「できる自分になる」を手放したら、何かが変わり始めた

「できる自分になる」を手放したら、何かが変わり始めた

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前回に続き、Mさんのお話です。
Mさんは、自分の生き方に自信が持てないことを気にしていました。

「高血圧対策のためにダイエットをしたい」
そう思ってはいるものの、
「できたらいいな」
と思うだけで、なかなか行動を深められないと愚痴ります。

目標を決めて、それに向かって努力することが苦手。
そんな自分を、Mさん自身が持て余していました。

「楽なこと、楽しいことしかしたくない」
「深く考えて生きることができない」
「どうして私は、こうなんだろう」
そんな思いもありました。

「運動は疲れる」
「甘いものや美味しいものは嬉しい」
身体は、いつの間にか「楽なほう」を選ぶことを
覚えているようでした。

では、なぜMさんは、こんなにも「楽なほう」を
求めるのでしょうか。

その原因追及のため幼少期をたどっていくと、
その背景にあるものが見えてきました。

Mさんの両親は、お店の切り盛りに忙しく、幼いMさんの面倒は
叔父さんや叔母さんが見てくれていました。
優しく甘えさせてもらった記憶があります。

けれど、その一方で、心の奥には、
「お母さんにもっと愛してほしい」
という思いがあったのではないでしょうか。
頭では気づいていなくても、心の奥ではずっと
「本当に自分が求めているもの」を探していた。

それは、今の人生にもつながっていました。

そして、さらに深くたどっていくと、母方の
ご先祖から受け継いできた「不足感」という
テーマが見えてきました。

裕福な環境に育ち、何不自由なく暮らしていても、
「本当に好きな人とは一緒になれない」
など、
「自分が本当に求めるものは手に入らない」
という思いを抱えていた家系のご先祖が見えました。

そんな「満たされない感覚」が、
世代を超えて流れているようでした。

そこからMさんが受け取ったメッセージは、
「100点満点の人生はないよ」
そして、
「今、自分に与えられているものの価値を認めてみよう」
ということでした。

これまでMさんは、
「もっと深く考えて生きられる自分になりたい」
「ダイエットできる自分になりたい」
「目標に向かって努力できる自分になりたい」
と、「今の自分ではない自分」を目指していました。

でも、そこには、
「今の私はダメ」
という自己否定も隠れていたのです。
だからこそ、今回の気づきは、
「ダイエットを成功させること」ではありませんでした。
「深く考えて生きられる人になること」でもありません。


「できる自分になろう」を手放して
「私はこういう人間だから」と決めつけて、
自分の可能性を狭めなくてもいい。
そんなふうに、少しずつ思えるようになったのです。


Mさんは、ダイエットができるように
なったわけではありません。
深く人生を考えられるようになったわけでもありません。

ただ、
「私は、目標に向かって頑張れない」
「私は、楽なことしかしたくない」
という自分の姿を、以前ほど責めなくなりました。

「ああ、そんな私もいるんだな」
と、一歩引いて自分を見る。
それだけでも、心の中には少し余白が生まれます。

自分を変えようと必死になる前に、
「今の私は、そうなんだな」
と認めてみる。
変わることは、その先から始まるのかもしれません。

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