思い出「半分次男」

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小説
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【内職作業】





6歳の時母親が
ぬいぐるみに綿を詰める
内職仕事の依頼を受けてきた。

この仕事は
手のひらサイズのぬいぐるみに
背中から綿を詰めるだけの作業。

俺は
生まれて初めて見るこの仕事が珍しく
母親の仕事ぶりをずっと見ていた。
(*ФωФ)ニ゙ィー


そうしたら母親が
「お小遣いあげるからやってみる?」
そう言って来たので
試しにやってみる事にした。

やり方は
ぬいぐるみの背中に切れ目があり
そこからぬいぐるみをひっくり返し
裏地を全部表側に出す。

そして
手足頭から綿を均等に詰めていき
徐々にひっくり返していく。

綿の積める量も
均等に柔らかく詰めないとならず
かなり難しかった。
``r(・ω・`;)ムズカシイ

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【闘争心】




ぬいぐるみの綿詰めは
最初結構難しかったけど
やっている内にだんだん慣れてきた。

綿を詰める硬さも丁度よく詰められ
ぬいぐるみをひっくり返す作業も
だんだん上手く出来てきた。

しかし
まだまだ全然作業が遅い。
ノロノロ _〆(´○`_〆(´□`_〆(´△`


母親の手つきを見ていると
まるで光の速さで手が動いて
超光速で作業してた。

そしたら
俺の作業を見ていた弟の「ヨッチ」が
また俺に勝ちたくて
綿詰めの作業をすると言ってきた。

そして
ヨッチが俺と同じ作業をやったが
まだ3才でとても俺に勝てなかった。
ヽ(#`д´#)ノボクモヤル

当然
俺の方がたくさん作る事が出来
ヨッチに圧勝してしまう。

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【指令】




そして我々は
この内職仕事を1時間くらい手伝って
最後に50円ずつお小遣いをもらった。

でも俺は
納得いかなかった。
ヽ(#`д´#)ノフンガフンガ

完成した量が俺の方が多いのに
俺の方が年上で兄なのに
なぜ同じ金額なのか納得できない。

数日後
また母親が内職の仕事を依頼されてきた。

この内職の仕事は
母親の友達のが1人でやり切れないから
手伝ってほしいと依頼されるらしい。

しかし今回の内職仕事は
我々兄弟に全部やれと言ってきた。

しかも1個1円出すから
頑張って全部終わらせるように命じらた。
(。・ε・。)エー

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【お金稼ぎ】




今回やらされる内職仕事は
お菓子のおまけの玩具作り。

おもちゃを作ると言っても
1か所にパーツを取り付ける
簡単な作業だった。

しかも
全部で5000個あると言うから
この数を聞いただけでうんざりしてしまう。
┐(´д`)┌ ウンザリ


でも
1個1円も出してくれるなら
かなりのお小遣い稼ぎでちょっと嬉しい。
(´∀`*)ウフフッ

全部終わらせる自信がまるで無かったが
とりあえず弟と一緒に
競争形式で初めて見た。

この内職作業をしばらくやっていると
だんだんコツが掴めてきて
効率よくたくさんできる方法が解ってくる。

それと同時に
器用さも増してきて
どんどん手の動きのペースが上げられた。

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【世の中金じゃ!】




横目でヨッチをちょくちょく確認したら
結構頑張っているけど
やっぱり3歳と言う歳だからペースが遅い。

ヨッチは
どうやっても俺に勝てないまま時間が過ぎて
とうとう悔しくて泣きだしてしまった。
ビェ──・゚・(。>д<。)・゚・──ン!!

そして
また母親の所に行き
「お兄ちゃんに勝てないと~」と駄々をこね
抱っこしてもらっていた。

ヨッチの姿を見て俺は
「条件が同じなんだから
弟と言えど遠慮する必要が全くない」
そう感じてどんどん作業をしていく。

そして初日は
ヨッチと2人で1000個くらい終わらせた。
ε-(・д・`;)フゥ…

そして2日目は
学校から速攻で戻り
宿題よりも先に内職を始めた。

この内職作業を終わらせる量が
全部お金になるから凄く嬉しくて
この単調でつまらない作業が続けられた。

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【ライバルは自分】




2日目もヨッチとこの作業をやったが
また俺の方の作業が早く
ヨッチよりたくさん完成出来た。

この内職作業は
学校から戻って食事の時間まで続けて
ヨッチと2でこの日2000個位完成させる。
ε-(゚д゚`;)フゥ…

今回ヨッチは
泣かずに作業をやり続け
結構ペースが速くなっていた。

そして3日目
また学校から速攻で戻り
内職作業をお金の為にやり始める。

ヨッチも後から保育園から戻り
急いで内職作業を始めた。
ε≡≡ヘ( ゚Д゚)ノイソゲー!


作業中ヨッチの顔を見てみたら
明らかにお金目的じゃなく
兄の俺に勝ちたい気満々でやっていた。

俺は
そんな事一切気にせず全く譲る気もなく
ヨッチより圧倒的に早く終わらせていった。

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【負けず嫌い】




そして我々は
3日目にして5000こ全部つくり上げた!

完成した数は
俺が「3500個」
ヨッチが「1500個」

俺は
この数の差に対して
「兄として当然の結果だな」
そう感じご満悦になった。
(´∀`*)ウフフッ

しかしヨッチは
この結果に大泣きして
また母親の所に行き泣きわめいている。

でも母親は
結果を曲げる事をせず
きちんと内職代のお金をくれた。
°˖☆◝(⁰▿⁰)◜☆˖°°˖☆◝(⁰▿⁰)◜☆˖°

そして数日後
母親がまた内職仕事の依頼を受けてきて。
当然それも我々兄弟にやれと言う。

今度の仕事は
単価1円で「ガシャポン」に景品を入れる作業。

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【ヨッチの裏ワザ】




今回の
ガシャポンカプセルにおもちゃを入れる内職は
3000個と数が少ない。

この作業ならヨッチと2人でやれば
2日で終わらせられそうだった。

そして次の日
速攻で学校から戻り内職作業を始めた。

このとき俺は
「またヨッチに圧勝で勝ち儲けられるな」
そう思って余裕だった。
(*`∀´*)ケケケッ

そして
ヨッチが保育園から戻って来たら
なんと!友達を連れてきていた!

その友達と内職仕事を一緒にして
俺に勝とうと言う作戦らしい。

しかも
内職仕事でもらえるお小遣いを
その友達に半分あげると約束をしていた!
( ゚д゚)ホゥ

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【反則技】




ヨッチは
俺に勝ちたい為に友達の力を借りると言う
飛び道具を出してきたのだった。
ウリャ(;-_-)ノ∝━━━━━━∈グサグサウリャ


しかし
その友達が手伝うと
友達の分のお小遣いが発生して
その分我々兄弟に回ってこない。

でも俺は
またヨッチが泣き出すので
何も言わないでおいた。

このとき俺は
「俺に勝ちたいだけしか頭が回らず
お金の計算が出来ていないのだろう」
そう感じて諦めた。

そして我々は
内職仕事をやり始めた。

この仕事を夕飯までやり続け
3人でやった結果
2500個くらい終わらせる事が出来た。

残りの500個は
翌日またやる事にした。
( ´ー`)フゥー...

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【価値観の違い】




そして翌日
残りの500個を
ヨッチと2人であっという間に終わらせた。
( ´ー`)フゥー...

完成した数の結果は
俺が「1500個」
ヨッチも「1500個」

ヨッチは
友達の力を借りたが
兄の俺と同じ数を終わらせた!

そして我々は
1500円ずつお小遣いをもらう事が出来た。
ヾ(o´∀`o)ノワァーィ♪

このときヨッチを見てみたら
お小遣いの額より
兄の俺と同じ数だけ終わらせた事に対して
凄く満足していたようだった。

どうやらヨッチは
この時まだお金の事が解らず無頓着で
内職でもらったお金の額の事を
全く気にしてないようだ。

そして俺は
「価値観が全く違うと
喜びを得る物も全く違うんだな」
そう感じヨッチの事が別世界の住人に見えた。

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