心をともす灯りとして-熊本の震災によせて

心をともす灯りとして-熊本の震災によせて

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コラム
 熊本で、大きな震災が起きました。突然の揺れに驚き、言葉にならない不安を抱えていらっしゃる方も多いことと思います。

 どうか、まずは一呼吸。少しだ
け冷静になってみてください。いま私たちにできることは、目の前にある一つひとつのことに、静かに向き合うことです。

 そっと目を閉じて、意識を自分の内側へと向け、深く息を吸って、深く吐き出してみましょう。
 不安が胸を締め付けるときこそ、未来の心配ではなく「いま、ここ」に集中する。そして、体を休め、明日のための体力を少しでも蓄えておくことが大切です。

 何よりも、安全を優先してください。傷ついた建物や、危険を感じる場所には決して近づかないでくださいね。
 張り詰めた緊張のなかにいると、喉の渇きすら忘れてしまうことがあります。意識して水分を補給することを、どうか心がけてください。

 いま沸き起こっている不安や激しい動悸は、心が危機を乗り越えようとしている「正常な反応」です。
 急に元気が出たり、逆に何も感じなくなってしまったりすることもありますが、それも決して異常ではありません。数日後に、ふっと燃え尽きたような疲労感(バーンアウト)に襲われるのも、心が必死に耐えてきた証拠です。

 心を守るために、押し寄せる情報とは少し距離を置きましょう。テレビやSNSで震災のライブ映像を繰り返し見るのは、心をすり減らしてしまいます。根拠のないデマに惑わされないよう、少し目を休ませてあげてください。

 それは、子どもたちも同じです。夜泣きが増えたり、おねしょをしてしまったりするのも、怖い思いをした心のごく自然な拒絶反応です。責めずに、ただ寄り添ってあげてください。

 そして、持病のある方はお薬を中断しないようにしてくださいね。いま、大きな病院はケガをされた方の治療に追われています。まずは地域の保健所や、小さめの診療所に相談してみるのが良いでしょう。お薬手帳があればベストですが、もし手元になくても、薬局のデータベースでお薬が確認できる場合も多いので安心してください。

 周囲の人と声を掛け合い、助けを求めることは、弱さでも甘えでもありません。
1 0年前の熊本地震の記憶が蘇り、胸が苦しくなるのも自然なことです。私たちの脳の働きや感じ方は人それぞれに異なり、その多様性(ニューロダイバーシティ)のなかで、傷つくプロセスもまた人それぞれなのですから。

 一歩ずつ、お互いをいたわりながら。いまはただ、ご自身の手を優しく握りしめ、次の呼吸を穏やかに繋いでいきましょう。
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