「学校で何かあった?」
そう聞いても、
「別に」
「普通」
「何もない」
としか答えてくれない。
でも、以前より口数が減った。
スマホばかり見るようになった。
朝になると学校へ行きたくなさそうにする。
休日は元気なのに、日曜日の夜になると表情が暗くなる。
もし、そんな変化があるなら、見逃さないでください。
子どもは、つらいことがあっても、必ずしも「助けて」と言えるわけではありません。
むしろ、本当に苦しいときほど、何も言わなくなることがあります。
そして、ここで多くの親がやってしまうのが、
「もっと強くなりなさい」
「そんなことで負けちゃダメ」
「あなたにも何か原因があるんじゃない?」
という言葉です。
もちろん、子どもを責めたいわけではありません。
心配だから言う。
将来困らないように言う。
立ち直ってほしくて言う。
しかし、親にとっては励ましでも、苦しんでいる子どもには「自分の気持ちを理解してもらえない」というメッセージになることがあります。
ここは非常に重要です。
いじめの責任は、いじめをする側にあります。
親の育て方が「いじめの原因」だと決めつけることもできません。
ただし、家庭での何気ないコミュニケーションが、
「困ったときに親へ相談できる子になるか」
「自分を責め続ける子になるか」
「嫌なことにNOと言える感覚を持てるか」
に影響する可能性はあります。
つまり問題は、
「親が悪いのか」
ではありません。
「子どもが苦しいとき、家庭が安心して戻れる場所になっているか」
です。
ここから、親が無意識にやってしまいやすい5つの習慣について考えていきます。
1.「他の子と比べる」
「○○ちゃんはできているのに」
「お兄ちゃんはそんなこと言わなかったよ」
「同じクラスの子はもっと頑張っているよ」
この言葉は、親からすると何気ない一言かもしれません。
しかし、子どもにとっては強烈です。
なぜなら、
「自分はそのままではダメなんだ」
という感覚につながりやすいからです。
子どもは成長の途中です。
できることもあれば、できないこともあります。
人間関係が得意な子もいれば、苦手な子もいます。
大勢の中で話せる子もいれば、少人数のほうが安心する子もいます。
ところが、毎日のように誰かと比較されると、
「自分は足りない」
「もっと頑張らないと認めてもらえない」
という考え方が染みついてしまうことがあります。
すると、学校で嫌なことが起きたときにも、
「自分が弱いからだ」
「自分がもっとちゃんとしていれば」
と、自分を責めてしまう場合があります。
親が欲しいのは「成長」でも、子どもが受け取っているのは「否定」かもしれません。
ここを間違えないことです。
では、どうすればいいのでしょうか。
「○○ちゃんはできている」ではなく、
「昨日よりここができたね」
と本人の変化を見る。
それだけでも意味があります。
比較する相手を、他人から「昨日の自分」に変える。
これが第一歩です。
2.「すぐに正解を教える」
子どもが、
「今日、嫌なことがあった」
と言ったとします。
その瞬間、
「それならこうすればいい」
「先生に言えばいい」
「言い返せばいい」
「そんな子とは付き合わなければいい」
と解決策を並べていませんか。
もちろん、問題を解決することは大切です。
しかし、その前に必要なのが、
「話を最後まで聞くこと」
です。
子どもが求めているのは、必ずしも正解ではありません。
「分かってほしい」
ということがあります。
たとえば、
「それは嫌だったね」
「怖かったんじゃない?」
「よく話してくれたね」
という言葉が先にあるだけで、会話の空気は変わります。
逆に、いきなり正論を言われると、
「話しても意味がない」
と思ってしまう可能性があります。
そして最も怖いのが、
「次は相談しない」
という選択です。
一度相談して否定された。
一度相談して説教された。
一度相談して親が大騒ぎした。
それだけで、次から何も言わなくなる子もいます。
だから、
「何があったの?」
より先に、
「話してくれてありがとう」
という姿勢が大切です。
解決する前に、安心させる。
この順番を忘れないでください。
3.「失敗を必要以上に責める」
忘れ物をした。
テストで悪い点を取った。
友達とケンカした。
部活で失敗した。
そんなとき、
「だから言ったでしょう」
「何回同じことをするの?」
「ちゃんとしなさい」
と言ってしまうことがあります。
しかし、失敗した本人は、すでに十分苦しんでいるかもしれません。
そこへ追い打ちをかけるように叱られると、
「失敗=怒られる」
という感覚が強くなります。
すると、失敗を隠すようになります。
そして、
「本当のことを言わない」
という習慣につながることがあります。
学校で何か問題が起きたときにも同じです。
「怒られるから言わない」
となれば、親は異変に気づきにくくなります。
だからこそ、
「何があったのか」
を聞くことと、
「誰が悪いのか」
を決めることを分ける必要があります。
失敗したときに必要なのは、
「失敗しても、この家には帰ってこられる」
という安心感です。
これは甘やかしとは違います。
失敗した後に一緒に考える。
必要ならルールを決める。
間違いを正す。
それでも、
「あなた自身まで否定しているわけではない」
という線引きをすることです。
4.「親の期待を愛情と一緒に伝えすぎる」
「あなたならできる」
「もっと頑張れる」
「将来のために今頑張らないと」
親としては当然の気持ちかもしれません。
期待すること自体が悪いわけではありません。
問題は、
「期待に応えられない自分には価値がない」
と子どもが感じてしまうケースです。
勉強。
スポーツ。
友人関係。
習い事。
進路。
何をやっても、
「もっと」
「まだ足りない」
と言われ続ければ、子どもは疲れてしまいます。
そして、学校で人間関係の問題が起きたとき、
「親に知られたら失望される」
と考えることがあります。
これでは、助けを求めることが難しくなります。
親が求めるべきなのは、
「強い子」
ではありません。
「困ったときに助けを求められる子」
です。
一人で耐えることを「強さ」と教えてしまうと、苦しみを抱え込むことまで美徳になってしまいます。
本当の強さとは、
「助けて」
と言えることかもしれません。
5.「親自身が我慢を美徳にしている」
これは、意外と見落とされます。
親自身が、
「これくらい我慢しないと」
「人間関係なんだから仕方ない」
「嫌なことがあっても耐えるもの」
という価値観で生きている。
すると、無意識のうちに子どもにも同じことを求めてしまう場合があります。
友達に嫌なことを言われた。
仲間外れにされた。
LINEで無視された。
からかわれた。
そんな話を聞いて、
「まあ、そういうこともあるよ」
と終わらせてしまう。
しかし、子どもにとっては「そういうこと」ではないかもしれません。
大切なのは、
「我慢できるか」
ではありません。
「嫌だと感じたとき、それを誰かに伝えられるか」
です。
嫌なことから逃げることは、必ずしも負けではありません。
距離を置く。
先生に相談する。
親に話す。
友達を変える。
環境を変える。
助けを求める。
いくつもの選択肢があります。
「逃げるな」ではなく、
「どうすれば安全になれるか」
を一緒に考える。
それが親にできる大切な役割です。
ここまで読んで、
「もしかしたら、自分もやっていたかもしれない」
と思った方もいるかもしれません。
でも、ここで自分を責める必要はありません。
完璧な親などいません。
親もまた、親になるための教育を受けてきたわけではありません。
子育てをしながら学んでいくしかないのです。
だからこそ、今日から変えればいいのです。
いきなり5つ全部を変える必要もありません。
まず一つだけ。
今日、子どもが何か話してきたら、すぐに答えを出さず、
「そうだったんだね」
と最後まで聞いてみる。
それだけでも構いません。
そして、もう一つ大切なのが、
親自身が疲れ切らないことです。
子どもの問題を考え続ける。
学校のことを心配する。
仕事をする。
家事をする。
自分の時間もない。
そんな状態が続けば、どれだけ優しい言葉をかけようとしても余裕がなくなります。
だから、子どもを支えるためにも、親自身が誰かに話す場所を持つことが必要です。
一人で抱え続ける必要はありません
悩みを抱えているとき、
「こんなことで相談していいのかな」
と思ってしまうことがあります。
愚痴を言っても仕方がない。
弱音を吐くのは情けない。
自分で何とかしなければいけない。
そう考えてしまう方も少なくありません。
でも、抱え込んだからといって、問題が小さくなるわけではありません。
むしろ、頭の中で何度も考え続けることで、どんどん大きくなっていきます。
そこで必要なのは、
「頑張るための場所」ではなく、
「頑張れない日でもいられる場所」
です。
愚痴を話す。
悩みを聞いてもらう。
今日できたことを報告する。
筋トレをしたと報告する。
新しいことに挑戦したと報告する。
誰かの頑張りを見て、自分も少し動いてみる。
こうした小さな積み重ねが、日常を変えるきっかけになります。
大きな決断をする必要はありません。
「今日は5分だけ運動した」
それでもいい。
「今日は何もできなかった」
それでもいい。
大切なのは、一人で全部を背負わないことです。
そして、もし今、
「誰かに話を聞いてほしい」
「一人だと続かない」
「筋トレや新しい挑戦を続けたい」
「頑張ったことを誰かに報告したい」
と思っているなら、そうした人同士で支え合える環境を持つという選択肢もあります。
ここで大切なのは、誰かに人生を変えてもらうことではありません。
自分自身が一歩動くための環境を作ることです。
人は、環境によって行動が変わります。
一人なら、
「今日はやめておこう」
で終わることもあります。
でも、
「今日、筋トレしました」
と報告する相手がいれば、もう少しだけ頑張れる。
「今日はこんなことで悩んでいます」
と話せる相手がいれば、頭の中だけで悩み続けなくて済む。
その小さな違いが、数週間、数か月後には大きな違いになることがあります。
最後に、一つだけ覚えておいてください。
子どもを守るために必要なのは、
「完璧な親」
ではありません。
子どもが困ったとき、
「この人になら話しても大丈夫」
と思える大人です。
そして、そのためには親自身も、
「困ったときに誰かに話していい」
と知っておくことが大切です。
一人で抱え込むことをやめる。
愚痴を吐く。
小さな行動を続ける。
誰かと報告し合う。
それだけでも、今日からできることはあります。
もし今、何かを変えたいと思っているなら、最初から大きく変える必要はありません。
「誰かと話してみる」
それだけでも十分です。
悩みを抱えたまま、今日も一人で頑張り続けるのか。
それとも、誰かと一緒に小さな一歩を始めるのか。
未来を変えるのは、大きな決断ではありません。
「もう一人で抱えない」
と決める、小さな行動です。
もし、愚痴や悩みを聞いてもらえる場所が欲しい方、筋トレや新しいチャレンジを一人では続けにくい方は、気軽にサービス内容を確認してみてください。
「今日は何もできなかった」という報告でも構いません。
「今日は頑張った」という報告なら、もちろん歓迎です。
一人で頑張り続ける場所ではなく、話しながら、報告しながら、少しずつ前へ進むための場所です。
今の自分を変えたいと思った瞬間が、最初の一歩です。
まずは、どんな場所なのかを覗いてみてください。