はじめに
今朝(2026/6/22)、テレビのニュースを観ていて、ふと考えさせられる場面がありました。
イギリスがEU(欧州連合)から離脱(ブレグジット)してしばらくが経ちますが、現在のイギリス国内では、かつてない世論の変化が起きているという報道でした。
特に、当時はまだ18歳未満で選挙権を持たなかった今の若者たちの間で、「EU離脱は間違いだった」「もう一度EUに再加盟したい」と訴える声が半数を超え、世代によっては8割以上にも達しているというのです。
「離脱すればバラ色の未来が待っている」
かつてそう語られた華やかなスローガンの裏で、現在のイギリスは通関手続きの煩雑化による物流の停滞や、深刻な労働力不足など、現実的な経済の打撃に直面していると言われています。かつての選択を「後悔」する声が国内に広がっている――。
このニュースは、単なる遠い異国の政治劇ではないように思えます。
私たちはこの姿から、かつて日本が経験し、今なおもがき続けている「失われた30年」の影を、どこか重ね合わせてしまう部分があるのではないでしょうか。
決断を先送りし、過去のプライドに固執することで、国や組織の力は少しずつ、しかし確実に削がれていくのかもしれません。今、イギリスで起きていることは、私たちがこれから「どのような未来の土台を創るべきか」を突きつける、一つの重い問いかけのように感じられます。
今回はキャリアコンサルタントの視点から、この「後悔」を「前進」に変えるためのヒントを、皆さんと一緒に少し深掘りしてみたいと思います。
イギリスの「後悔」と日本の「失われた30年」
「離脱すれば、自分たちのコントロールを取り戻せる。輝かしい未来が待っている」
2016年の国民投票の際、離脱派が掲げた理想はとても魅力的に響きました。
しかし、いざ蓋を開けて数年が経った今、イギリスを襲っているのは厳しい「現実」のようです。貿易の手続きは複雑になって物流が滞り、これまで安価で優秀な労働力を提供してくれていたEU域内からの移民が減少したことで、人手不足や物価高といった影響が続いていると言われています。かつての約束とは裏腹に、経済はかえって打撃を受けている側面があるようです。
国内に広がる「あの選択は失敗だったのではないか」という後悔。
しかし、ここには非常に根深い構造のねじれがあるように思えます。
当時、離脱に多く投票したのは、かつての「強い英国」の誇りを重んじた高齢層や地方の有権者が多かったと言われています。
一方で、これからの未来を長く生きる若者たちの多くは、EU残留を望んでいました。つまり、当時は投票権すら持たなかった今の18歳から20代前半の若者たちにしてみれば、「自分たちが選んでもいない過去の決定によって、未来の可能性を狭められている」という過酷なリアルに直面している、とも捉えられます。
大人の「面子や建前」、そして過去のプライド。一方で、そのツケを払い続ける若者のリアル。この両者の間にある深い溝を埋められないまま、有効な手を打てずにいる姿は、どこか既視感がないでしょうか。
そう、私たちがこの30年間、痛いほど味わってきた日本の「失われた30年」の構造と、どこか重なる部分があるように感じられます。
日本もバブル崩壊以降、痛みを伴う抜本的な構造改革や、時代に合わせたデジタル化、労働の流動化といった「決断」を、少し先送りにしてきた傾向があったのかもしれません。「昔の成功体験」や「今ある仕組み」を守ることを優先し、変化を恐れて先送りしてきた結果、国力は少しずつ削がれ、気づけば賃金が上がりにくい停滞の空気感が広がってしまいました。
イギリスが今陥りかけているのも、まさにこの「決断の先送りによる停滞(イギリス版・失われた30年)」の泥沼ではないでしょうか。
「過去の選択を間違えた」とただ嘆くだけの「後悔」で立ち止まっていては、時計の針は前に進みにくいものです。必要なのは、痛みを伴ってでも現状を冷徹に見つめ直し、次の一歩を踏み出す「反省と前進」なのかもしれません。
キャリア視点で見る「借り物の自己概念」からの脱皮
マクロな国家の混迷としてお話ししてきたイギリスの姿ですが、実はこれは、私たち一人ひとりの「キャリア」や「生き方」においても、どこか共通する部分があるのではないでしょうか。
かつての成功体験、周囲から求められてきた役割、あるいは「こうあるべきだ」という過去のプライド。これらにしがみつき、現実の変化から目を背けてしまう状態――。それはキャリアの世界で言うならば、自分で心から納得して選んだわけではない「借り物の自己概念」に少し縛られている状態と同じなのかもしれません。
「昔はこのやり方で上手くいったから」
「この肩書やプライドは手放せない」
そうやって過去の延長線上にしがみついているとき、私たちの心の中には、イギリスの離脱劇と同じような「ひずみ」が生じ始めることがあります。時代や環境のリアルな変化(市場価値の変動や、自身の本当の望み)と、過去のセルフイメージとの間に深いギャップが生まれ、結果として身動きが取りにくくなってしまうのではないでしょうか。
いま、イギリスに本当に必要とされているのは、過去の選択をただ嘆く「後悔」ではないように思えます。現状を冷静に見つめ直し、かつて掲げた古いスローガンという名の「借り物の自己概念」を少しずつ手放していくことなのかもしれません。
これは、少し痛みを伴うプロセスです。自らの非を認め、築き上げてきたプライドを一度脇に置くわけですから、決して簡単なことではないと思います。しかし、この痛みを引き受けて一歩を踏み出すことこそが、本当の意味での「脱皮(モルティング)」であり、持続可能な成長エンジンを再び回すための大切な道のりのように感じられます。
私たちは、過去の選択に永遠に縛られる必要はないはずです。大切なのは、「過去にどの選択をしたか」ではなく、「変化した今の現実を前にして、これからどう生きるか」を自分の足で決断していくことではないでしょうか。
個人も、組織も、そして国家も。古い自己概念から少しずつ脱皮し、現実的な実利(リアリズム)へと舵を切る工夫ができたとき、初めて「失われた30年」のような呪縛から解き放たれ、本当の前進が始まっていくような気がします。
未来の当事者と「本音で話す」という土台づくり
では、個人や組織が古い自己概念から少しずつ「脱皮」し、新しい一歩を踏み出すためには、何が最初の一歩となるのでしょうか。
その答えの一つとして、私は「未来の当事者(若者たち)と本音で話し合っていくこと」が、とても大切な鍵になるのではないかと思っています。
ここで誤解してほしくないのは、「大人のメンツや建前をすべて放り出してしまえ」と言っているわけではないということです。大人がこれまで培ってきた社会の文脈や配慮、守ってきた伝統(建前)には、それなりの役割があり、社会を円滑に回すための大切な知恵でもあると感じます。
しかし、その建前「だけ」で未来の決定を独占し、若い世代との対話を少し先送りにしてしまうことこそが、組織や社会の成長エンジンを少し止めてしまう原因になるのかもしれません。
若者と本音で向き合うということは、大人が過去のプライドを一度脇に置き、「彼らが今、何に困り、どんな未来を生きたいのか」という生の現実を直視することから始まるのではないでしょうか。
「どうせ自分が何を言っても、組織は変わらない」
「上の世代が決めたルールに従うしかない」
もしも若い世代にそんな諦めの空気が広がってしまったら、その組織や国の未来はそこで少し停滞してしまうような気がします。イギリスの若者が「自分たちの未来のために声を上げたい」と願い、日本の若者たちが新しい価値観を模索している今こそ、私たち大人がその懐を深くして、彼らの声を受け止める良いチャンスなのかもしれません。
社会の仕組みや組織の方針を変えることには、少なからず痛みが伴うものです。しかし、先送りにされたツケを最も長く払わされるのは、他でもない彼ら若者たちではないでしょうか。だからこそ、世代を超えて本音で対話することは、変革の痛みを大人が共に引き受け、若者と一緒に「新しい時代の土台」を創る覚悟を決めるプロセスそのもののようにも思えます。
「自分たちの本音を、社会(大人)が真っ直ぐに受け止めてくれた」
この確かな実感が若者たちの中に育って初めて、彼らは未来を動かす自立した主体(エンジン)となり、自分の足で前を向いて歩き始められるのではないでしょうか。建前を持ちながらも、本音を語り合える場を創ること。これこそが、これからの国や組織に求められる「成熟したリーダーシップ」の土台になるのではないかと、私はそのように思っています。
まとめ
イギリスのEU離脱を巡る世論の変化、そして若い世代の切実な訴え。このニュースが私たちにそっと教えてくれているのは、「過去の選択を嘆く段階」から、少し視点を変えて「これからの未来をどうデザインするか」へ今すぐ舵を切ることの重要性なのかもしれません。
決断を少し先送りにして「後悔」を続けるだけでは、国や組織には停滞の未来が残りやすくなってしまうのではないでしょうか。しかし、私たちが過去のプライドや借り物のスローガンを少しずつ手放し、痛みを伴う「脱皮(モルティング)」を受け入れる工夫ができたとき、そこにはきっと新しい前進の道が開かれるのではないかと思います。
その新しい道を共に歩む素晴らしいパートナーこそが、これからの未来を生きる当事者である「若い世代」なのだろうと感じています。
大人のメンツや建前を大切にしながらも、一歩懐を深くして、若者たちと「本音で話す」こと。彼らのリアルな視点をこれからの社会づくりの土台に据えていくこと。
それこそが、次の時代を動かす本当の成長エンジンを育てることにつながるのではないでしょうか。
まずは、身近な職場、地域、あるいは家庭から、小さな「本音の対話」を始めてみませんか。
「次の世代は、どんな未来を生きたい?」
そう問いかけ、耳を傾ける大人の温かな姿勢から、これからの新しい国づくり、組織づくりは始まっていくような気がしています。
あなたの身近な場所でも、未来を創るための心地よい対話の輪が広がっていくことを、キャリアコンサルタントとして心から応援しています。
最後まで読んでいただき誠に有難うございました。
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*企画制作編集:ワイ・キャリアサポーターズ
*この記事の文章作成には、Google社の生成AI Gemini を活用して作成しています。
*作成日:2026/06/22(月)
*最終更新日時:2026/06/22(月) 10:48
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