富太郎の『ちょこプレ2』2025.2.2

富太郎の『ちょこプレ2』2025.2.2

記事
コラム
富太郎が気の向くままに、再び「ちょこっとプレゼン」させていただきます。
誰かのお役に立てば、幸いです。

今回のお題「役員の損害賠償責任」

 先日来「某放送局」が世間を賑わせています。 CМの差し止め等で、
何百億円からの損害が出るかもしれないとも、報じられています。

 会社法423条は『役員等(取締役、会計参与、監査役、執行役、会計監査
人)は、その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害
を賠償する責任を負う。』 と定めています。

 役員等は「任務を怠って」「損害が発生する」、プラス「故意または過失
があると、損害賠償責任が発生します。

 そして、この損害賠償責任は『総株主の同意』がなければ、免除することが
できません。(会社法424条)
 ある程度の規模の会社になると、株主全員が同意することは、あまり期待
できないでしょう。

 そこで、この責任を回避するために経営判断が委縮することがないように、
責任を「一定額まで」軽減できる、いくつかの制度が用意されています。

(1) 株主総会決議による責任の一部免除(会社法425条)
 役員等が職務を行うにつき『善意でかつ重大な過失ない」ときは、賠償責任
を負う額から「最低責任限度額」を控除して得た額を限度として、株主総会の
特別決議(株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の
議決権の3分の2以上の賛成が必要 )によって、一部免除ができます。

(注)『善意』というのは、そのような事実があったことを「知らなかった
ことです。 知った後は『悪意』となります。

 参考 「最低責任限度額」= 控除できない額  (ざっくりと年間報酬の)
 ・代表取締役、代表執行役  6年分
 ・業務執行取締役、同執行役 4年分
 ・非業務執行取締役、その他の役員等 2年分

(2) 取締役会決議による責任の一部免除(会社法426条)
 一部免除できるのは、①取締役が2人以上いる監査役設置会社で、
②登記された「定款」の定めがあり、 ③役員等が「善意無重過失」で、
④株主に対し「公告」又は「通知」をし、 ⑤総株主の議決権の100分の
3以上の議決権を有する株主が異議を述べなかった場合  に限られます。

(3) 責任限定契約(会社法426条)
 一部免除できるのは、①業務執行取締役等が「善意無重過失」で、
②「あらかじめ株式会社が定めた額」と、「最低責任限度額」とのいずれか
高い額を限度とする旨の『契約』を、非業務執行取締役等と締結できる旨の
登記された「定款」の定めがあることです。

 なお、役員等がその職務を行うにつき「悪意又は重大な過失」があったとき
は、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負いま
す。(会社法429条)  この「第三者」には、株主も該当します。

 役員等が株式会社又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合におい
て、他の役員等も当該損害を賠償する責任を負うときは、これらの者は、連帯
債務者となります。(会社法430条)

今回は、以上です。 
過去のブログも、ぜひご覧ください。   富太郎

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