富太郎の『ちょこプレ2』2025.4.27

富太郎の『ちょこプレ2』2025.4.27

記事
コラム
富太郎が気の向くままに、再び「ちょこっとプレゼン」させていただきます。
誰かのお役に立てば、幸いです。

今回のお題「社外取締役」

 3月で年度が終わり、多くの会社が6月頃に株主総会を開催します。
その場で「取締役」等の役員人事の承認が行われますが、昨今、某テレビ局の
不祥事がらみで『社外取締役』の存在が取りあげられています。

 そこで今回は、そもそも『社外取締役』とはどのような存在なのか
どのような「取締役」が『社外取締役』となれるのか。 についてプレゼン
させていただきます。

 「監査等委員会設置会社」「指名委員会設置会社」については、従来から
『社外取締役』の設置が義務付けられていましたが、令和元年の会社法改正
(施行は3年3月)で「327条2項」が追加され、上場企業は『社外取締役』
を置かなければならなくなりました。

 設置目的は「コーポレート・ガバナンス(企業統治)を実行的に機能させ、
我が国の資本市場が信頼される環境を整備するという観点から『社外監査役』
による監督が保証されていることを国内外に発信するため、上場企業等は
『社外取締役』を置かなければならない。」というものでした。

 つまり、第一義的には「経営の監視機能」で、経営の透明性を高める効果を
期待した訳です。 『社外取締役』も取締役会に出席して、会社の事業戦略・
計画に対して、社内の利害関係に囚われず、客観的な視点で意見を述べること
が、本来的には求められています。

 また、社内とは別の視点から「外部からの知見の提供」によって、「経営陣
のスキルの多様化」も期待されています。 今回発表のあったABC社が、
俳優として、母として、経営者として活躍している女性二人を『社外取締役』
候補であると発表したのは、こちらの目的に重きを置いたものと思われます。

 一方、従来の某テレビ局は、『社外取締役』も(前)会長の息のかかった人物
で固められ、「企業内部やその利害関係者のみでの企業経営となり、経営陣に
よって社内論理優先の経営判断が行われていた。」との批判を受けているよう
です。 ただ、問題が大事になってから叩きまくるのは、何か「後出しじゃん
けん」のような気がしないでもないですが・・・。

 では、『社外取締役』が『社外』と認定されるための要件は、どのような
ものでしょうか。 会社法2条15でかなり細かく定められています。
 要約しますと、
① 過去要件1
 株式会社又は子会社の「業務執行者」でなく、かつ、就任前10年間、株式
会社又は子会社の「業務執行者」でなかったこと。
② 過去要件2
 就任前10年間、株式会社又は子会社の役員(業務執行者を除く)であった場
合(例えは、監査役)、役員の就任前10年間、株式会社又は子会社の「業務執
行者」でなかったこと。
③ 親会社 (株式の50パーセント以上を所有) 関係者
親会社の取締役、執行役、支配人等でないこと。
④ 兄弟会社 (同じ親会社の子会社どうし) 関係者
兄弟会社の「業務執行者」でないこと。
⑤ 会社関係者の近親者
 株式会社の取締役、執行役、支配人等の配偶者又は二親等内の親族 (親ある
いは子) でないこと。

 最後に、会社法348条の2[業務の執行の社外取締役への委託] は次のよう
な条文です(「指名委員会等設置会社」がらみの部分省略)。
「株式会社が社外取締役を置いている場合において、当該株式会社と取締役と
利益が相反する状況であるとき、その他取締役が当該株式会社の業務を執行
することにより株主の利益を損なうおそれがあるときは、当該株式会社は、
その都度、取締役会の決定によって、当該株式会社の業務を執行することを『社外取締役』に委託することができる
 3項 前二項の規定により委託された業務の執行は、第2条第15号イ
(上記①)に規定する株式会社の業務の執行に該当しない者とする。 ただし、
『社外取締役』が業務執行取締役の指揮命令により当該委託された業務を執行
したときは、この限りではない。」

 つまり『社外取締役』も、自己の判断で「経営上の意思決定」をしなければ
ならない場面もありうるということです。

 この条文に関して、某予備校が「司法書士試験の公開模試」で、次のような
問題を出してきました。(「指名委員会等設置会社」がらみの部分省略)

問 取締役会設置会社の『社外取締役』が、業務執行取締役の指揮命令により
 当該会社から委託された業務を執行した場合、当該取締役は『社外性』を
 喪失する。

答 〇 上記3項但書どおりです。(当該社外取締役が業務執行取締役の指
 命令により委託された業務を執行したときは、社外取締役としての地位を
 失う。) なぜなら、社外取締役が業務執行取締役の指揮命令により委託さ
 れた業務を執行したときは、業務執行者からの独立性が疑われ、社外取締役
 の要件を定める 会社法2条15条イ の規定の趣旨に反するからです。)
 『社外取締役』の地位を失うのであって、「取締役」でなくなるわけでは
 ありません。 

今回は、以上です。 
過去のブログも、ぜひご覧ください。   富太郎

★リーガルリテラシーとは、
「自身の身や権利を守るための、最低限の法知識」
 です。 
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す