こんにちは南仙台の父です。
トランプ大統領の関税攻勢によって日本でもホンダや日産などのメーカーが
対策に乗り出しています。
そんな中で先行して韓国の現代自動車が鉄鋼を含めた米国内生産を打ち出し
、訪米してトランプ大統領に約束しました。
トランプ大統領の狙いが雇用創出と米国内でのサプライチェーン完結化であ
れば大きな意味を持つ提案となります。
ただ、構想がかなり大きいこともあって実現には時間がかかる上、投資規模
の大きさから考えるとリスクもその分大きくなります。
まだ日本メーカーを含めてここまでの大きな決断を示したメーカーはありま
せん。
果たして、現代自動車の決断は成功し、他の自動車メーカーのベンチマーキ
ングの対象となるのでしょうか。
写真は鑑定の結果となります。
左側が結果、右側が環境条件となります。
まず結果ですが、塔のカードの正位置が出ています。
塔のカードの正位置は崩壊や災害、悲劇や悲惨、破綻や破壊といった意味が
あります。
構想自体が大き過ぎるだけでなく、これから多少の時期に不況（リセッショ
ン）に入る見通しがある中ではかなりリスクの大きな話となります。
他社がどちらかといえば様子見になっている面もあって、その中では突出し
た決断でありその実効性にも課題が大きいようです。
米国でも一定の販売台数は確保できているとはいえ、大きな規模でなければ
コスト回収が難しい中で決断のリスクの方が目立ってしまう結果になること
をカードは示しています。
欧州メーカーも含めて大胆な決断をするメーカーは少なく、多少の生産移管
を米国内に送る動きはあるかもしれません。
サプライチェーン自体が米国内で完結させるための土壌があまりにも弱く、
最近になって少しトランプ大統領のトーンも下がっており、部品やシステム
への課税見直しが検討され始めています。
トランプ大統領が望んだレベルよりもかなり後退した米国内生産に留まるこ
とになり、現代自動車も計画自体を改めて見直すことになりそうです。
次に環境条件ですが、月のカードの逆位置が出ています。
月のカードの逆位置は過去からの脱却や徐々に好転、未来への希望や不安か
らの脱却といった意味があります。
トランプ大統領も多少は現実的な方向に舵を切り直すことになります。
そうした中ではかえって米国の首を絞めてしまう政策には修正が今後も大き
くなっていきます。
ただ、トランプ大統領とのディール材料が他国よりも乏しい現実もあり、韓
国にとっては一定の譲歩は避けられません。
計画は見直したとしても一定の譲歩を行ってトランプ大統領の顔を立てたと
いう形だけは残しておきたいのが本音でしょう。
これから計画修正もある中で現代自動車がバランスを考えながら米国内での
生産に具体的にどう取り組むかは他社にも参考となります。
価格の問題からカナダやメキシコでの生産を含めたサプライチェーンが確立
した北米の市場にとって、どうトランプ大統領のご機嫌を損ねない形で妥協
していくかが現代自動車に限らずすべての自動車メーカーの課題であること
は間違いなさそうです。
