富太郎が気の向くままに、再び「ちょこっとプレゼン」させていただきます。
誰かのお役に立てば、幸いです。
今回のお題「株主は何ができる?」
新年度が始まりましたが、3月末が決算で、6月下旬に株主総会という
会社が多い気がします。(定款の決めで何月末を決算にしてもかまわない
ですし、何か月以内に株主総会を開かなければならない、という決まりも
ないようです。)
某放送局をはじめ、諸々の事情で株主総会が揉めそうな会社も多々ありそう
な気配ですが、株主が会社の経営に関与できる場面は、「配当を受取る」以外
にも、いろいろとあります。 大株主以外でも、です。
〇 計算書類等の閲覧請求権 (会社法442条)
株主総会の案内には「計算書類等」が同封(もしくは、WEB閲覧用の
アドレスが記載)されていますが、普段から、会社の営業時間中は、いつでも
閲覧を請求することができます。 手数料を払えば謄本等の書面の交付も
請求できます。
さらに、議決権数又は発行済株式数の100分の3以上の株式保有者
(少数株主権)は、会計帳簿の閲覧・謄写請求も可能です。
〇 株主総会に関して
① 議題提案権(会社法303)
議題とは、「テーマ」です。 例:取締役を選ぶ
一定の事項を総会の目的として請求する権利です。
② 議案提案権(会社法304条)
議案とは、「具体案」です。 例:取締役を具体的に誰にするか
総会の目的事項につき議案を提出する権利です。
③ 議案要領通知請求権(会社法305条)
総会の目的事項について、自己の「議案の要領」を株主に通知すること
を請求する権利です。
②は、議決権がある株主であれば、誰でも請求可能です。
①③は、取締役会を設置していない株式会社では、1株でも持っていれば
誰でも請求可能です(単独株主権)。
一方「取締役会設置会社」では、少数株主権(総株主の100分の1以上の
議決権又は300個以上の議決権を有する株主)となります。
☆ 少数株主権としては他に
・「株主総会招集請求権」(会社法297条)
[総株主の100分の3以上の議決権を有する株主]
・「役員解任請求の訴え」(会社法854条)
[総株主の議決権数又は発行済株式総数の100分の3以上を
有する株主]
・「会社解散の訴え」(会社法833条)
[ 総株主の議決権数又は発行済株式総数の10分の1以上を有する
株主]
等があります。
④ 決議の不存在・無効の確認の訴え (会社法830条)
株主総会の決議について「決議が存在しないこと」の確認を、また、
決議の内容が法令に違反するときは、「決議が無効であること」の確認を、
いつでも、誰でも(株主でなくても)、確認の利益がある限り、訴えをもって
請求することができます。
⑤ 決議の取消の訴え (会社法831条)
ⅰ 株主総会等の召集の手続き又は決議の方法が法令若しくは定款に違反
し、又は著しく不公正なとき。
ⅱ 株主総会の決議の内容が定款に違反するとき。
ⅲ 株主総会の決議について特別の利害関係を有する者が議決権を行使し
たことによって、著しく不当な決議がされたとき。
は、決議の日から3か月以内に、訴えをもって当該決議の取消を請求する
ことができます。(会社法442条)
〇 株式買取請求権
さまざまなケースで、決議に反対の株主が、会社に対して、自己の株式を
買取るように請求する権利が認められています。
① 定款変更の場合 (会社法116条)
例:全部の株式を譲渡制限株式にする場合
② 種類株主総会が不要な場合 (会社法116条)
株式の併合・分割・無償割当て、単元株式数の変更、募集株式・新株予約
権の発行、新株予約権無償割当てをすることで、ある種類の種類株主に
損害を及ぼす恐れがあり、かつ、種類株主総会の決議を要しない旨の定款
の定めがある場合
③ 組織再編等の場合
事業譲渡等・吸収合併等をする場合
最後に、富太郎がよく間違える司法書士試験の予想問題です。
問 種類株式発行会社がある種類の株式を分割する場合に、当該
種類株式を有する種類株主に損害を与えるおそれがあるとして、
当該種類株主総会の特別決議により承認を得たときは、当該種類の
株主で株式分割に反対の株主は、株式会社に対し、株式買取請求を
することができる。
答 × 種類株主に損害を及ぼすおそれがあるときに、反対株主が買取
請求権の行使が認められるのは『種類株主総会の決議を要しない旨』
の定款の定めがある場合です。
今回は、以上です。
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