病院に行くほどじゃない。でも苦しい。30代男性が相談に来るまで

病院に行くほどじゃない。でも苦しい。30代男性が相談に来るまで

記事
コラム
「うつ、ってほどじゃないと思うんです」

電話越しに、彼はそう言いました。

眠れない日もある。
朝がつらい日もある。
仕事中、ぼんやりしてミスが増えた。

でも、
・会社には行けている
・食事も一応とれている
・笑える瞬間もある

だから、「病院に行くほどじゃない」と思っていた。

でも、苦しい。

彼の置かれた状況

彼は30代前半。
営業職で中堅ポジション。

後輩の育成も任され、
数字の責任も重くなり、
上からも下からも板挟み。

家では、小さな子どもがいて、
将来の教育費や住宅ローンの不安もある。

「転職した方がいいのかもしれない」

そう思いながらも、
「この状態で動いたら、また失敗する気がする」
と止まっていました。


病院に行く“ほどじゃない”という言葉


多くの人が言います。

「もっとしんどい人もいる」
「自分はまだマシ」
「甘えかもしれない」

でも、苦しさに“資格”はいりません。

病院に行くレベルかどうかは、
自分でジャッジしなくていい。

ただ一つ確かなのは、
「このまま続けると、悪化する可能性がある」ということ。


まずやったのは、決断ではなく整理

彼にいきなり転職を勧めることはしませんでした。

まず整理したのは、
・仕事の負担はどこにあるのか
・本当に人間関係が原因なのか
・家庭の不安は現実的なものか、想像が膨らんでいるだけか
・今の体調はどの程度揺れているのか

話していくうちに見えてきたのは、
「仕事そのもの」よりも、
“責任を抱え込みすぎる思考”が疲労を増幅させていること。

そして、慢性的な睡眠不足が判断力を落としていたこと。


動く前に、整える

彼は最終的に、
すぐに転職活動を始めるのではなく、
・業務の一部を上司に相談する
・睡眠を優先する生活に戻す
・場合によっては心療内科も視野に入れる
という順番を選びました。

「病院に行くほどじゃない」と思っている段階で
相談に来られたこと自体が、
実はとても良いタイミングでした。

限界になってからでは、選択肢が狭まることがあるからです。


キャリアカウンセリングは、弱った人の場所ではない

キャリアカウンセリングは、
・転職を決めた人
・うつで休職中の人
だけが来る場所ではありません。

「まだ動ける。でも、しんどい」

そのグレーな状態こそ、一番整える価値があります。

決断をする場所ではなく、今の自分の状態を可視化する場所。
病院に行くかどうかを決める前に、まず話すという選択肢があってもいい。


まとめ

病院に行くほどじゃない。
でも苦しい。

その感覚を、放置しないでください。

大きな不調になる前に、小さな違和感のうちに。

キャリアも、生活も守るために、まずは整える時間を。

それが、相談に来る意味です。


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