富太郎が気の向くままに、再び「ちょこっとプレゼン」させていただきます。
誰かのお役に立てば、幸いです。
今回のお題「だまされたふり作戦」
最近もニュースになっている 特殊詐欺 ですが、闇バイトに応募して逮捕
された『受け子』はどのくらいの罪に問われるのでしょうか。
司法書士試験の刑法で、過去に出題されたました。(余談ですが、五肢
択一問題の一肢で、滅茶苦茶 長文 で 引いた 覚えがあります。)
刑法 令和2年 25-ウ
問 Aは、Bに電話をかけ、Bに対し、「Bの孫がトラブルに巻き込まれて
おり、その解決のために至急100万円が必要になるので、これからB方を
訪ねる者に100万円を渡してほしい。」旨うそを言った。Bは、詐欺では
ないかと疑い、警察に通報したところ、警察官から捜査協力を依頼され、
そのままだまされたふりをして、B方を訪ねてくる者を待った。Bが警察官
からの協力依頼を引き受けた後、Aは、Cに対し、B方に行ってBから現金
を受け取ってくれば報酬を支払う旨を申し向け、Cは、詐欺の被害金を受け
取る役割を担う認識でB方に赴いたところ、周囲で警戒していた警察官に
発見された。
この場合において、Cには、詐欺未遂犯の 共同正犯 は成立しない。
答 × 『共犯者による欺罔行為がされた後、「だまされたふり作戦」(だま
されたことに気付いた、あるいはそれを疑った被害者側が、捜査機関と協力
の上、引き続き犯人側の要求どおり行動しているふりをして、受領行為等の
際に犯人を検挙しようとする捜査手法)が開始されたことを認識せずに共犯
者と共謀の上、詐欺を完遂する上で欺罔行為と一体のものとして予定されて
いた現金の受領行為に関与した者は、その加功前の欺罔行為の点も含め、
詐欺未遂罪(刑法250条、246条1項)の共同正犯としての責任を負う。』
との判例があります。 (最判平 29.12.11)
ただ(試験勉強とは関係ありませんが)、この裁判の第1審は共犯の処罰
根拠は、共犯が犯罪結果に対して因果性を持つという点に求められるべきで
あり、「共謀加担前の先行者の行為により既に生じた犯罪結果」については、
後行者の共謀やそれに基づく行為がそれに因果性を及ぼすことはありえない。
本件は、「だまされたふり作戦」により、被告人は、共謀加担後、詐欺の
結果が生じる危険性を発生させることにつき因果性を及ぼしたとは言えないの
で『詐欺の未遂にもならない』として、詐欺未遂罪の共同正犯の成立を否定
し、無罪判決を言い渡しました。
「欺く行為があるのに、因果性を欠くで未遂にもならない。」いうのは、
無理がある気がしますが、相当に凄腕の弁護士先生だったのでしょうか。
一方、最高裁は『本件が詐欺罪の既遂に至っていたとしたら、後行者は先行
者との共謀の上で、詐欺結果に因果関係を及ぼしたことを理由に、共同正犯と
して、詐欺罪の共同正犯の成立を肯定できる。 もっとも、本件は詐欺の未遂
にとどまったので、後行者は先行者と共謀の上で、本件詐欺を完遂する上で
本件欺罔行為と一体のものとして予定されていた本件受領行為[詐欺未遂行為
の一部]に関与した。』と表現して、「詐欺未遂罪」の共同正犯の成立を肯定
しました。
つまり『共同正犯』が認められるので、『受け子』も首謀者と同罪という
ことです。 (申し渡される刑の重さには、差がつくとは思いますが。)
今回は、以上です。
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★リーガルリテラシーとは、
「自身の身や権利を守るための、最低限の法知識」
です。