富太郎が気の向くままに、再び「ちょこっとプレゼン」させていただきます。
誰かのお役に立てば、幸いです。
今回のお題「未成年者の犯罪」
何年か前に、回転寿司屋で高校生が迷惑行為をして、親も損害賠償請求を
受けました。 親が責任を負う根拠は、民法にあります。
712条 未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の
責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為に
ついての責任を負わない。
713条 略
714条 前二条の規定により責任無能力者がその責任を負わない場合におい
て、その責任無能力者を監督する法定の義務を負うものは、その責任
無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。 ただし、
監督義務者がその義務を怠らなかったとき、又はその義務を怠らなく
ても損害が生ずべきであったときは、この限りではない。
712条の「責任能力」については、民法には明確な年齢基準は定められて
いませんが、判例では12歳前後がその基準とされています。
そして、未成年者には損害賠償を負担する経済力がないので、被害者救済の
趣旨から、責任無能力者を監督する義務を負うものに、その損害賠償をする
義務を負わせました。
司法書士試験の過去問です。 令和1年-19-エ
問 責任を弁識する知能を備えていない未成年者が、通常は人身に危険が及ぶ
ものとはみられない行為によってたまたま人身に損害を生じさせた場合には
その親権者は、当該行為について具体的に予見することができなかったとき
であっても、当該行為から生じた損害について、民法714条1項に基づく
責任を負う。
答 × 判例は、「責任を弁識する能力のない未成年者が、通常は人身に危険
が及ぶものとはみられない行為によってたまたま人身に損害を生じさせた
場合には、その親権者は、当該行為について具体的に予見可能であるなど
特別の事情が認められない限り、子に対する監督義務を怠ったはいえな
い。」としました。 (最判平27.4.9)
(参考) 具体的な事件の概要は、小学校6年生のAが放課後に開放された小学
校の校庭で、フリーキックの練習のためにサッカーゴールに向かってボールを
蹴っていたところ、バイクを運転してその校庭横の道路を進行していた当時
85歳の被害者Bが道路に転がってきたボールを避けようとして転倒負傷し、
その後死亡したことにつき、Bの相続人らがAの父母に対し損害賠償を請求し
たというものです。
つい先日も、同じ判旨の損害賠償に関する地方裁判所の判決が、新聞記事に
なっていました。 15歳で見ず知らずの女性を刺殺した犯人とその母親に対
して遺族が損害賠償を請求した事件で、地裁は犯人に対しての損害賠償は認め
ましたが、母親に対する請求は「危害を加えるとの予見は困難で、管理義務
違反があったとは認められない。」という理由で棄却しました。
この犯人は、小学生の頃から問題を起こすことを繰り返し、少年院に入り、
仮退院するときに母親は身元引受を拒み、更正施設に入ったものの、1日で
抜け出して、その翌日に事件を起こました。 原告の「管理義務違反」の主張
に対し、母親側は「長期間施設に入っており、指導監督は施設が行っていたの
で予見は出来ず、監督義務違反もなかった。」と主張し、この主張が認め
られたかたちです。
また、生成AIを悪用して作ったプログラムで「通信回線を大量に不正契
約」して売却した罪で、中高生が逮捕され東京地検に書類送検されたとの事件
事がありました。
仮に、民事の損害賠償事件も提訴された場合、「親も管理義務違反に問われ
るのか。」「親への請求は認められるのか。」も、気になるところです。
今回は、以上です。
過去のブログも、ぜひご覧ください。 富太郎
★リーガルリテラシーとは、
「自身の身や権利を守るための、最低限の法知識」
です。