富太郎が気の向くままに、再び「ちょこっとプレゼン」させていただきます。
誰かのお役に立てば、幸いです。
今回のお題「合同会社」
世の中には、株式会社のほかに「持分会社」という形態があります。
「持分」というのは、会社に対する経営権のことで、原則として所有と経営が
分離していません。したがって、
「持分」には、持分会社の業務執行権と代表権が含まれています。
持分会社には、①合名会社、②合資会社、③合同会社という3つの種類が
ありますが、「無限責任社員」といって、会社の負債を無制限に責任を持つ
社員が含まれる①合名会社と②合資会社は、ほとんど見かけません。
一方、合同会社は「有限責任社員」のみで、自分の出資財産にしか責任を
負わず、しかも株式会社に比べて手続きが簡易な部分が多いので、最近多く
見かけるようになりました。
今回は、株式会社との比較で「合同会社」とはこんな会社というのを取り
上げたいと思います。
(1) ・出資をする人を「社員」といいます。 (「株主」とは言いません。)
・その社員が会社を経営します。
・原則は共同経営ですが、定款で「業務を執行する社員」を決めること
はできます。
・「定款」又は「定款の定めに基づく社員の互選」によって、業務を執行
する社員の中から合同会社を代表する社員を定めることもできます。
(2) ・株主がいないので、株主総会はありません。
・会社の意思決定は、多数決(社員の過半数)で決めます。
・ただし、「定款変更」は、(原則)総社員の同意が必要です。
(株式会社では、議決権数=株式数の3分の2以上で可能。)
(3) ・法人も業務執行「社員」になれます。
(「業務執行者」を選任して、会社に届け出る必要があります。)
(株式会社では、法人は 業務執行者=取締役 にはなれません。)
・会社を代表する社員になることもできます。
(4) ・いろいろな手続きが簡略化されています。
・会社設立時に、定款の「公証人による認証」がいらない。
(株式会社では、必ず必要で、認証がないと設立登記ができません。)
・設立時の印紙代が安い。(資本金の1000分7であることは、株式会社
と変わりませんが、税額が少ない場合の最低金額が、株式会社が15
万円なのに対して、合同会社は6万円です。)
・決算の公告が必要ない。但し債権者には閲覧請求が認められています。
(株式会社は、どんなに小規模な会社でも、公告が必要です。)
・業務執行社員には、任期がない。(株式会社の取締役には、(原則)2年
の任期があり、その都度「重任登記」が必要です。)
(5) ・合同会社でも「現物出資」は可能ですが『評価の適正を担保する制度』
はありません。
(株式会社の場合は、一部の例外を除いて裁判所の選任した「検査役」
の検査を受けて、その報告が裁判所になされ、変更命令を受けることが
あります。)
・払込み・給付額の2分の1以上を資本金に組み込れなければならないと
いう制限はありません。(株式会社では、2分の1制限があります。)
合同会社(持分会社)には、「準備金」の概念がないので、組み入れな
かった額は、「剰余金」になります。
(6) ・「退社」するのに、業務執行社員全員の承諾がいります。
(株式会社の株主は(原則)自由に所有する株式を処分できます。)
・「業務執行社員」が退社するには、他の社員全員の承諾が必要です。
以上のように、「合同会社」は社員の信頼の上に成り立っているので、
かなり自由にいろいろな事を決められる設計になっています。
従って会社の規模は小さくならざるを得ない部分はありますが、「定款変更
(総社員の同意)」により、、株式会社に『組織変更』をすることができます。
この場合には、株式会社の「設立の登記」と、合同会社の「解散の登記」
が必要になります。
最後に司法書士試験の過去問です。 平成24-33-イ
問 合同会社は、他の合同会社の業務執行社員となることができる。
答 〇 合同会社(持分会社)の社員となりうる法人の種類は限定されていない
ため、法人の目的の範囲内の行為であれば、合同会社(持分会社)であって
も、他の合同会社(持分会社)の業務執行社員となることができます。
今回は、以上です。
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