部屋の電気を消して、ふかふかの布団に入った瞬間。本来なら一日の疲れを癒やす一番幸せな時間のはずなのに、なぜか頭のなかで「反省会」が始まってしまうことってありませんか?
「今日のあの言い方、相手を嫌な気持ちにさせちゃったかな」「明日の仕事、ちゃんと上手くこなせるだろうか」……そんな風に、今日の失敗や明日への不安が一気に押し寄せてきて、胸がざわつき、心臓の鼓動まで早くなってしまう。
暗闇のなかで一人取り残されたような気持ちになって、「早く寝なきゃ」と思えば思うほど目が冴えてしまうのは、本当に苦しいし辛いですよね。
でもね、まず最初に知っておいてほしいのは、夜に不安が大きくなるのはあなたが弱いからでも、考えすぎる性格だからでもないということです。
実は、人間の脳って夜になると不安を感じやすくなる仕組みを持っているんです。
昼間は太陽の光を浴びたり、体を動かしたり、誰かと話をしたりして脳の興奮を抑えるホルモンが分泌されていますが、夜になって部屋が暗くなると、脳は「静けさ」や「暗闇」を危機だと勘違いしやすくなります。
さらに、一日頑張って疲れた脳は、ネガティブな感情をコントロールする力がどうしても弱くなってしまうんですよね。
だから、夜の布団のなかで不安が止まらなくなるのは、あなたの心が弱っているからではなく、脳の自然な反応であり、「今日も一日よく頑張って疲れたよ」という体からのSOS信号なんです。
もし、今夜も布団のなかで不安の波に飲み込まれそうになったら、ためしてほしいことがあります。
それは、「不安を消そうとしないこと」です。
不安が浮かんできたとき、「こんなこと考えちゃダメだ」「早くポジティブにならなきゃ」と打ち消そうとすると、脳はその不安を余計に強いものとして認識してしまいます。
だから、「あぁ、今の僕は明日の仕事のことを心配しているんだな」「今日の失敗を気にしちゃうくらい、一生懸命生きてたんだな」と、ただその感情を客観的に眺めてみてください。
そして、そっと息を吐き出してみましょう。
息を吸うことよりも、ゆっくりと長く吐き出すことを意識すると、自律神経の副交感神経が優位になって、少しずつ心臓のバクバクが落ち着いていきます。
心臓の鼓動が早いときは、「手」の温もりを使うのもおすすめです。
自分の胸のあたりや、お腹の上にそっと温かい手を当ててみてください。
人の体は、皮膚の温もりを感じると「安心感」を抱くようにできています。
「今日は本当にいろいろあったけれど、とりあえず無事に一日を終えられた。それだけで満点だよ」って、自分自身にそっと声をかけてあげてくださいね。
夜に考える悩みの9割は、疲れた脳がつくり出した「幻」のようなものです。
暗闇のなかで出した答えや反省は、太陽が昇る朝になると「なんだ、大したことなかったな」と思えることが本当にたくさんあります。
だから、夜の暗闇のなかで人生の重大な決定をしたり、反省会を最後までやり遂げたりする必要は一切ありません。
「今の不安は、夜の暗闇が見せているイタズラなんだな」と思って、その悩みを明日の朝の自分にそっとバトンタッチしてしまいましょう。
あなたは今日一日、一生懸命に自分の時間を生き抜きました。
上手くいったことも、上手くいかなかったことも含めて、すべてあなたが今日を一生懸命生きた証拠です。
今はもう、何も考えなくて大丈夫。
温かい布団の感触や、呼吸の心地よさにだけ意識を向けて、どうかゆっくりと心を休めてくださいね。
あなたの今夜が、少しでも穏やかで優しい時間に包まれますように。