歩くのもしんどい日に――数字を数えながら一歩ずつ進むという方法

歩くのもしんどい日に――数字を数えながら一歩ずつ進むという方法

記事
コラム

うつ病や心身の疲れが強いとき、「歩く」という何気ない行動ですら大きなハードルに感じられることがあります。
特に、外出しなければならない用事がある日ほど、その負担感は大きくなりますよね。

例えば役所の手続きや病院の予約。
どうしても行かなければならないとわかっていても、家から出るまでに気力を振り絞らなければならない。
外の気温や天候、体調、気持ちの波――そのすべてが外出の難しさを増してしまいます。

今回は、そんな「歩くのもしんどい日」に役立つかもしれない、シンプルだけど意外と効果のある方法をご紹介します。
それは 「数字を数えながら歩く」 というやり方です。

❇️歩き出せないときに起きていること

うつ病や強い疲労があるとき、外出が大変なのは単なる「気持ちの問題」ではありません。
脳の働きとしても、ストレスや不安を感じる「扁桃体」が活性化し、体の防御反応が強く出てしまうことがわかっています。

結果として、心拍数が上がったり、体がだるくなったり、息苦しさを感じたりしてしまい、「歩き出せない」「途中で立ち止まりたくなる」などの行動に現れます。
これは怠けているのではなく、脳と体が本能的に「安全を確保しよう」としているサインなのです。

❇️数字を数えることで何が変わる?

そんなときに役立つのが、「数字を数える」行動です。

歩きながら、頭の中で「1、2、3…」とカウントしていきます。
100まで数えたら、また1から数え始めます。
数字を順番に数える行為は、脳の前頭前野を働かせるため、扁桃体の過剰な反応が落ち着くと言われています。

いわば、頭の中を不安でいっぱいにする代わりに、ひとつの単純な作業に意識を向ける「マインドフルネス」の一種。
余計な思考やネガティブな感情から少し距離をとることができるのです。

❇️実際にやってみると…

実際にこの方法を試した人は、炎天下の中でも一度も立ち止まらずに目的地まで歩けたそうです。

歩き始めは不安で「やっぱり無理かも」と思ったものの、カウントを続けるうちに呼吸が整い、ペースを保ったまま歩き続けられたとのこと。

帰り道も同じ方法を使い、途中でビルの壁に寄りかかって休むことはあったものの、しゃがみ込むことなく家まで帰りつけたそうです。

この体験は、本人にとって「できた!」という達成感と、自分を信じる小さなきっかけになったといいます。

❇️ポイントは「ゆっくり、集中する」こと

この方法を取り入れるときに意識したいポイントは次の3つです。

1. 自分のペースで歩く
    早歩きは不要です。体調に合わせて、できるだけゆっくり。

2. 呼吸とセットで行う
    苦しくなってきたら深呼吸しながらカウントを続けます。

3. 数字だけに集中する
    周囲の人や景色はなるべく見ない。余計な情報を遮断することで集中しやすくなります。

こうすることで「頭の中が数字でいっぱいになり、ネガティブな思考が入りにくくなる」状態が生まれます。

❇️「当たり前」ができた日の喜び

健康なときは何気ない「外出して歩く」という行動も、しんどいときにはとてつもなく大きな壁です。
だからこそ、 立ち止まらずに目的地に着けた、帰ってこられた、という事実は十分に自分をほめていい出来事です。

「今日はダメかもしれない」と思った日でも、数字を数えながら一歩ずつ歩くことで「もしかしたらできるかも」という小さな希望をつかめるかもしれません。

❇️まとめ ― 一歩ずつ、数字とともに❇️

数字を数えながら歩く方法は、特別な道具もお金も必要なく、思い立ったときにすぐできる方法です。
脳科学的にも不安のコントロールに役立つとされており、うつ病や強い疲労で歩くのがつらい人にとって、心強いサポートになるかもしれません。

もちろん、無理は禁物。
体調が悪いときは休むことが最優先です。
ですが「今日は少しだけやってみようかな」と思えた日には、ぜひ試してみてください。

一歩ごとに「1、2、3」と数字を重ねるたびに、少しずつ自分の世界が広がっていく――そんな実感を持てる日が、あなたにも訪れるはずです。



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