危機管理

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昨年6月、宮城県内の上空で「白い球状の物体」の目撃情報が相次ぎました。午前8時20分に発見され、午後3時40分に見えなくなった。高度3000メートル以上を浮遊し、白色の気球状の物体に十字形の部品、2基のプロペラがあったとのこと。宮城県は、陸上自衛隊、海上保安庁、国土交通省、県警、気象庁等に問い合わせましたが、有力な情報は得られず、最終的に「所有者・目的などは不明」と結論づけました。県には高い高度を飛行する物体を追跡する機材がなく、県幹部は「県の対応には限界がある」と話していました。

これ宮城県任せなの? 航空自衛隊のスクランブル発進じゃないの? 私にはわかりません。空自は、レーダーなどを使い日本の周辺空域を24時間体制で監視しています。動向不明の飛行物体が発見され、領空侵犯の疑いがある場合は、各航空方面隊から緊急発進(スクランブル)が行われる。気球などの浮遊物等も対象らしい。ちなみに2019年は合計947回も緊急発進しています。対象は中国機71%、ロシア機28%、この2国で計99%!

ここで危機管理について少し考えてみましょう。ビジネスではリスク管理という言葉をよく耳にしますが、この二つは微妙に異なります。リスク管理は、想定されるあらゆるリスクを洗い出し、発生したらどのような影響があるかを分析します。事前のリストアップ、リスク対応準備、そして実際の対応が範囲です。特に「事前」が重視される。これに対し、危機管理もほぼ同じ範囲ですが、「発生直後の対応」が重視されます。リスクが顕在化(危機発生)した場合は、影響を最小化しながらいち早く危機状態から脱出・回復する。結局、「リスク管理→危機管理」と一連のものですね。

リスク管理は「特定→分析→評価→対応」というプロセスで進みます。そして対応には「低減」、「移転」、「許容」、「回避」の4つがあり、発生してもその影響が最小になるよう準備しています。一方危機管理(クライシスマネジメント)は、「実際にクライシスが起きてしまった時にどう迅速に行動するか」がポイントです。一般的に対象となるのは、戦争、犯罪、テロ、自然災害など。国家レベルのものをイメージしますが、企業活動でも品質事故、法律違反(不正)、労働災害などが想定されます。危機管理は、正しい事実確認、迅速な報告、適切な初動対応が重要だと思います。まずは、この3つを忘れないようにしたいですね。

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