決算書をパッと見て、内容を把握するための、私なりの順番があります。
(公庫の国民生活事業の、融資対象規模の企業の場合です。)
まずは、『月商』。
その企業の「規模」を把握します。
次に、『税引き前利益』
黒字か、赤字か。
自己資本(資産-負債)
資産超過か、債務超過か。
そして、主要勘定(売掛金、在庫、固定資産、買掛金、借入金)。
それぞれ、『月商の何か月分』あるかを把握。
〇 売掛金
⇒ 月商の2か月分以上あれば、要注意
・ 不利な取引条件になっていないか
・ 回収のできない売掛金はないか(不良債権)
・ 実際の売上に基づかないものが、計上されていないか
〇 在庫
⇒ 月商分以上あれば、要注意 (業種特性による場合有り)
・ 不良在庫はないか
・ 架空在庫はないか (→ 「原価率」に関係)
〇 固定資産
・ 過剰設備ではないか
・ 減価償却不足ではないか
● 買掛金
⇒ 「売掛金÷月商」の月数分以上あれば、要注意
・ 支払の繰り延べがあるのではないか
(「企業間信用」として、評価できるとの見方もある)
(「原価率」が高くなっていないか/取引条件が不利になっている)
● 借入金
⇒ 運転資金としての借入が、月商の3か月分以上、あるいは、
設備資金も含めて、月商の6か月分以上あれば、要注意
・ 月間の資金収支が、タイトな可能性が高い。
(まあ、資金が必要で、借入に来られている企業さんの
決算書なので、当然と言えば、当然ですが。)
・ 「有利子負債」なのか「役員借入」なのかも、ポイント。
(役員借入でも、返済の必要の有無も要確認です。)
このように数字を把握して、「要注意」な勘定科目を中心に
『なぜ資金が必要になったか』の仮説を立てて、
裏付けを取りながら、融資判断を進めていました。
これらの数字は、まだ経営のやり方次第で、スリムにできる可能性のある、
いまだ「イエロー」な貸借対照表の『メタボ』とも言えます。
特に、「資産」の勘定については、スリムにできれば、
前回までご説明した、「資金の増加」につなげられる可能性も出てきます。
一方で、「これはちょっと根が深い」と感じられる、ほぼ「レッド」な
『メタボ』と判断せざるを得ない決算書にも、しばしばお目にかかりました。
どのような「勘定」がレッドな『メタボ』なのか。
そして、それが、なぜ「レッド」なのか
については、次回ご説明予定です。
以上、富太郎でした。
☆ 過去に「コラム」に投稿した内容の再掲示です。