企業価値について考える

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アメリカの自動車会社テスラの時価総額がトヨタを上回り、自動車メーカーで世界トップになっています。テスラって、あのイーロン・マスクがCEOをつとめる電気自動車(EV)の会社です(2003年創業)。テスラの時価総額は5800億ドル(63兆円)超。世界時価総額ランキング9位です。ベスト10は、GAFAM、中国企業などIT企業が占める中ですごい。昨年夏にトヨタを抜いてから、時価総額は3倍近くにまで拡大しています。ちなみに日本一のトヨタは世界ランク38位です。

でもトヨタの車のほうが圧倒的に世界に広がっていますよね。そうなんです。株価って「将来の投資価値」を反映するので、「今のお客様への貢献」を測る指標とは異なります。この時価総額(株価×発行済株式数)、経営者はとにかく気にします。企業価値(会社の値段)とも言え、時価総額分のお金を払って株を買切ると、その会社をまるまる所有できる。業績や将来性が株価に反映されるし、株主の関心が高い。M&Aをしたり、逆に防衛したりする際に大変重要な要素になります。でも一般の企業人は何を知っていればいいのでしょう?

経営管理部や財務部以外の一般会社員は、難しい指標や用語を知っている必要はありません。基本のリテラシーとして知っておきたいのは二つだけ。PERとPBRです。えー、難しそうじゃん。いえ、そうでもありません。PER=株価÷1株当たり純利益。PBR=株価÷1株当たり純資産。うーん、やっぱややこしい。「1株当たり」が、「そもそも何株発行してるの?」となって面倒。だからこうしましょう。PER=時価総額÷純利益。PBR=時価総額÷純資産。ああ、これなら決算書があって時価総額がわかれば大丈夫だね。PERは、「儲けているお金」に対する会社の値段。PBRは、「持っている資産」に対する会社の値段。そんな感じです。じゃあ、だいたいの目安はあるの? あります。いろいろな数値はありますが、ここはざっくり「PERは15倍がまん中、PBRは1倍が底」って覚えちゃいましょう。「PERが15倍を上回ると、その会社の株価は高い」、「PBRが1倍を下回ると、その会社はヤバい」。こんな感覚です。

で、テスラのPERは? なんと1000倍を超えているらしい! ちょっと加熱しすぎでは? でも、将来を考えると妥当という市場評価のようです。PERやPBRは東京商工会議所のビジネス会計検定でも学ぶので、基礎知識ということです。好奇心を大切にして、会計リテラシーを高めていきたいですね。

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