転職を考えるとき、何を基準に会社を選びますか?
仕事内容、働き方、人間関係、勤務地、そして年収。
どれも、転職先を考えるうえで大切なことです。
でも、キャリアについて考えるとき、私は最近もう一つ意識したいことがあります。
それは、
「その働き方を選んだ先に、どんな暮らしがあるのか」
ということです。
私は今年、キャリアコンサルタントとして10年目になります。
これまで転職や働き方について相談を受ける中では、「どんな仕事をしたいのか」「どんな働き方をしたいのか」といった、仕事そのものについて考えることが多くありました。
一方で、最近は役職定年を迎えた方や、定年間近の方、定年後の再雇用を考えている方など、これまでとは違う視点でキャリアを考える方とお話しする機会も増えてきました。
そうした相談に向き合う中で、
キャリアは「仕事」だけで考えるものではないのかもしれない。
と考えるようになりました。
仕事を変えると、暮らしも変わる
転職すると、仕事だけが変わるわけではありません。
収入が変わることもあります。
働く時間や休日が変わることもあります。
勤務地が変われば、通勤時間や生活リズムも変わります。
そして、年齢やライフステージによっては、住宅や教育、将来の生活など、仕事以外のお金について考える必要も出てきます。
だからこそ、
「この会社に転職したら、どんな仕事ができるだろう?」
だけではなく、
「この働き方を選んだら、自分の暮らしはどうなるだろう?」
という視点も持っておきたいと思うようになりました。
「お金」はキャリアと切り離せない
私は今、2回目のキャリアコンサルタント更新講習で、ファイナンシャルプランを活用したキャリアコンサルティングについて学ぶことにしました。
これまでの相談では、「お金」は転職条件の一つとして確認することはあっても、そこから先まで深く考える機会は多くありませんでした。
たとえば、
「年収は○万円以上ほしい」
という希望を聞くことはあっても、
「なぜ、その金額が必要なのか?」
まで考えてみる。
すると、自分にとって必要な働き方や、譲れない条件が少し違って見えてくることがあります。
反対に、
「本当はやってみたい仕事があるけれど、今より年収が下がるから難しい」
と思っていた人が、自分の生活に必要なお金を整理してみたら、
「思っていたよりは収入が下がっても大丈夫かもしれない」
と気づくこともあるかもしれません。
もちろん、必要なお金は一人ひとりの生活や将来の予定によって違います。
だからこそ、「自分にとって必要なお金」を知っておくことが大切なのだと思います。
お金を考えることは、「もっと稼ぐ」ということではない
お金について考えるというと、
「もっと収入を増やさなければ」
と思ってしまうかもしれません。
でも、キャリアを考えるうえで知っておきたいのは、
「自分はいくらあれば、どんな働き方を選べるのか」
ということなのではないでしょうか。
収入が高い仕事を選ぶことが正解とは限りません。
反対に、年収が下がることだけを理由に、やりたい仕事や望む働き方を最初から諦める必要があるとも限りません。
自分の生活に必要なお金を知ることで、
「ここまでは下げられる」
「ここは譲れない」
「今は収入を優先したい」
といった、自分なりの判断基準を持てるようになります。
転職の先にあるものまで考えてみる
転職を考えるときは、どうしても「転職するか、しないか」に意識が向きます。
でも、本当に考えたいのは、その先なのかもしれません。
・転職したら、どんな働き方になるのか。
・その働き方をしたら、どんな暮らしになるのか。
・その暮らしを、自分はどうしたいのか。
仕事だけを見ていると気づかなかったことも、少し視点を広げることで見えてくることがあります。
私自身、キャリアコンサルタントとして相談に向き合う中で、年齢やライフステージによって、キャリアについて考える視点も変わっていくことを実感しています。
だからこそ、これからも「どんな仕事をするか」だけではなく、「どんな人生を送りたいのか」「そのためにどんな働き方を選ぶのか」という視点を大切にしていきたいと思っています。
転職は、単に「仕事を変えること」ではありません。
これからの暮らし方を考えるきっかけにもなるもの。
もし今、転職を考えているなら、
「どんな仕事をしたい?」
だけではなく、
「その仕事を選んだ先で、どんな暮らしをしたい?」
というところから、一度考えてみるのもいいかもしれません。