不登校を受け入れる覚悟は、あきらめではない

不登校を受け入れる覚悟は、あきらめではない

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コラム

―子どもを守るために、親が最初に越える壁―

不登校を受け入れる。

この言葉は、親にとってとても重いものです。

「受け入れる」と聞くと、多くの保護者はこう感じるかもしれません。

このまま学校に行かなくなるのではないか。

勉強が遅れてしまうのではないか。

社会から取り残されるのではないか。

親として、あきらめてしまうことになるのではないか。

しかし、不登校を受け入れることは、決して子どもの将来をあきらめることではありません。

むしろ、子どもの心と体をこれ以上壊さないための、最初の支援です。

学校に行きたくない。

教室に入れない。

制服を見るだけで苦しくなる。

朝になると体調が悪くなる。

こうした状態の子を、無理に学校へ近づけようとすると、心身にさらに強い反応が出ることがあります。

腹痛、頭痛、不眠。

脱毛やチックのような症状が出る子もいます。

そこまで悪化すると、親はますます仕事どころではなくなります。

「学校に行かせなければ」と頑張った結果、子どもも親も追い詰められてしまうのです。

不登校を受け入れる覚悟とは、「もう学校に行かなくていい」と放置することではありません。

「今は無理に行かせない」

「まずは心と体を守る」

「その上で、次の学び方や居場所を探す」

そう決めることです。

この覚悟があると、親の動き方も変わります。

祖父母に協力を頼む。

職場に相談する。

テレワークや休暇制度を検討する。

学校と今後の方針を話し合う。

フリースクールや教育支援センターを調べる。

支援機関につながる。

毎朝、「今日は行けるのか、行けないのか」と揺れ続ける状態から、少しずつ具体的な支援へ進むことができます。

逆に、親がいつまでも「明日こそ行けるはず」と期待し続けると、毎朝が親子にとって戦場になります。

子どもは「今日も行けなかった」と自分を責める。

親は「また仕事に行けない」と追い詰められる。

そして家庭全体の空気が重くなっていきます。

ある母親は、子どもに「週に一度だけでも登校してほしい」「宿題だけでも出してほしい」と願っていました。

それは決して悪意ではありません。

子どもに「自分はできる」と思ってほしかったのです。

しかし、子どもは逆に「週に一度しか行けない自分はだめだ」と自分を責めていました。

そして、ある日、母親に向かって「次に子どもが生まれたら、僕を捨てて」と言ったそうです。

この言葉を聞いた母親は、不登校を受け入れる覚悟を決めました。

学校へ行かせることよりも、まずこの子を守らなければならない。

そう考えたのです。

不登校を受け入れる覚悟は、すぐに持てるものではありません。

親も怖いのです。

将来が不安なのです。

周囲の目も気になります。

それでも私は、早い段階で受け入れることが、結果的に子どもも親も守ることにつながると思っています。

受け入れることは、敗北ではありません。

子どもの命と心を守るために、親が立ち止まる勇気です。

そこから初めて、本当の支援が始まるのだと思います。
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