今日もブログをご覧いただきありがとうございます。
Amazonほどの企業規模における成功は一人の天才的なリーダーの手によって成し遂げられたわけではなく、明確に定義され、厳格な形で実践された一連の信条やプラクティスとコミットメント、その実践をもって実現されたと言っていいでしょう。
今日は、アマゾンの真髄ともいうべき「Amazonのリーダーシップの信条」について触れてみます。
1.Amazonのリーダーシップの信条
Amazonは、拡張可能性と反復可能性を備えた一連のプロセスを築き上げ、14項目からなるリーダーシップの信条と組み合わせています。それが、Amazonがアイデアを次々と実現する原動力になりました。あらゆる企業も、その規模や業界に関わらず、こうしたAmazonの知見を自社に適用できます。参考になるはずです。
Amazonのリーダーシップの14項目の信条は次の通りです。
⑴ Customer Obsession 顧客第一主義にこだわる・・・リーダーは顧客を起点にして、逆向きに行動する。そして、顧客からの信頼を獲得、維持するための全力を尽す。
⑵ Ownership オーナーシップ・・・リーダーはオーナーだ。リーダーは長期的な視点に立って考え、短絡的な成果で長期的な価値を犠牲にしたりはしない。自らのチームという枠を超え、全社のことを考えて行動する。「それは私の仕事ではない」と絶対に口しない。
⑶ Invent and Simplify 創造性と簡素化・・・リーダーはチームに革新性と創造性を求めるとともに、常に簡素化への道を見つけ出そうとする。
⑷ Are Right A lot 多くの場合に正しい・・・リーダーは多くの場合に正しい判断を下す。リーダーは確固たる判断力と優れた直観を有している。多様な観点を追求し、自らの信念を疑うことも辞さない。
⑸ Learn and Be Curious 学び、好奇心を重視する・・・リーダーは学ぶのをやめず、常に自らを向上させる手段を追求する。新たな可能性に向けて好奇心を研ぎ澄ます、その追求に勤しむ。
⑹ Hire and Develop The Best 最高の人材を雇用、育成する・・・リーダーは類まれなる人材を発掘し、組織の各所で活用する。リーダーを育成し、他者のコーチングという自らの役割について真剣に取り組む。
⑺ Insist on the Highest Standards 最高の水準を追求する・・・リーダーは多くの人があまりにも高いと考えているほどの高い水準を徹底的に追及する。常に限界を押し上げ、高い品質やサービス、プロセスをもたらせるようチームをけん引する。
⑻ Think Big 視野を広げる・・・視野狭窄は自己満足に陥る。リーダーは成果に向けた意欲を掻き立てる大胆な方向を打ち出し、それを指示する。
⑼ Bias for Action 行動に価値を置く・・・ビジネスはスピードが命だ。
⑽ Frugality 倹約の精神を持つ・・・より少ない投資で多くのことを達成する。倹約は創意工夫や自立心、発明を生み出す鍵となる。
⑾ Earn Trust 信頼の醸成・・・リーダーは人の話に注意深く耳を傾け、ざっくばらんに語り、敬意を持って他者とやり取りする。
⑿ Dive Deep 深いところまで突き詰める・・・リーダーはあらゆるレベルで活動し、小際に目を配り、頻繁に状況を吟味し、指標と事例が合致しない場合に猜疑心を抱く。
⒀ Have Backbone ,Disagree and Commit 気概を持ち、異議を唱え、コミットする・・・リーダーは異なる意見がある場合、礼を失することなく異議を唱える義務がある。リーダーは信念をもって粘り強くある必要があり、周囲に迎合して妥協することがあってはならない。一旦意思決定に至った場合には全身全霊をもってコミットする。
⒁ Deliver Results 成果をもたらす・・・リーダーは自らの業務に関する重要な情報に焦点を当て、適切な品質の成果をタイムリーな形でもたらす。障害があっても、適切に対処し、絶対に妥協しない。
2. Amazon従業員のマインドセット 顧客視点を持って逆向きに行動する
Amazon従業員のマインドセットは、これらの14項目に基づいて醸成されます。この中で最も重要なのは「顧客視点をもって逆向きに行動する」ということです。
「逆向きに行動する」というのは、常に顧客エクスペリエンスを起点にして物事を考えていくということです。多くの企業が「スキルを起点にする」アプローチを採っており、コアコンピタンスや市場勢力図を分析したり、自社の強み(Strength) と弱み(Weekness)、そして自社を取り巻く環境に起因する機会(Opportunity)と脅威(Threat)の4つを分析するSWOT分析がもてはやされています。これらには顧客の視点や顧客から期待されるエクスペリエンスが欠けているのです。Amazonはこのプロセスを逆向きに辿り、まず顧客エクスペリエンスに目を向けているのです。
顧客第一主義がAmazon成功の鍵です。競争力重視の企業では、ある製品分野においてトップに立っている企業は、改善や成長を続けていくための原動力や切迫感が欠けています。しかし、顧客は常に驚くほど多くの不満を抱えています。顧客第一主義の企業は、顧客の視点に立って「顧客が何を求めているのか」「何に不満があるのか」、そうした顧客の要望に応えるにはどうすればいいのかを常に考えています。Amazonは、顧客エクスペリエンスを深く理解することで、さまざまな事業を数多く手がけ、それらを何もない状態から大きな事業に育て上げてきています。
上記の14項目はどのような企業でも参考になるでしょう。先ずは顧客視点をもって逆向きに行動する、”Working Backwards”から始めましょう。