富太郎の『ちょこプレ』2023.10.29

富太郎の『ちょこプレ』2023.10.29

記事
コラム
富太郎が、気の向くままに、「ちょこっとプレゼン」させていただきます。
誰かのお役に立てば、幸いです。

今回のお題「ドラフトと憲法22条」

 今年もプロ野球のドラフト会議が開催され、アマチュア選手の交渉先が
決まりました。
 最近は、希望球団以外に指名されて「入団拒否」騒ぎになるケースは、
少なくなったような気もしますが、それでも毎年のように『欲しい球団と選手
の行きたい球団が一致しているのに、よその球団に指名されて、行きたい球団
に行けないのは、憲法22条の「職業選択の自由」に反するのではないか。』
との議論を目にします。

 ちなみに憲法22条1項は『何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、
移転及び職業選択の自由を有する』と規定されています。

 この問題に関して某県弁護士会は、「憲法は、国家の権力乱用から国民の
自由を守るもの。 国は国民に対して職業選択の自由を侵害してはならない
と、憲法にそのことを規定した。ドラフト会議自体は、国が規制したものでは
ないので、直接的には憲法違反にはならない。」と解説をしています。

 では、『人権規定の私人間適用』という観点からはどうなのか?
 憲法の人権規定は私人間には直接適用されるものではないが、民法1条
(基本原則)や90条(公序良俗)のような私法の一般条項を、憲法の趣旨を取り
込んで解釈・適用することによって、間接的に私人間の行為を規律しようと
した判例があります。「男子60歳、女子55歳を定年とする就業規則について
当該就業規則中、女子の定年年齢を男子より低く定めた部分は、専ら女子で
あることのみを理由として差別したことに帰着するものであり、性別のみによ
る不合理な差別を定めたものとして民法90条の規定により無効である。』(日産自動車事件昭56.3.24)

 ただ、ドラフトが導入された理由が「戦力の均衡化」であることから考える
と、「希望球団に入れない」という個人の不利益と、「プロ野球界の繁栄」という利益とを比較衡量した場合、個人の利益が優先される可能性は、低いよう
な気がします。

 ロッテのキャッチャーで活躍された 里崎智也さん が、あるインタビューで
こんなことを言っていました。『「プロ野球」という会社に就職し、「球団」
という部署に配属されると考えると良い。』

 そうするとトレードは、差し詰め、業務命令による「転勤」ということに
なるでしょうか。
 もっとも最近は、「配属」や「転勤」を嫌がって、就職を辞退したり、
退職したりする若い人が増え、会社側も「高額の転勤手当」を支給する制度を
作ったりして、苦労しているとの報道を聞いたりもしますが・・・。

今回は、以上です。 過去のブログも、ぜひご覧ください。   富太郎


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