中小企業経営のための情報発信ブログ139:目標達成のために

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ビジネス・マーケティング
今日もブログをご覧いただきありがとうございます。
これまで何度も「目標」の重要さについては書いてきましたが、目標を設定するだけでは何の意味もありません。目標は達成して初めて意味があるのです。それは、個人だけではなく企業についても言えることです。
1.事業計画の目標は低すぎず、高すぎず
 以前にも「長期的な目標」設定の重要性や「ぶっ飛んだ目標」の重要性について書きました。いかに「ぶっ飛んだ目標」であっても、達成可能なものでなければならないことは言うまでもありません。「ぶっ飛んだ」ように見えても努力すれば達成可能なものでなければならないのです。「ぶっ飛んだ」というのは奇想天外というわけではなく、聞く者をワクワクさせるものということです。
 多くの企業で事業計画や経営計画を作成していますが、目標をどのように設定するのかが重要です。あまりにも高い目標であれば達成できないのではないかと不安になり、低すぎると安心できますが、目標設定の意味もありません。
 「低すぎず高すぎず」といったところに目標を設定することです。今のままでは達成できないがちょっと努力すれば達成できるというところに目標を置くのです。そしてその目標を達成できれば、ちょっと頑張ればできる達成できる次の目標を設定するということです。
 以前、長期的な目標を設定し、それを細分化して中期・短期目標を設定すると言いましたが、短期的な目標達成を積み重ねた先に長期的な目標の達成があるのです。従って、短期的な目標を設定し、順次積み上げて長期的な目標を設定していくべきです。
 つまり「四半期後の目標」を設定して、それを前提に「1年後の目標」を設定し、更にそれを積み上げて「5年後の目標」としていくのです。
 このようにして長期目標を設定すれば、長期的な目標だけを見れば、たとえ達成できないような「ぶっ飛んだ」ものでも、しっかりと足を地に着けて設定された目標なので、達成可能性は極めて高くなります。
 目標設定の際のポイントは次の通りです。
Ⅰ:利害関係者から求められる目標:ミニマムリクワイアメント・・・株主や出資者から求められる、最低限クリアしなければならない利益目標レベル
Ⅱ:現在の実力で達成可能な目標:実力値・・・現在や経営資源、持っているマンパワー、ノウハウなどを考慮すれば達成可能な目標。これは達成できる可能性が極めて高いので、その上を目指します。
Ⅲ:競争優位性を維持するための目標:競争優位性・・・競合他社に打ち勝つために市場の成長性よりも少し上を狙います。競合他社が強気の戦略をとった場合、対抗策が打てるように準備しておく必要があります。
Ⅳ:ビジョンとの整合性・・・経営ビジョンで掲げられる将来の目指す姿と経営目標で掲げる定量目標が整合性がとれていなければなりません。
Ⅴ:戦略での達成可能性・・・戦略が成功すれば達成できる目標になっている必要があります。
Ⅵ:マネジャーや社員のモチベーション・・・実戦部隊である現場のマネジャーや社員がよる気になるような目標でなければなりません。
2.目標には社員それぞれに意味・意義を込める
 先ほどのポイントの中で最も重要なのは、社員のモチベーションです。先ほども言いましたが、「ぶっ飛んだ目標」というのはそれを聞いた者がワクワクして「よし、やってやろう!」とやる気になってくれるものです。
 会社や組織・チームが目標を設定しても、社員やメンバーがそれを目標と見なしていなければ、目標にはなりません。目標を設定する際には、目標を持たせる人たちに、その目標の意味づけ、意義づけをしっかりと行なわなければいけないのです。
 マクレガーが提唱したMBO(Manegement By Objectives )があります。これは、「統合と自己統制による経営」のことで、ここでいう統合とは「部下が企業の目標に向かって努力することにより自分自身も最大に事後の目標を達成できるような環境を作り出すこと」です。
 この目標管理では、目標設定において部下の意見が求められ、部下の納得と理解の元で目標が決定され、期間中は部下には大幅な自由裁量権が与えられ、この目標達成のために自己統制を行ないます。期間終了後または期間中の主要な時期に目標達成度によって評価されます。
 このような目標管理制度によって、社員に目標の意味づけ、意義づけを行なうことも一つの方法でしょうが、むしろ、重要なのは、社員自身が自発的にやる気・モチベーションを高めてくれるようなストーリーのある戦略であり、ワクワクするような「ぶっ飛んだ目標」ではないかと思います。全くストーリー性もなくワクワク感のない目標ではいかに目標管理を行ない意味づけ、意義づけをしようとしても社員のやる気やモチベーションに繋がらないのではないでしょうか。
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