前回の記事「FPが解説!新NISA完全ガイド!初心者にやさしい投資信託の始め方」では、新NISAの仕組みから具体的な始め方まで解説しましたね。
今回は、老後資金の準備や資産形成を考えている皆さんに向けて、「iDeCo」と「新NISA」という2つの国の税制優遇制度を徹底的に比較し、あなたのライフプランにピッタリ合うのはどちらなのか、それとも両方なのかを一緒に考えていきましょう!
本記事は、金融庁公表資料などを参考にして執筆しています。節税効果の試算はあくまで目安です。実際の金額は課税所得額や控除状況によって変わります。投資には元本割れのリスクがあることをご理解の上、余裕資金で始めることをお勧めします。
まずはiDeCo(イデコ)を理解しよう
iDeCoは「個人型確定拠出年金」の愛称で、簡単に言えば「自分で作る年金」です。毎月決まった金額を積み立てて、投資信託などで運用していきます。
「年金」と聞くと堅苦しく感じるかもしれませんが、実はこの制度、税金面での優遇がとても手厚いんです。
なぜiDeCoは節税効果が高いの?
iDeCoの最大の魅力は、なんといっても節税効果です。たとえば年収500万円の会社員の方が、月2万円(年間24万円)をiDeCoで積み立てたとしましょう。
この24万円は、そのまま所得控除として使えます。つまり、税金を計算するときに「収入から24万円を引いてくださいね」ということになるんです。
所得税率が10%、住民税率が10%だとすると、年間で約4.8万円の節税になります。20年続ければ、なんと約96万円も税金が安くなる計算です。これは大きいですよね。
ただし、この節税額は収入や家族構成によって変わるので、「必ずこの金額」ではないことは覚えておいてください。
でも、ちょっと待った。iDeCoにはデメリットも
「そんなにお得なら、すぐにでも始めたい!」と思われるかもしれませんが、ちょっと待ってください。iDeCoには大きな制約があります。
それは、60歳まで引き出せないということです。
「子どもの教育費が足りない」「家のローンの頭金にしたい」「急な医療費が必要」といった場面でも、iDeCoのお金は使えません。これは結構大きな制約ですよね。
また、毎月ちょっとした手数料もかかります。国民年金基金連合会に105円、信託銀行に66円は必ずかかりますし、金融機関によっては追加で管理手数料がかかることもあります。
新NISAは自由度が魅力
一方、2024年にスタートした新NISAは、まったく違う特徴を持っています。
新NISAの一番の魅力は「自由さ」です。いつでも売却できますし、投資できる商品の種類も豊富。投資信託はもちろん、個別の株式やETFにも投資できます。
「来年、車を買い替える予定があるから、それまでに増やしておきたい」「子どもが大学に入学するまでの10年間で教育費を準備したい」といった、具体的な目標がある方には新NISAの方が使いやすいでしょう。
新NISAの投資枠はどのくらい?
新NISAでは年間最大360万円まで投資できます。これを「つみたて投資枠」(年間120万円)と「成長投資枠」(年間240万円)に分けて使えるんです。
「そんなに投資できない」と思われるかもしれませんが、大丈夫です。月1万円から始めても十分効果はありますし、慣れてきたら少しずつ増やしていけばいいんです。
しかも、生涯で1,800万円まで非課税で投資できて、売却した分の枠は翌年に復活します。つまり、必要な時に売却しても、また投資枠が戻ってくるということです。これは便利ですよね。
新NISAで注意すべきこと
ただし、新NISAにも注意点があります。
まず、iDeCoのような所得控除はありません。年末調整で税金が戻ってくることはないんです。節税効果を求めるなら、iDeCoの方が有利です。
また、NISA口座で損失が出た場合、他の投資と損益通算ができません。つまり、「こっちで損したけど、あっちで利益が出たから相殺しよう」ということができないんです。
結局、どっちを選べばいいの?
「で、結局どっちがいいの?」という声が聞こえてきそうですね。
実は、この答えは「あなたの年齢や生活状況によって変わる」というのが正直なところです。
20代〜30代前半の方へ
この年代の方は、結婚、出産、住宅購入など、お金が必要になる場面がたくさんあります。60歳まで引き出せないiDeCoよりも、まずは新NISAから始めることをおすすめします。
月1万円〜3万円程度から始めて、投資に慣れてきたらiDeCoを少額(月5,000円程度)追加するのが良いでしょう。
30代後半〜40代の方へ
住宅ローンが落ち着いて、教育費もある程度見通しが立ってきた方は、iDeCoの節税効果を活用する絶好のタイミングです。
ただし、お子さんの教育費がまだまだかかる時期でもあるので、新NISAも併用して、必要に応じて引き出せる資金も確保しておきましょう。
50代以上の方へ
この年代になると、老後資金の準備が本格的に必要になってきます。所得も安定している方が多いので、iDeCoの節税効果を最大限活用できる時期です。
新NISAも併用して、60歳以降も継続して運用できる資金を準備しておくと安心ですね。
私がおすすめする始め方
「理屈は分かったけど、具体的にどう始めればいいの?」という方のために、段階的な始め方をご紹介します。
まず第1段階として、新NISAで月1万円〜3万円程度の投資信託積立から始めてみてください。つみたて投資枠で、インデックスファンドを選ぶのが無難です。
投資に慣れてきたら第2段階として、iDeCoを月5,000円程度追加します。この時点で節税効果を実感できるはずです。
そして第3段階で、家計に余裕があるなら両方の拠出額を少しずつ増やしていきます。無理は禁物ですが、早く始めるほど複利の効果を受けられます。
金融機関選びのコツ
最後に、金融機関選びについても触れておきますね。
iDeCoの場合は、口座管理手数料が無料かどうかが重要です。SBI証券、楽天証券、マネックス証券などの主要ネット証券は手数料無料で、商品ラインナップも充実しています。
新NISAについては、ほとんどの証券会社で売買手数料が無料になっているので、取り扱い商品の豊富さや、投資情報の充実度で選ぶと良いでしょう。
まとめ:完璧を求めすぎないことが大切
「どっちが正解なのか分からない」と悩んで始められずにいるよりも、少額でも早く始めることの方がずっと大切です。
私自身も最初は月1万円の投資信託積立から始めました。「これで大丈夫かな」と不安でしたが、続けているうちに投資に慣れ、今では両方の制度を活用できています。
iDeCoと新NISA、どちらも素晴らしい制度です。あなたの生活スタイルに合わせて、無理のない範囲で活用してみてください。小さな一歩が、将来の大きな資産につながりますよ。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の投資判断を促すものではありません。最新の条件や商品詳細は、各金融機関の公式サイトをご確認のうえ、ご自身の責任でご判断ください。