前回は、PLAN②(まとめる)として、『知的資産経営報告書』の
作り方の概略について、ご説明しました。
今回は、作成した『知的資産経営計画書』を活用して、対外的に『伝える』、
対内的に『活かす』ための活動について、ご説明します。
この『伝える』『活かす』は、当然のことながら、同時並行的に実施して
行きます。
〇 『伝える』 ~ ステークホルダーへの開示
(コミュニケーションツールとして)
「知的資産経営報告書」を「財務報告」とともに、取引先、事業連携先、
金融機関、求職者(人材)、地域社会等に伝えます。
信憑性の高い報告により、自社の将来性を正しく評価してもらい、
自社のアピールにつなげます。
具体的には、 ・ 「取引先」へ 営業提案
⇒ 事業内容が「見える化」されるため、取引先・顧客から
信用度が高まり、営業促進につながります。
・ 「仕入先、外注先等」へ 事業連携
⇒ 決算書に現れない自社独自の良さや取り組みを理解して
もらうことで、協力を引き出すことが可能になります。
・ 「金融機関」へ 融資相談
⇒ 会社の非財務情報が「見える化」されるため、金融機関
の『事業性評価』アップが期待できます。
・ 「入社希望者」へ 求人・採用
活用の仕方としては、「説明資料として」「内容をHPで開示」
「報告書そのものをダウンロードできるようにする」等が考えられます。
★ 注意点① 会社側の「知ってほしい」情報と、ステークホルダー側の
「知りたい」情報とのギャップには注意が必要です。
「相手に伝えたい情報」は何かを明確にするとともに、報告書を入手した
ステークホルダーにとっての「知りたい情報」が抜け落ちていないかも
チェックする必要があります。
注意点② 「営業秘密の情報漏洩につながる事項はないか?」も、
要チェックです。
〇 『活かす』 ~ 実践 (マネジメントツールとして)
「経営方針」「管理指標(KPI、KGI)」を社内に徹底させ、
事業を実施します。
具体的には、一連の作成の過程や、ミーティング等の場での読み合わせ、
議論を通じて、・ 「経営幹部」の 計画策定のベース
⇒ 今後どのように経営を進めていくかを明確にする。
・ 「従業員」の 業務改善、組織活性化、社員教育
⇒ 従業員も巻き込んだ、作成過程のディスカッションが、
業務に関する意見交換の機会につながり、
自発的な意見交換を促すことで、組織が活性化し、
業務改善にもつながります。
社員一人ひとりの仕事が、どのようにして企業価値に
つながるかが明確になり、自社の強みを再認識すること
で、モチベーションアップの効果も期待できます。
・ 「後継者」への 事業承継
⇒ 経営者と後継者が一緒に作成することによって、経営者
の想いや理念、ビジョン、企業が目指す方向性、今まで
の沿革、経営ノウハウ等についての理解を深めることが
でき、後継者の育成、事業承継に役立ちます。
そして、更なる業績向上を目的に管理指標を測定し、定期的なチェックと
改善を行うことが重要になります。
次回は、マネジメントサイクルの「CHECK(ふりかえる)」
「ACTION(見直す)」について、ご説明する予定です。
以上、富太郎でした。
出典・参考:中小企業診断士 2020年度理論政策更新研修 資料
中小企業基盤整備機構 事業価値を高める経営レポート作成
マニュアル改訂版
東京商工会議所 知的資産経営入門ガイドブック
☆ 過去に「コラム」に投稿した内容の再掲示です。