「いい意味で、こだわりが強いよね」
そんな風に言われた瞬間、あなたの心はスッと冷えてしまいませんか?
相手は笑顔で、いかにも褒め言葉であるかのように前置きをしてくるけれど、あなたの脳内では即座に「本当は面倒くさいって思われているんだ」という翻訳が始まってしまう。
「いい意味で」という言葉が、まるで爆弾を包む綺麗なラッピングペーパーのように見えて、次に続く言葉に怯えてしまう。
そんな経験を繰り返していると、人と会うこと自体が、相手の本音を探り当てる高度な心理戦のように感じられて、どっと疲れが出てしまいますよね。
心理カウンセラーとして、僕は、あなたがそれだけ相手の言葉の端々にまで心を配り、思慮深くあろうとしていることを知っています。
繊細な感性を持つあなたは、言葉の表面だけをなぞるのではなく、その奥にあるニュアンスや空気感まで敏感にキャッチしてしまいます。
だからこそ、ポジティブな装いをした言葉の裏側に隠された、ほんのわずかな「棘」のようなものを察知して、自分を守るために最悪のケースを想定してしまうんですよね。
でもね、そんな風に自分を責めたり、「裏を読みすぎてしまう性格を変えなきゃ」と無理に思わなくて大丈夫ですよ。
心理カウンセラーとして、僕がお伝えしたいのは、あなたが感じているその「悪い予感」は、決してあなたの妄想ではなく、あなたの繊細なセンサーが一生懸命に働いている証拠だということです。
ただ、そのセンサーの感度が良すぎるあまりに、相手がそこまで深く考えていないような些細な言葉にまで、過剰に反応してしまっている状態なのかもしれません。
世の中には、驚くほど言葉を無意識に使っている人がたくさんいます。
相手が言った「いい意味で」という言葉には、深い策略があるわけではなく、単に自分のボキャブラリーの少なさを補うための「なんとなくのクッション」である場合がほとんどなんです。
相手はあなたのこだわりを「すごいな」と純粋に感心して言ったのかもしれません。
あるいは、本当に少しだけ「自分には真似できないな」という圧倒された気持ちを、なんとかマイルドに伝えようとしただけかもしれません。
それを「面倒くさいと思われている」と100%の悪意として受け取ってしまうのは、あなた自身がこれまで、誰かを傷つけないように、そして誰からも嫌われないように、細心の注意を払って生きてきたからこそ生じる「投影」でもあるのです。
あなたが「自分だったら、面倒くさいと思うときにこういう言い方をするかも」と想像してしまうから、相手も同じだと思ってしまう。
それはあなたが、それほどまでに「丁寧な人間関係」を築こうとしてきた、優しい心の持ち主であるということの裏返しでもあります。
もし、次に「いい意味で」という言葉を聞いて、心がざわついたときは、心の中でそっと自分にこう声をかけてあげてください。
「あ、今、私の優秀なセンサーが最大出力で働いているな」と。
そして、「相手は私ほど言葉の裏側をデザインする能力はないのかもしれないな」と、少しだけ相手を「言葉に不器用な人」として見てあげてほしいのです。
あなたが悪いわけでも、相手が必ずしも悪意を持っているわけでもありません。
ただ、言葉の感度が違う二人が、同じ場所にいるだけ。
裏を読んで苦しくなったときは、深呼吸をひとつして、読み取った答えを一度「保留」にしてみてください。
「真意はわからないけれど、とりあえず表面上の言葉だけ受け取っておこう」と、自分に許可を出してあげるのです。
あなたは、言葉の迷宮で迷子にならなくていい。
もっと、そのままのあなたで、相手の言葉をさらっと聞き流していいんですよ。
心理カウンセラーとして、僕はいつでもあなたの味方です。
あなたのその繊細な感性が、自分を追い込むためではなく、あなた自身を慈しむために使われる日が来ることを、心から願っています。