Nさんは、WEBデザイナーの仕事をして早何年。社内でも信頼の置かれた中堅の立場です。そんなある日、Nさんは社内の同僚から発せられた言葉によって自分が信じていた何かが崩れ去る感覚を味わいました。
同「お客さんから、ニッチな感じでデザイン頼まれたんだよ」
N「ほう。それはまたふわっとしてるなあ」
同「だろ? だからいろいろとニッチなデザインしてるページを探してるわけよ」
N「ニッチなデザイン? お客さんはなに売ってるの? 商品がニッチなの?」
同「わりとね。でももっとニッチにしたいんだって。そのほうが売れるっていうんだよ」
N「うーん。ニッチっていうからにはターゲットは狭いよね? どういうターゲットなの?」
同「いや、もっと広く売りたいんだって。もう老若男女に。せっかくニッチな商品だから」
N「うん・・・うん!?」
なんだか「ニッチ」という言葉がゲシュタルト崩壊してきました。大丈夫ですか? 続けますよ。
同僚の方、どうやら「ニッチ」というのは人気のある物事・商品・サービスだと思っていたようです。
Nさんは「もしかしてニッチって言葉の意味、俺が間違って覚えてたのか・・・?」と思い悩んだとか。
ニッチという言葉。あなたもお仕事で使ったことありますでしょうか。あまり日常では使わないかと思います。
そもそもニッチという言葉自体、そこはかとなくニッチなんですけどもマーケティング界隈ではよく使います。日本語でいうと「隙間」といった意味です。
つまり、ニッチというのは「マニアック」「オタク」「だれがこんなもん買うんだよ」的な意味が込められています。悪意はありません。むしろポジティブな意味合いが含まれている場合が多いのではないでしょうか。実際そういうマーケティング戦略があるんです。
どんなにニッチな商品だったとしても、それを必要としている人はいます。そしてそういう人はえてしてそれを待ち望んでいることが多いものです。いままで市場になかったわけですから。
オタクといいましたが、例えばアニメ産業を例にあげてみます。
アニメのDVDなどは、そこまでニッチとは言えないでしょう。
では、お気に入りのキャラクターが可愛い声で起こしてくれる目覚まし時計や、抱き枕、キャラクターがアニメ内で身につけているアクセサリーなどはどうでしょうか。
興味ない人からしたら、ただのゴミです(言い過ぎ)。しかし、アニメキャラクターを嫁とか彼女と信じて日々を生きている人からしたら、それは単なる時間を刻むオブジェクトやウレタンの入った大きい枕やちゃっちい作りのペンダント以上の価値がそこにあるわけです。
こういう人たちが求めているものを提供すること、それがニッチマーケティングです。
ニッチマーケティングというのは、大企業は敬遠しがちです。すでにブランドが確立しているので隙間を狙う手間と経費を使わずとも大きく商売ができるからです。
それだけに、大企業にできないニッチマーケティング。あなたの商品・サービスに適用できないか考えてみてください。
では具体的な例を。
あなたは30歳独身、婚活パーティを控えているが一重まぶたを気にしていてメイクに自信がない女性です。内面で勝負とはいえ、外見は重要に決まってます。参加するからにはベストを尽くしたい。そんなあなたはこんなキャッチコピーを掲げた2つの教室を見つけました。
どちらも同じ費用、同じ時間帯などなど、条件は一緒。
さあ、どっちに参加しますか?
1、「いますぐモテる! 誰にでも似合うメイク方法を教えます!」
2,「来週に婚活パーティーを控えた一重の30歳の方だけ参加してください。メイクでここまで変わります」
「誰にでも似合うメイク」という言葉ほど説得力のないことは、もしあなたが女性なら嫌というほど思い知ってることでしょう。「出来るならやってみろ! 出来るならな!」くらいの気持ちになるのではないでしょうか。
ターゲットを広げれば広げる程お客さんが囲えると思ったら大間違いです。逆に狭めてしまえば、そこには必ず具体的な悩みをすぐにでも解決したい人がいるのです。ニッチマーケティングとは、お客さんへの共感とリサーチが必要となります。
これはあなたのためでもあります。ニッチマーケティングによってお客さんになってくれた方は、あなたが選んだお客さんでもあるのです。
だれでもいいからお客さんになってほしい、とは思わないでください。あなたがお客さんを選ぶんです。
今目の前にあなたの商品があるのであれば、手にとって、広げて、商品をもう一度よくみてください。それを欲しがっている人を想像してください。妄想でもいいんです。ここで、ペルソナというものを作ってみましょ!
ペルソナについては、また書くので読んでください。ライターは妄想で生きてるようなものだとわかってくださるかと思います。