(再)経営のプチヒント 5 『修正損益計算書(正常収益力の把握)』

(再)経営のプチヒント 5 『修正損益計算書(正常収益力の把握)』

記事
ビジネス・マーケティング
前回まで、「貸借対照表」のメタボ(ぜい肉)について、
お話させていただきました。

今回は、メタボを解消し、ぜい肉を落とす作業をすると、
「損益計算書」には、どのような影響があるかについて、ご説明します。

★ 金融機関の審査担当者が、「損益計算書を見る最大の目的」は、
 『実質的な利益は上がっているか、利益を生む体質か?』
  を把握することにあります。
 したがって、提出のあった決算書の数字をうのみにするのではなく、
 「正しい収益力(正常収益力)」を算出するために、実態に合わせるべく、
  補正をしていきます。

〇 『売上』に影響する、貸借対照表の勘定
 (売上は、正確に計上されていますか? どの段階で売上に計上しますか?)
 ・ きちんと納品まで終わって、売上計上されていれば、ほぼ問題はない
   のでしょうが、「仕掛の途中」、「契約書を取り交わしただけ」、
   ひどい場合は、「まだ具体的な受注はない」のに、とりあえず
   売上に計上、なんてケースは、当然に回収までに時間がかかるか、
   そもそも、回収できるものではないので、『売掛金』が膨らみます。
 ・ 実際に売上ても、販売先からのダメ出しでお金をもらえなかったたり、
   その期の内に販売先がおかしくなって、不良債権になってしまった
   ような場合も、その分は、売上から減じて計算すべきでしょう。

〇 『原価』に影響する、貸借対照表の勘定
  (原価 = 期首在庫 + 期中仕入 - 期末在庫)
  ・ 仕入れたのに、計上を漏らした
  ・ 実際(在)よりも多く期末の在庫を計上してしまった
  ⇒ 原価の金額が、実際よりも少なく計上される
  ⇒ 粗利益が増える(ように見える ⇒ 実際の利益は少ない )

〇 『経費』等に影響する、貸借対照表の勘定
 ・ 実際は経費なのに、「前払(資産勘定)」として経費計上しない
 ・ 経費として認めてもらえず、「代表者貸付(資産勘定)」として計上
 ・ (生活費として必要な額すら)役員報酬として計上せず、
   渡したお金を「代表者貸付(資産勘定)」として計上
 ・ 期限後も払っていない利息・税金を、「未払利息」等に計上しない
 ⇒ 経常利益等が増える(ように見える ⇒ 実際の利益は少ない )

以上は、経営者の方が意図しているかどうかは別として、金融機関の人間が
決算書を見るときには、まず間違いなく『修正』して企業評価をするケース
の例です。

このように修正した数字で(あるいは修正するにあたって)、
金融機関の注目するポイントは、主に以下の通りです。

★ 金融機関が「売上」を見るポイント
 ・「推移」をみる
 ・「直近」(の売上)を見る
 ・(業種別・店舗別の)「構成比」を見る
 ・「計上されていない」「実在しない」売上の有無を確認する

★ 金融機関が「原価」を見るポイント
 ・原価率の「変動」を見る
 ・業界平均と「比較」する

★ 金融機関が「経費等」を見るポイント
 ・「人件費」の計上に違和感はないか
  (役員報酬、一人当たりの人件費が以上に多い、少ない)
 ・固定資産に対する「減価償却費」の多寡
  → 「税金対策?」「決算書の見栄え?」
 ・「支払利息」の多寡、有利子負債に対する割合
  → 利率の高い借入先がある場合には、
   「金利の高い借入先」から借りるに至った理由は?

こうして把握した「正常収益力」「実態貸借対照表」をベースに
〇 「融資の可否を判断」していく
〇 「経営改善計画」を策定していく
のです。

次回は、「正常収益力」「実態財務諸表」が、どのように
「融資判断」「経営改善計画」に関係、影響していくかについて
ご説明させていただく予定です。

                      以上、富太郎でした。

☆ 過去に「コラム」に投稿した内容の再掲示です。

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