今週から「Get Ready!」(TBS)というドラマが始まったのですが、皆さんはご覧になりましたか。
なんでも「多額の報酬と引き換えに、手段を選ばず患者の命を救う正体不明の闇医者チームを描いた医療エンターテインメント」だそうです。
このうたい文句を聞くと、ある程度の年齢の方は、「ブラックジャック」を思い出すと思います。
制作側は完全オリジナルといっていますが、明らかに影響を受けていましたね。
だいたい、主役のビジュアルからして似ていました。
ということで、私は医療系の話が大好きですし、「ブラックジャック」も高く評価していますから、観てみることにしました。
それで感想をまず書いておくと、がっかりの一言です。
完全オリジナルなので、原作はないのですが、なんというか、漫画みたいなストーリーなんですね。
法外な報酬と引き換えに違法なオペを請け負う闇医者チームとのことですが、このエピソードでは、なんと800億円もふっかけます。
800億円ですよ、800億円。
脚本家と演出家の正気を疑います。
いくら作り話でも限度というものがあるでしょう。
しかも、主人公は患者が強引なM&Aで財を成したからとオペを拒否します。
いって悪いですが、この主人公は神様気取りで、自分は他人の生死を左右する資格があると思っているわけです。
傲慢としかいいようがありません。
まあ、お話ですから、報酬がいくら高くても、主人公が患者に生きる資格があるかを決めてもいいでしょう。
考えてみれば、仕置き人の裏返しみたいなものですからね。
嫌なら観なければいいだけです(私は観るのは止めます)。
ただ、どうしても気になったことがあります。
患者である超大富豪の投資家は強引なM&Aで財を成したのですが、そのために多くの中小企業主が倒産の憂き目に会い、自殺したり、中には一家心中にまで追い込まれたんですね。
彼はお前の責任だと責められます。
私にはこれが認められません。
自殺の原因が何であれ、それを決意したのは本人であって、仮に会社を潰したのがこの投資家であっても、最終的な責任は自殺した本人にあります。
自殺以外の選択肢は必ずあります。
それでも自殺を選んだとすれば、投資家の責任を問うのはおかしいでしょう。
一家心中にいたっては問題外で、こんな方法を選んだ人間を私は絶対に許すことができません。
本人の身になってみないとわからない、他に道はなかったなんて言い訳は成立しません。
どんな場合であっても、子供を巻き込んではいけない。
親に子供の生死を決定する権利はないのです。
普段の関係がどんなに良くても、こんなのは究極の虐待に他なりません。
私は自殺についても反対ですが、百歩譲ってどうしても死にたいのなら、一人で死ねばいい。
日本では一家心中に対して割と甘いというか、同情論をよく聞きますが、これだけははっきりといっておくべきでしょう。
親がいなくても、子供は生きていけます。
苦労するかもしれませんが、それはその子の人生であって、だからといって、親が勝手に終わらせていいものではありません。
ニュースでもドラマでも、一家心中を扱うときはこの点を強調して欲しいと思っています。
話が逸れましたが、私の書きたかったことは最後の部分ですので、ご寛恕ください。
では