本棚やクローゼットの扉を開けて、「よし、今日こそスッキリ片付けるぞ!」と意気込んだ経験、きっと誰にでもあるのではないでしょうか。
整理用の箱を用意して、いらないものをサクサク分別しようと張り切っていたはずなのに、奥の方からふと出てきた古い日記帳や、懐かしい写真たち。
「ちょっとだけ……」と思ってページをめくった瞬間、すーっと当時の思い出の中に引き戻されてしまうんですよね。
ページをめくるたびに、忘れていたあの頃の感情や、甘酸っぱい記憶、一緒に過ごした誰かの笑顔が鮮やかに蘇ってきます。
気がつけば時計の針は大きく進んでいて、外はすっかり暗くなっている。
部屋の中を見渡すと、広げた荷物はそのままの状態で、何一つ片付いていない現実に「またやってしまった……」と落ち込んでしまうかもしれません。
でもね、まずは自分に「今日もお疲れ様」って、やさしく声をかけてあげてほしいんです。
片付けが進まなかったことに対して、自分を責める必要なんてまったくありませんよ。
実は、過去の日記や写真を見て思い出に浸る時間というのは、心が無意識のうちに求めている「大切な心の整理の時間」でもあるのです。
これまで、たくさんの方から心のお悩みを聞かせていただくなかで痛感してきたことがあります。
それは、私たちが過去の思い出に心が引き寄せられるとき、それは今の自分の心が少しお疲れ気味だったり、大切な記憶に触れることでエネルギーをチャージしようとしていたりするサインだということです。
アルバムに残された写真は、あなたがこれまで懸命に生きてきた時間の証そのものです。
泣いたり、笑ったり、悩んだりしながら進んできた一歩一歩が、そこにぎゅっと詰まっています。
だからこそ、そのページをめくるとき、あなたの心は過去の自分と対話して、自分自身を優しくいたわっているのかもしれません。
片付けという作業は、単に「物を減らす」ことだけではありません。
自分自身の記憶や感情と向き合い、ひとつひとつに区切りをつけていく作業でもあります。
そう考えると、思い出の写真や日記をじっくり眺めていたその1日は、決して無駄な時間などではなく、あなたの心が求めていた愛おしい時間だったのです。
だから、「何も片付かなかった」とガッカリしないでくださいね。
あなたの心は今日、過去の温かい思い出に触れて、少しほっと息をつくことができたはずです。
もし次に片付けをするときは、少しだけ工夫をしてみるのもおすすめですよ。
例えば、思い出の品が入った箱が出てきたら「これは最後の楽しみに取っておこう」と決めて、あらかじめ別の場所に分けておくのもひとつの手です。
あるいは、「10分間だけ思い出に浸る時間を楽しもう」とタイマーをセットして、その時間だけは心ゆくまで記憶の世界に浸ってみるのも素敵な方法です。
片付けは、今日中にすべてを終わらせなくても大丈夫。
あなたのペースで、少しずつ進めていけばいいのですから。
予定通りに進まなかった1日も、自分を責めずに「今日は思い出を慈しむ日だったんだな」と、優しく受け止めてあげてくださいね。
あなたが自分自身に寄り添いながら、あたたかい気持ちで毎日を過ごしていけることを、いつも応援しています。