【自分で運営して見えた「1棟目のつまずき」】
現役経営者のyamacと申します。
本業の経営支援のかたわら、不動産賃貸業を営んでいます。築年数の古い戸建てを買い、リフォームして貸す事業と、区分の賃貸を自社で運営しています。宅地建物取引士と2級ファイナンシャルプランニング技能士の資格も持っています。
これから戸建て投資を始めたい方の相談を受ける中で、1棟目でつまずく人のパターンはかなり似通っていると感じます。この記事では、その共通点を4つ、実体験を交えて書きます。なお、特定の物件を買うべきかどうかの判断はご本人がすべきものなので、この記事はあくまで「判断の前に確認する視点」の話です。
【共通点1:家賃相場を調べる前に物件を見に行く】
一番多いパターンです。物件情報を見て現地に行き、雰囲気が気に入って買う気になってから、家賃をいくらで貸せるか調べ始める。順番が逆です。
なぜそうなるかというと、物件探しは楽しく、相場調べは地味だからです。しかも売り物件の資料に書かれている想定家賃は、売り手側に有利な数字になっていることがあります。
避け方は、物件を見る前にそのエリアの賃貸サイトで「同じ間取り・近い築年数の戸建てが、いくらで、何件募集されているか」を確認することです。募集自体がほとんどないエリアなら、貸せる根拠を別に探す必要があります。私も購入検討のたびに、先に賃貸の募集状況から見るようにしています。
【共通点2:リフォーム費用を「あとで考える」】
物件価格だけで予算を組み、購入後に見積もりを取って青ざめるパターンです。築古戸建ては、水回りや屋根など見えない部分に費用がかかることが多く、物件価格よりリフォーム費用の読みのほうが収支を左右します。
なぜそうなるかというと、リフォーム費用は買う前には確定しないため、考えるのを先送りしやすいからです。
避け方は、購入の申し込みをする前に、建物の状態を自分の目で確認し、直す箇所を書き出して概算を作ることです。可能なら契約前に業者に現地を見てもらう。それが難しくても、雨漏りの跡、床の傾き、水回りの状態など、費用が大きく動く箇所だけは自分で確認してから金額の判断をする。この順番を守るだけで、想定外はかなり減ります。
【共通点3:直しすぎる】
逆に、購入後に張り切ってリフォームしすぎるパターンもあります。自分が住む家の感覚で設備や内装にこだわり、かけた費用に対して家賃はほとんど上がらない、という結果になりがちです。
なぜそうなるかというと、「良い家にすれば高く貸せるはず」という感覚は自然だからです。ただし家賃の上限はエリアの相場でほぼ決まっていて、相場を大きく超える家賃は、内装が良くてもつきにくいのが実感です。
避け方は、工事の項目を「貸すために不可欠なもの」と「あれば良いもの」に分け、後者はまず削ることです。判断基準は自分の好みではなく、そのエリアで借り手が何を求めるかに置きます。
【共通点4:資格や知識を集めるだけで1年経つ】
最後は逆側の失敗です。本を読み、セミナーに出て、勉強は完璧なのに物件の検討経験がゼロのまま時間が過ぎるパターンです。
なぜそうなるかというと、勉強は失敗のリスクがなく安心だからです。ただ、相場観は資料では身につかず、実際の物件を数多く見て比較することでしか育ちません。
避け方は、「買う」と「見る」を分けることです。買う判断は慎重でいい。ただし見る行動は早く始める。物件資料を毎週見て、月に数件は現地に行く。買わなくても、この積み重ねが1棟目の判断の土台になります。
【判断はご自身で。ただし視点は先に持てます】
4つに共通するのは、順番の問題だということです。相場が先、費用の確認が先、基準が先、行動が先。物件の良し悪しの前に、見る順番で結果が大きく変わります。
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まずはこの週末、気になるエリアの賃貸募集を10件眺めることから始めてみてください。