AIの時代に、なぜ子どもの「感情」が大切になるのか
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AIの時代になると、人間に求められる力は大きく変わっていきます。調べる、まとめる、比べる、文章を整える。こうした作業の多くは、すでにAIが高い水準で助けてくれるようになりました。だからこそ、これからの教育で大切になるのは、ただ早く正解を出す力ではなく、「その知識を何のために使うのか」「目の前の人とどう関わるのか」「自分の心をどう扱うのか」という、人間らしい力なのだと思います。
『NieR』のアンドロイドたちは、任務を果たす力を持ちながら、感情の扱いに戸惑います。怒り、悲しみ、愛情、孤独。そうしたものが自分の中に生まれたとき、それをどう受け止めればよいのか分からず、苦しんでいきます。これは、現代の子どもたちの姿とも重なります。便利な道具や情報に囲まれながらも、自分の気持ちをうまく言葉にできず、誰にも伝えられないまま苦しんでいる子は少なくありません。
不登校の子どもたちの中にも、「学校が嫌い」という一言では説明できない複雑な気持ちを抱えている子がいます。本当は行きたい。でも怖い。本当は友達がほしい。でも傷つきたくない。本当は頑張りたい。でも体が動かない。その揺れを、大人が「甘え」「怠け」「わがまま」と決めつけてしまうと、子どもはますます自分の気持ちを閉じ込めてしまいます。
大切なのは、まずその子の感情を否定しないことです。登校するかどうかの結論を急ぐ前に、「何が苦しかったのか」「どんな場面で心が重くなったのか」「本当はどうしたいと思っているのか」を一緒に探していくことが必要です。感情は、邪魔なものではありません。子どもが自分を理解するための大切な手がかりです。
AIがどれほど発達しても、子どもの表情の奥にある不安を感じ取ったり、言葉にならない苦しみに寄り添ったりすることは、人と人との関わりの中でしかできません。教育相談で私が大切にしたいのは、勉強の遅れだけを見ることではなく、その子の心がどこで止まり、どこから動き出せるのかを丁寧に見つめることです。AIの時代だからこそ、感情を大切にする教育が必要なのだと思います。