があるとされています。目の充血やめまい、頭痛の緩和にも良いとされ、香りの強さが特徴です。

🌿なずな
タンパク質やビタミンA、B1、B2、カルシウム、鉄などを含み、高血圧防止や利尿、解熱作用があるといわれています。

🌿ごぎょう
タンパク質やミネラルが含まれ、咳や痰、風邪予防に良いとされています。冬の終わりに嬉しい存在です。

🌿はこべ
タンパク質や鉄分が豊富で、胃炎や胃弱に効果があるといわれています。催乳効果があるともされ、古くから親しまれてきました。

🌿ほとけのざ
抗酸化物質を含み、筋肉痛や打撲に良いとされる植物です。

🌿すずな(かぶ)
ビタミンCやカロテンを含み、整腸や解熱作用が期待できます。根も葉も無駄なく使えるのが嬉しいですね。

こうして並べてみると、年始の少し弱った身体を整えるための、まさに“自然の処方箋”のようです。

❇️初心者でも美味しく作れる、七草粥レシピ

七草粥は、実はとても簡単に作れます。私が毎年作っている、失敗しにくいレシピをご紹介します。

材料(2人分)
・七草セット 1パック
・ごはん 茶碗2杯分
・水 400〜500ml
・白だし 大さじ1と1/2

作り方

1. 七草は軽く水洗いし、細かく刻みます。
2. 鍋にごはんと水と白だしを入れ、中火にかけます。
3. 沸騰したら弱火にし、5〜7分ほどコトコト煮ます。
4. 火を止める直前に七草を入れ、さっと混ぜます。
5. 味加減が薄かったら塩を少々加えて味を整えたら完成です。

七草を入れすぎて煮込まないのがポイントです。
色も香りも残り、えぐみが出にくくなります。

❇️一杯のお粥が教えてくれること

七草粥は、豪華でも派手でもありません。
でも、その静かな一杯が、「今年も自分の身体を大切にしよう」と思わせてくれるのです。

初めて作ったときの「意外と美味しい」という小さな感動は、今でも忘れられません。
料理が得意でなくても、完璧にできなくても、こうして季節の行事をひとつ、自分の手で取り入れるだけで、暮らしは少しだけ豊かになるのだと思います。

今年もまた、七草粥を食べながら、ゆっくりと一年を始めたい。
そんな気持ちで、この冬も鍋を火にかけています。



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