富太郎の『ちょこプレ』2023.11.12

記事
コラム
富太郎が、気の向くままに、「ちょこっとプレゼン」させていただきます。
誰かのお役に立てば、幸いです。

今回のお題「犯罪とは?」

 連日のように「熊が人を襲った」という報道があり、心が痛みます。
人が人を傷つければ、「犯罪」になるのに・・・。

犯罪」の定義は(通説では)『構成要件に該当する、違法・有責な行為
だそうです。

構成要件』というのは条文(例:刑法)が規定している「危険な行為」です。
例えば、
199条(殺人罪)
 「人を殺したは、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。」
204条(傷害)
 「人の身体を傷害したは、15年以上の懲役若しくは50万円以下の罰金に
  処する。」
208条(暴行)
 「暴行を加えたが人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役
  若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。」

「者」となっているので、動物は「犯罪者」にはなりえません。
(富太郎が最初に刑法を教わった50年近く前には、「犯罪とは、構成要件に
 該当する、違法、有責な、人の行為」と習った記憶があります。)
 ただ、動物のやった行為でも、「飼い犬が飼い主の故意又は過失により
人を襲うような場合には、飼い主が道具を用いて侵害を行っているといえる
ので、「犯罪成立」の可能性が認められます。

 次に『違法性・責任』ですが、「構成要件に該当すれば、それだけで、
違法性・責任が推定される」と考えるのが、通説のようです。
 ただし、以下の3つのケースは、違法性や責任がなくなる「特殊事情
(違法性阻却自由)」とされています。
 (1) 正当業務(35条) (2) 正当防衛(36条) (3) 緊急避難(37条)

 最後に無許可での「箱わな」ヒグマ捕獲の事例について、ご紹介します。
 今から10年ほど前、乳牛を守るため、自分の牧場の敷地に、知事から
「わなを使用する鳥獣捕獲免許」を得ないで、「箱わな」でヒグマを捕獲
したケース(猟銃等所持の許可は持っていた)で、『鳥獣保護管理法違反』
により、「有罪・罰金30万円」の判決が出されたケースがありました。
 (釧路簡裁 平成22.12.20)
裁判は「利益衡量」によって個別の事件について判決が出されるそうです。
この裁判では、「牧場主の乳牛を守る利益」と、「無許可で、箱わなを
仕掛ける危険から発生する不利益」等を比べ、後者を重視したようですが、
今・現在の状況だと、同じ結論となったかどうか・・・。
「無許可?」「行政、警察の周知は?」   難しいところであります。

今回は、以上です。 過去のブログも、ぜひご覧ください。   富太郎



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