続ける力

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「ゴルゴ13」でおなじみの漫画家・さいとうたかを氏が亡くなり、とても残念です。昨日NHKの「漫勉」という番組(さいとうたかを回)が再放送されていました。5年くらい前の放送だと思いますが、そのときも見ました。「さいとうたかをは、ゴルゴ13の瞳しか筆を入れていない」という都市伝説がありましたが、ちゃんとゴルゴ全体を描いていることが証明された、と記憶しています(あたりまえだ)。

「ゴルゴ13」は、1968年にビッグコミック(小学館)で連載開始以来、日本を代表する劇画になっています。単行本は201巻が刊行され、「最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ」としてギネス世界記録に認定されました。さいとう氏本人の遺志で、今後も連載が継続されると公表されています。「漫勉」では1作品作る工程が紹介されていましたが、すごい激務です。他にスタッフが8人いて、全員が全力投球ですが、画面構成、ゴルゴの描画、擬音入れ、仕上げを全て担当するさいとう氏は、鉄人的な作業量です。よく50年以上も連載を続けられるものだと感心します。ただ淡々と同じ作業を続けるのではありません。毎週毎週新しいストーリーで、時代・世界の情勢を反映した最新の話題を盛り込む。読者を飽きさせず、ハラハラドキドキさせる。この継続は驚愕です。

さいとう氏の仕事ぶりを見て、継続するために必要な要諦を3つ感じ取りました。①読者(お客様)本位、②仕組み化、③細部へのこだわりです。とにかく読者のことを考えている。期待に応え続けないと、継続はできません。自分が描きたいことではなく、読者が読みたいものを提供する。徹底しています。仕組み化は、漫画の分業です。脚本、作画(主役・人物・背景・武器)、等をプロ集団が分担して作るプロダクション・システムを創り上げました。アシスタントではありません。全員プロです。そして細部へのこだわり。緊迫感の追求、音のリアリティー。音は映画を彷彿とさせます。私たちも「続ける力」は大切。慣れと精神論だけでは無理です。さいとうさんの「対象、仕組み、細部」、この3点はとても参考になりました。

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