富太郎の『ちょこプレ2』2025.3.9

富太郎の『ちょこプレ2』2025.3.9

記事
コラム
富太郎が気の向くままに、再び「ちょこっとプレゼン」させていただきます。
誰かのお役に立てば、幸いです。

今回のお題「指名委員会等設置会社」

 経営問題に揺れる、大手N自動車ですが、新聞記事に「現社長退任で調整。
後任社長候補の選定を取締役会に提案する『指名委員会』が議論に入った。」
と出ていました。

『指名委員会』? あまり聞き慣れないですよね。
 普通の株式会社では、取締役が代表取締役を監査するという仕組みになって
いますが、代表取締役が「人事権」と「報酬決定権」を握っているのですから
なかなか機能しにくいというのが現実のようです。

 そこで「委員会」という制度が作られました。『指名委員会等設置会社』に
は、3っの「委員会」があって、それぞれに別の役割があります。

『指名委員会』 株主総会に出す、「人事案」を決めるところです。
  株主総会に提出する取締役及び会計参与の選任・解任に関する議案の内容
 の決定 (会社法404条1項) 

『報酬委員会』 個々の役員の報酬を決めるところです。
  執行役・取締役・会計参与の個人別の報酬等の内容の決定

『監査委員会』 監査と会計監査人の選解任議案を作るところです。
  ①執行役、取締役の職務執行の監査、監査報告の作成 
  ②株主総会に提出する会計監査人の選任・解任・不再任に関する議案の
   内容の決定  (執行役が、支配人その他の使用人を兼ねるときは、
   当該支配人その他の使用人の報酬の内容についても決定。)

 この3つの「委員会」は、必ず必要になります。そして各委員会のメンバー
は各3人以上で、かつ、その過半数は社外取締役(社外の人間)でなければ
なりません。 このメンバーは、取締役会により、取締役の中から選ばれ、
各委員の兼任も認められています。

 また「指名委員会等設置会社」では、取締役は「経営方針」は決めますが、
業務の執行は、『執行役』が行います。 執行役やトップである代表執行役
(指名委員会等設置会社には、「代表取締役」というポストはありません。)
は、取締役会が選びます。 取締役の中から選ぶこともできますし、外部から
選ぶこともできます。(監査委員は、自己監査になってしまうので、執行役に
はなれません。) そして取締役会は、この執行役に大幅に権限移譲ができる
仕組みになっています。

 ただ、この制度の趣旨から、以下の重要事項は執行役に委任できません
① 委員の選定及び解職
② 執行役の選任及び解任
③ 代表執行役の選定及び解職
 結局、人事権は持てない仕組みになっています。

 また、取締役、執行役、代表執行役の任期は1年です(普通の株式会社では
任期は、2年)。 人事権がないうえに、任期も短い。 報酬は、報酬委員会
が決める。 つまり、外部の者から評価を受けないと、取締役等には選ばれな
いし、給料も上がらないのです。

 そんなわけで、導入後「全く流行らなかった制度」と聞いていたので、今回
N自動車がこの制度を採用していたので、ちょっとビックリしました(勉強不
足)。

最後に、司法書士試験の過去問です。 平成23-31-エ
問 指名委員会等設置会社において、執行役が2人以上ある場合の代表執行役
 の選定は、執行役の過半数をもって行う。
答 × 取締役会が、執行役の中から代表執行役を選定します。

今回は、以上です。 
過去のブログも、ぜひご覧ください。   富太郎

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