私は一時期筆を置いていた時期があります。
そもそも、自由に絵を描き始めたのはおとなになってからでした。
幼い頃は満足な文具などがなく、精一杯描いていたものといえば勝手に作っていた学級新聞くらいのものでした。
中学校にあがって、漫画を描くようになったけれど、やはり画材やコピー代、郵便代などがなく、自然と絵を描くことからは離れていきました。
おとなになり、人生の転機を迎えてから絵を描き始めたのですが、その後も人生の大きな波に揉まれることとなり、やがて筆を置いていました。
そんな中、一枚の写真が私を魅了します。
そう、福島県の芦ノ牧温泉駅の駅長猫、らぶ駅長の写真でした。
その写真は「おいでよ、福島。」と優しく語りかけているかのようでした。
私はその瞬間を絵にとどめたい、と思い、スマホに入れているのにあまり使っていなかったお絵かきアプリを開きました。
温かい、雪解けの春の福島をイメージして描きました。
そんならぶ駅長の一周忌が、今日です。
らぶ駅長は私に描く勇気をくれました。
前を向く勇気をくれました。
小さな体で駅を悠々と巡回して回る様は、いつでも私を励ましてくれました。
そんならぶ駅長の一周忌が、今日です。
らぶ駅長存命の間に行くことができなかった福島。
遠い熊本から、虹の橋の向こうを祈ります。