富太郎の『ちょこプレ2』2024.10.13

富太郎の『ちょこプレ2』2024.10.13

記事
コラム
富太郎が気の向くままに、再び「ちょこっとプレゼン」させていただきます。
誰かのお役に立てば、幸いです。

今回のお題「再審無罪判決」

9月26日に、いわゆる『袴田事件の再審無罪判決』が、静岡地裁で
出されました。 事件発生から58年後の無罪判決でした。

 終局判決が「確定」すると、訴訟手続きが終了した以上、その判決を
尊重しなければ「事件」の解決は得られません。 しかし、その確定判決
重大な誤りや瑕疵があった場合にまで争えないとすることは、正義に
反し、裁判制度に対する国民の信頼を裏切ることになります。
 そこで、「確定判決は瑕疵があっても当然には無効とすることができない」
という原則を取りつつ、『事実認定の不当』を理由として、「特に重大な
瑕疵がある場合に限って」、非常救済手続きとして、再審判をすることを認め
ることとされました。 この制度が『再審』』です。

 「再審」は、①再審請求に対して『再審開始』するかどうかを『決定』する
段階と、②『再審公判の審理』に分かれ、今回②で静岡地裁が「無罪判決」を
出しました。

戦後「再審無罪判決」は、今回までに4例あり、すべて無罪判決でした。
(1) (いわゆる)『免田事件』 事件発生1948年12月、判決1983年7月
        熊本地裁   事件発生から再審判決まで、35年

(2) (いわゆる)『財田川事件』 事件発生1950年2月、判決1984年3月
        高松地裁   事件発生から再審判決まで、34年

(3) (いわゆる)『松山事件』 事件発生1955年12月、判決1984年7月
        仙台地裁   事件発生から再審判決まで、29年

(4) (いわゆる)『島田事件』 事件発生1954年3月、判決1989年1月
        静岡地裁   事件発生から再審判決まで、35年

いずれの事件も、30年前後の長期の時間がかかっていますが、今回の
事件はさらに20年以上長く要しました。

 時代も違いますし、警察、検察、裁判所、それぞれに事情があっての
ことでしょうが、憲法には、以下の条文があります。

37条 【刑事被告人の権利】
1項 すべての刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な
 公開裁判を受ける権利を有する

 再審の事案ではありませんが、起訴後15年にもわたって審理が中断されて
いた被告人について、迅速な裁判を受ける権利の侵害を理由に手続きを打ち切
ことが可能であるかが問題となったことがありました。 『高田事件』
(最大判昭47.12.20)

 判旨は、憲法37条1項の保障する迅速な裁判を受ける権利は、憲法の保障
する基本的人権の1つであり、右条項は、単に迅速な裁判を一般的に保障する
ために必要な立法上及び司法行政上の措置をとるべきことを要請するにとどま
らず、さらに個々の刑事事件について、現実に右の保障に明らかに反し、審理
の著しい遅延の結果、迅速な裁判を受ける被告人の権利が害されたと認められ
異常な事態が生じた場合には、これに対処すべき具体的規定がなくとも、
もはや当該被告人に対する手続きの続行を許さず、その審理を打ち切るという
非常手段がとられるべきことを認めている趣旨の規定であると解する。
(以下、略) と、述べました。

 もちろん、今回の事件も含めて、『諸般の状況を総合的に判断して』との
裁判所の判断基準は尊重されなければなりませんが、少なくとも世間は、
無関心ではなく、世の中で何が起こっていて、何が問題なのかを注視し続ける
ことが大事なのではないかと思います。

今回は、以上です。 
過去のブログも、ぜひご覧ください。   富太郎

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