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コラム
「学校にただ行ってさえいればいい」は、本当に正解なのか
記事
コラム
育児・不登校・海外子女相談専門 奥村直之
2026/07/06 17:27
不登校の子どもを前にすると、親はどうしても思います。
「とにかく学校に行ってくれれば」
「教室に入れなくても、学校にさえ行ければ」
「勉強できなくても、学校にいるだけでよいのではないか」
その気持ちはよく分かります。
学校にまったく行かなくなるより、少しでもつながっていてほしい。
友だちや先生との接点を失ってほしくない。
学校生活を完全に手放してほしくない。
親として自然な願いです。
しかし、「学校にただ行ってさえいればいい」と考えすぎると、子どもの心を見落としてしまうことがあります。
学校にいることが、その子にとって強い苦痛になっている場合があります。
同伴登校で学校へ行っても、教室に入れない。
空き教室で過ごすだけ。
プリントを前にしても何もできない。
周りの音や視線が気になる。
自分だけ親と一緒に来ていることに、強い恥ずかしさを感じる。
学校にいることで、自己否定感が強まる子もいます。
「自分は普通に登校できない」
「親がいないと学校にも行けない」
「みんなと同じようにできない」
そう感じてしまうのです。
この状態が続くと、学校は安心の場所ではなく、自分のだめさを確認する場所になってしまいます。
それでは、回復にはつながりません。
もちろん、学校に行くこと自体を否定する必要はありません。
学校が合う子もいます。
同伴登校や別室登校から少しずつ回復する子もいます。
親と一緒に通うことで安心する子もいます。
ただし、すべての子にとって、それが正解とは限りません。
大切なのは、子どもの意思と状態を見ることです。
その子は、本当に学校に行きたいのか。
学校に行ったあと、少しでも安心しているのか。
それとも、さらに疲れ切っているのか。
親のために頑張っているだけではないか。
周囲の期待に応えようとしているだけではないか。
もし学校に行くことで自己否定感が強まっているなら、いったん離れることも必要です。
別の環境を探してもいい。
家庭で休んでもいい。
フリースクールでもいい。
オンライン学習でもいい。
本人が安心できる場所を見つけることが、学校に居続けることより大切な場合もあります。
不登校対応で本当に大切なのは、学校に行かせることそのものではありません。
子どもが自分を壊さずに、もう一度学びや人とのつながりを取り戻すことです。
学校は大切な場所です。
でも、子どもの心を犠牲にしてまで通わせる場所ではありません。
「学校にただ行ってさえいればいい」
その考えに親がしがみついてしまうと、子どもの本当の苦しさが見えなくなることがあります。
私は、不登校支援では、登校の有無よりも、その子の心がどこで安心できるのかを見たいと思っています。
学校に行くことよりも、まず生きる力を守ること。
そこから、次の学び方を探せばいいのだと思います。
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