胃腸リセット術で快適シニアライフ 〜日々のお腹胃腸トラブルに〜

胃腸リセット術で快適シニアライフ 〜日々のお腹胃腸トラブルに〜

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 年齢を重ねると体には様々な不調が生じ、胃腸のトラブルもその中の1つ、常に下痢や便秘を繰り返している方、ちょっとした事でお腹を壊してしまう方。
 お腹や胃の中に何か住んでいるかのように、何かの度に不調が現れるのですが、しばらくすると症状も治る為、病院へいく事も躊躇う事が多いのも現状です。
 朝から起きてお腹の調子が悪い、友達とのランチ中にお腹が痛くなる、緊張をすると胃がキリキリしてしまうのですが、年齢のせいだろうと諦めてしまう事も。
 しかし、なぜ胃腸の調子が悪くなるのか原因が分からず、症状を繰り返した時に思い出し、ストレスがどんどん積み重なり、メンタルにも支障をきたすのです。
 これらを早期対策していく必要があるのですが、「すぐに治る」「歳のせい」で済ませる為、放置がち、実際これらは胃腸からのSOSなのでしっかりと対応。
 今日から胃腸の事を知り、食事の改善、生活を改善していき、これからのミライフを不調知らず、不安なしの安心した生活リズムで過ごしていきましょう。
1 口に入った食べ物はどうなるのか?
 食事をすると、食べた物は口から食道を通り胃に向かい、胃の中では、強力な酸性の胃液によって消化が行われドロドロに、溶けた食べ物は胃から小腸に向かいます。
 小腸は食材の栄養素を吸収するために重要な臓器で、十二指腸・空腸・回腸に分けられ、合わせて5〜7mある長い臓器になります。
 小腸を食べ物は約3時間程かけて通過していくのですが、十二指腸を通過する際に、胆のう、すい臓で生成された消化液が出て、食べ物と混ざり合い消化が進むのです
 小腸の中には、無数の絨毛(じゅうもう)が出ており、体に必要な栄養素を吸収し、栄養を吸い取られた食べ物は大腸へと送られます。
 大腸では、小腸を通過してきたドロドロのかゆ状の半固形状になった食べ物の残りから、水分やミネラルが吸収されて固形に変化、形成され便として排出されていきます。
 これら消化、吸収、排泄の一連の流れを行う器官をまとめて「消化管」と呼び、消化管は、部位によって働きも変わり、日々休みなく動いています。
 そして、痛みを鎮める為には、小腸や胃など、器官ごとへ対策をしていきますが、しっかりと調子を整える為に、消化管全てを健康な状態にする必要があるのです。

1ー1 各消化管で起こる不調を知る
 消化管は器官ごとに働きも違うために、起こる症状、不調も変わり、口からすぐの食道で起こりやすい不都合は、逆流性食道炎
 食道と胃の間には、胃液や飲み込んだ食べ物の逆流を防止するための弁が備わっていますが、その弁を越えて胃液、食べ物が逆流してくる事で起こります。
 主な症状としてゲップ、胸焼け、酷くなると口元まで胃液が込み上げ、それだけでなく、食道の壁は弱いので、胃液のような強酸により炎症を起こしてしまうのです。
 胃の場合は、辛い物やしょっぱい物などの刺激物、アレルギーを引き起こす食材が取り込まれると、胃液が多量に分泌され、胃の粘膜を充血させ、慢性的な胃炎を引き起こします。
 胃炎が慢性化すると、胃潰瘍、胃がんの原因となり、検査では何もないのに、胃痛や胃もたれを感じる「機能性ディスペプシア」は、ストレスが原因と考えられます。
 胃を通り過ぎた後の十二指腸は、デリケートな臓器なため、胃酸によって傷つきやすい傾向にあります。
 胃酸の過剰分泌や精神的なストレスなどで胃の粘膜を守る物質を分泌する働きが弱くなると、胃酸で損傷し影響をうけてしまいます。
 症状が軽いうちは、吐き気や胸焼けで治るのですが、重症化してしまうと腸に穴があく十二指腸潰瘍を発症し、お腹の上部が激痛に襲われます。
 小腸で炎症が起こる病気は炎症性腸疾患、下痢、下血、発熱、体重減少などの症状が現れ、若年層に多いトラブルに
 現在増加傾向のリーキーガット症候群は、小腸の粘膜に隙間ができ、小腸の内容物が他の部位に漏れ、混入し腹痛やアレルギーなどの原因となります。
 そして、クローン病は、炎症性腸疾患の一種であり、口から肛門までの消化管の全てがただれたり、潰瘍が出来てしまう病気です。
 大腸に棲んでいる腸内細菌が小腸に入り込み異常増殖してしまう小腸内細菌異常増殖症、膨満感、下痢、便秘、胸焼け、不眠などの症状が現れます。
 大腸の腸内細菌である、善玉菌、日和見菌、悪玉菌のバランスが崩れてしまうことが原因で起こる過敏性腸症候群を発症します。
 最近、ゲップが多くなった、胃酸が上がってくる、胸焼けや胃痛、頑固な便秘、長引く下痢などは消化管のトラブルの事があるので、まずは食事、習慣の見直しを
2 まずは腸の事を知っていこう
 今まで大事な試験や会議の前に、お腹の調子が悪くなった経験がある方も多いでしょう、この症状は腸と脳の深い関係にあります。
 腸と脳は「脳腸関係」と呼ばれる程、脳とお互いに影響を及ぼし合っており、腸の状態の良し悪しで、脳、メンタルの良し悪しに影響がある事が分かっています。
 その事を象徴するように、過敏性腸症候群になると、不眠、落ち着かない、頭痛、やる気の低下など、精神的な面にも支障が出るのです。
 強いストレスを受けた場合も、脳から自律神経から腸へ伝わり不調の原因に、お腹の不調が出ている時は、強いストレスを受けている腸からのSOSになります。
 そして、セロトニンと呼ばれる「幸せホルモン」は、脳に作用するのですが、このセロトニンの90%以上が腸で作られており
 腸内環境が悪くなるとセロトニンが十分に生成されず、やる気の低下や倦怠感などメンタル面に大きく影響し、放置し続けるとうつ病の引き金にもなるのです。
 腸内環境が快調な状態であれば、体の中から元気がみなぎり、毎日はつらつとした気持ちになるので、日々腸内環境を整える意識を持ちましょう。
2ー1 栄養素を吸収してくれる小腸の働き
 小腸の壁に、ひだ状に細かく折り畳まれた様になっていて、広げるとその大きさはテニスコート4分の3面分の広さになるほど
 小腸壁は粘膜で覆われ、0.5〜1.5㎜の腸絨毛と呼ばれる突起が多量に生え、小腸は、小腸液という酵素を含んだ消化液を分泌し、ブドウ糖やアミノ酸に分解します。
 消化の仕上げをして、分解した栄養素を吸収することが、小腸の重要な働きとなり、人が生きていく為に必要な栄養素は小腸から吸収されます。
 小腸の中に食べ物が滞留知る時間は約3時間、この間に消化の仕上げと吸収を行い、栄養素を吸収した残りは、大腸にバトンタッチしていきます。
 大忙しの小腸の消化・吸収を支えているのが蠕動運動、この運動は小腸の中の食べ物を先へ先へと押し出す行為の事で、年々この力が弱くなり大腸に送り出す事ができなくなります。
 蠕動運動が弱い腸は、腸壁のひだの間に食べかすが溜まりやすく、この残りかすが炎症を起こし、更に蠕動運動を低下させ、便秘などの症状を引き起こすのです。
2ー2 体を守る為にも小腸を労る事から
 小腸は消化と吸収だけではなく、体の防衛、免疫システムを司り、食べ物だけではなく、空気中などに含まれる有害物質を取り入れないようにする仕組みがあるのです。
 食事が最初に通過する口腔内では、強い殺菌力がある唾液が分泌され、胃では強い酸性の胃液が分泌、そして唾液や胃液よりも強力な防衛力があるのが免疫細胞です。
 この免疫細胞の約70%は、小腸と大腸に集中して存在しており、命に関わる病気の原因になり得る異物を、腸の免疫細胞が撃退、対峙、排泄してくれるのです。
 小腸は全身の免疫力の要を担い、免疫細胞にも様々な種類があり、中心的な役割をするのが白血球、白血球も顆粒球、リンパ球、単球に分られていきます。
 その単球の一種であるマクロファージは、細菌やウイルスなどを食べ、体内に侵入した悪い抗原の情報をヘルパーT細胞に伝えてくれる重要な存在に
 マクロファージから情報を得て活性化したリンパ球は、血液に乗り体全身を巡り、他のリンパ球等にその抗原の特徴を伝え、活性化させていくのです。
 小腸に多く存在するのがリンパ球、リンパ球に含まれるNK細胞(ナチュラルキラー細胞)や、キラー細胞は、攻撃性が高く、がん細胞や有害物質、異物を撃退します。
 大腸の近くにある小腸の回腸には、パイエル板と呼ばれるリンパ組織が並び、免疫細胞の集合場所となり、回腸に入ってきた異物は特殊な機能をもつM細胞により撃退をされていくのです。


2ー3 食べ物が便に変わるまでの大腸の働き
 大腸は、小腸の周りを取り囲む様に位置している臓器で長さが1.5m〜2.0m程、小腸から順に盲腸、結腸、直腸に分けられ、最後に肛門から便として排出をされます。
 大腸の大きな働きは便を作る事で、盲腸の下端に虫垂があり、虫垂は痕跡臓器とされましたが、今では腸内細菌のバランスを整える重要な役割を担っているのです。
 結腸は、小腸から送られたドロドロのかゆ状の物質から水分とミネラルを吸収、ここで便が、半固形状から固形へと形を変えていきます。
 固形になった便は、直腸にしばらく溜められ、直腸に便がある程度溜まると脳に刺激がはいり、排泄を促して、腹部の筋肉が収縮し便を外に押し出していきます。
 大腸に物が滞留する日数は2〜3日と言われ、小腸と同じように大腸も蠕動運動を行い、食べ物の栄養素を吸収しつつ、外へ外へと排泄していくのです。
 しかし、大腸内に細菌やウイルスが侵入すると、大腸は一刻もそれらを排出する為、栄養吸収をやめて一気に押し出すので、水分の吸収が間に合わず下痢になります。
 年齢を重ねると、血圧の薬や糖尿病など持病の薬を飲む事で、腸への刺激となり下痢を引き起こしやすくなる事も
 精神的なストレスも下痢の大きな原因となり、蠕動運動が落ちてしまう事でも、便の通過スピードが遅く、必要以上に水分を吸収されすぎて、便が硬化し便秘を引き起こすのです。
2ー4 腸の不調は体全体に影響する
 大腸と小腸は、脳以外の他の臓器とも、密に連動をしており、肝臓は主に栄養素を使いやすい形に変える代謝と、有害物質の解毒を行います。
 小腸から吸収した栄養素や大腸から吸収したミネラルなどの多くは、太い血管を通って肝臓へと送られるのですが、腸が不調の場合は、肝臓に多くの有害物質が送られてしまうのです。
 胆のうは、肝臓で生成された胆汁を溜めておき、十二指腸に食べ物が入ってくると、腸からの合図を受けて胆汁を分泌しますが、腸が不調になると胆機能も不調になります。
 すい臓も消化液をつくり、十二指腸に分泌していき、胆のうと同様に十二指腸と直接つながる臓器であり、腸への影響は大きくなるのです。
 心臓や肺は、自律神経を介して体の調子をコントロールしている点で腸と共通し、腸の調子が悪くなると、自律神経を介して心臓や肺に悪影響を及ぼします。
 風邪やアレルギー、がんなど全身に起こり得る病気も小腸が関係しており、元気な場合は、腸で作られる免疫細胞が撃退をしてくれます。
 反対に腸の状態が悪い場合は、免疫機能が低下してしまい、アレルギー、喘息、花粉症、鼻炎などの症状も発症しやすくなるのです。
 他にも腸が悪い状態を長年放置し続けてしまうと、脳へのダメージも深刻化し、ブリオン病、老人性うつ、パーキンソン病、認知症、無気力状態などが見られるようになるので対策が必須です。
2ー5 メンタルにも大きく影響する腸内環境
 大腸には、大量の腸内細菌が棲んでおり、腸内細菌は人が食べた食べ物を餌にして増殖し、腸内細菌は約500〜1000種類、約50兆〜100兆個が棲んでいると言われています。
 腸内細菌は、種類ごとに固まって群生する事もわかっており、その様子が花畑ににている事から「腸内フローラ」と言われ、腸内細菌は、様々な代謝物質を生成します。
 代謝物は細菌によって変わり、この代謝物が気分を上げたり、肥満を招いたり、人体に様々な影響を与えているのです。
  腸内細菌の中でも体に良い物を生成してくれる善玉菌、悪い物を生成する悪玉菌、状況に応じて善玉菌にも悪玉菌にもなる日和見菌の3種に分られます。
 体内に存在する腸内細菌の種類は、豊富な方が健康によく、悪玉菌をゼロにすれば良いという訳でもありません、理想のバランスは、善玉菌2:日和見菌7:悪玉菌1の割合です。
 腸内に善玉菌の数が悪玉菌の数より多ければ、日和見菌は善玉菌に味方をするため腸内環境をよく保つ事が出来ますが、悪玉菌が多くなると腸内環境は日々悪化してしまいます。
 病気の方やアレルギーのある方は、腸内細菌の多様性が低下し、腸内細菌の種類が少なくなると同時に悪玉菌が優位になる事も分かっているのです。
 腸内細菌は、普段の食事をご飯、餌としていますので、普段の食事の栄養が偏ったものやジャンクフード、糖質過多などになると腸内は悪玉菌で溢れてしまいます。
2ー6 悪玉菌の増加が重病の原因に 

 腸内細菌が食事を分解する過程でガスが発生するのですが、水素など、老化やがんを予防するガスもあれば、がんを招く有害な硫化物系、メタン系ガスなど様々です。
 便が大腸の中に長くいると、次第に腸内細菌の中に悪玉菌が増加していき、これらが有害なガス、有害物質を多く産生し、お腹の張りや便秘を招きます。
 腸内の有害物質は、大腸の壁から血管から入り込み、血液に乗り体全身に巡り、腸内の免疫機能を阻害し、各臓器に悪影響を与えます。
 大腸から送られた有害物質を分解するために、肝臓の作業が増加、負担がかかり、脂肪肝や肝炎を誘発
 肝機能が低下し悪化する事で、糖代謝がうまくいかず、血糖値の上昇、高血糖、糖尿病、腎症、神経障害などのリスクが高まるのです。
 心臓や脳に腸の有害物質が入り込むと、重要な血管を傷つけていき心筋梗塞や脳梗塞などの原因にも
 腸内環境が悪いと肌荒れやむくみなども現れ、免疫力が落ちてしまうので、風邪をひきやすく、治りにくくなってしまいます。
2ー7 腸内細菌を味方に日常の健康管理
 善玉菌の1種であるビフィズス菌は、糖を分解する事がわかっており、ビフィズス菌がオリゴ糖などを分解する時に乳酸や酢酸が腸のPHを整えて腸内環境を改善します。
 そして、腸内細菌にビフィズス菌が多い人は、花粉症になりにくいという研究結果も出ているのです。
 また、ある種の善玉菌は、水素を発生する事も分かり、水素は抗酸化作用が強いので、酸化ストレスから体を防衛してくれ
 老化やがんなどといった症状や病気を抑制し、腸内の血行を改善、血液が体を巡るため、冷え性や認知症、動脈硬化など多くの病気の対策にも重要になるのです。
 反対に悪玉菌のウェルシュ菌は、何種類もの毒素を作り食中毒を起こすきっかけにもなり、体内で増加するとオナラが臭くなるので、腸内環境が悪いサインにもなるので対策をしましょう。
2ー8 腸内環境が認知症を左右する
 人の腸内細菌数は年々変化をしていき、生まれる前の胎児の状態が無菌状態、そこから親や周囲の人、食事、環境で日々腸内環境が変わっていくのです。
 このような経過で得た腸内細菌は、必然的に身近な存在である親の腸内環境と似ており、一旦獲得した腸内細菌は、その後の食生活、生活習慣で変化をしていきます。
 全ての人に大きな変化が起こるのが、中年を過ぎたあたりで、腸内細菌のバランスが崩れはじめ徐々に減少、60代になると赤ちゃん時の半分程になるのです。
 その分増加するのが悪玉菌、人によって変わりますが、ウェルシュ菌や黄色ブドウ球菌など、病原菌の細菌が増加傾向に
 アルツハイマー型認知症は60代を境に増加する病気で、腸内環境の悪化と共に認知症患者も増加する相関関係があるので、日頃から腸内環境を整える対策をとり、認知症を遠ざけましょう。
2ー9 普段の腸内環境は便を見て確認を


 腸内環境の確認は、普段の便を見るのが一番簡単で分かりやすく、理想的な便は、黄土色から赤褐色をしており、形もバナナ状になります。
 更に、排泄する時にも力まずにスルッと出てくれる感覚があれば、善玉菌が優位な便の状態で腸内が弱酸性の理想的な環境のサイン、臭いも無臭で排泄されます。
 便が、小さな石ころのような時は、食物繊維が不足している目安となり、野菜や大豆製品、きのこ、海藻に加え水を積極的にとっていきましょう。
 便が黄色に近い場合は、胆汁の色、胆汁は肝臓で生成される主に脂肪を吸収しやすくする胆汁酸が含まれています。
 胆汁と一緒に消化管に分泌された胆汁酸は、小腸でほとんどが吸収されるのですが、一部が大腸に入るのです。
 便のもとになる食べかすは、大腸を通過する時にゆっくりと水分やミネラルを吸収していくのですが、腸内に留まる時間が長いと、水分が減り胆汁酸が濃くなり便の色が黒に近くなります。
 便が黒くタール状でベッタリしている場合は、十二指腸潰瘍の場合などが疑われるので、早急に病院の方を受診していきましょう。
 緑色の便が長期にわたり排泄された場合、黄疸と溶性貧血の疑いも、また真っ赤な便の時は、大腸内が出血している場合もあり、大腸がんも疑われるので検査が必要になります。
 普段から便の様子を確認する事で、今の腸内環境を知る事ができ、日々確認をする事で、すぐに体の異変に気がつき早期発見早期対策をとる事が出来るのです。
3 シニア層に増えている過分性腸症候群
 日本人の約10%が過敏性腸症候群に悩まされているとされ、キリキリと差し込む痛みや、チクチク感、我慢しがたい急な下痢、スッキリしない残便間など症状は様々
 いつ腹痛や便意の不安に襲われる分からないため、旅行や映画、舞台見学などの長時間、席を離れる事ができないイベントなどにいきづらく、ひどい場合は家を出なくなる方も
 便秘か下痢、または、両方の症状(便が柔らかくなったり硬くなったり)が、1ヶ月に3回以上か、3ヶ月以上続く場合は、【過分性腸症候群(IBS)】の疑いが出てきます。
 しかし、過敏性腸症候群は、病院を受診した際にもはっきりとした原因が特定出来ない事もあり、根本の原因を取り除くのではなく、対処療法のみの事もあるのです。
 また本人も食あたりや年齢のせいなどと症状を放置してしまい、時間が経った頃に便秘や下痢を繰り返し、長期間市販薬を常用し胃腸が荒れてしまう方も珍しくありません
 まずは、現在増加中の過敏性腸症候群の事を知り、不安を少しでもなくしていき腸から元気を作っていきましょう
3ー1 環境のストレスも原因の1つに
 過敏性腸症候群は、血液検査や内視鏡検査を行っても見つけることが出来ないことがあり、これはポリープや炎症といった物理的な症状が見つからないだけで原因が他にあります。
 腸は、脳が強いストレスを受けると、腸を取り巻く神経の知覚機能に異常をきたして過敏になり、蠕動運動が部分的に激しくなったり、キリキリ痛むことがあるのです。
 また、環境のストレスも過敏性腸症候群の要因の一つとなり、空気中を漂っている環境汚染物質PM2.5を吸い込むと、肺や気管への悪影響がある他、腸の健康も阻害
 過敏性腸症候群の患者数は、都会の方が発症率が高く、大気汚染や騒音など環境的なストレスが田舎の方よりも都会になる方が増えるのです。
 感染症の腸炎にかかった後に、過敏性腸症候群を発症する方も多く、腸炎は細菌やウイルスの侵入で、腸壁が炎症を起こす病気になります。
 腸壁は、毎日細菌やウイルスの攻撃を受け続けており、免疫力が弱っている時などすぐに炎症を起こしてしまうのです。
 この腸炎を繰り返していると、日々腸壁が過敏になり、腸炎は治っているのに、少しの刺激でも反応してしまい、過敏性腸症候群になるのです。
3ー2 過敏性腸症候群にもタイプがある
 過敏性腸症候群の典型的な症状は、下痢や便秘、その両方を繰り返す事、便の形状や回数が、いつもと違うことが月に3日以上見られるのなら、可能性が高くなります。
 例え、毎日便が出ていたとしても、トイレにいく回数に増減がある方や、残便感がある方は、過敏性腸症候群予備軍の可能性があるのです。
 男性と女性でも発症タイプが変わり、男性は下痢タイプが多く、突然下腹が痛くなり、冷や汗が出始め動悸が激しくなる事もあります。

 この状態でトイレに駆け込むと、水に近い下痢が出るのですが、緊急事態を脱することが出来れば、その後は、気分が楽になり腹痛もなくなる特徴が見られます。
 一方、女性は便秘タイプが非常に多く、便がでないためにお腹が数日貼り続けてしまい、おならは出るのに、力んでも便がでないのが現状です。
 力んで便が出たとしても、理想のバナナ便とは程遠いコロコロした硬い便になり、便が出たのに強い残便感が残ります。
 こうなるのは、運動不足の影響で、腸の動きが止まってしまい便が停滞、筋力が不足するせいで便を押し出す力もなく悪循環が続きます。
 また年齢のために、食事の総量が減り、食物繊維の摂取、水分を飲む量も減っていくので、十分に便が作られないことも原因になるのです。
 そして、混合タイプは、男女共に見られ、下痢と便秘を数日ごとに、同じような頻度で繰り返す症状とともに排便の回数も変わり、便秘から下痢に、下痢から便秘のサイクルになります。
 混合タイプになるのは、強いストレスや平日と土日の過ごし方に大きな差があり、常に時差ボケのように体調が安定せず、自律神経の乱れから腸の働きが不安定になるのです。
3ー3 過敏性腸症候群と間違えやすいトラブル
 過敏性腸症候群と間違えやすい「便秘を引き起こすトラブル」が数種類あり、「直腸鈍感」は女性に多い便秘トラブルになります。
 健康なら直腸に便が溜まると便意をもよおすのですが、肛門の近くの直腸まで便が降りてきて溜まっているのに、便意がない状態に
 便が直腸に長く溜まるために、便から水分が吸収されすぎてしまい、コロコロ便や激しい便秘が続き、トイレを我慢することが日常化したことが癖になってしまう悪循環に陥ります。
 これらの対策として、朝起きた時と寝る前の1日2回、コップ1杯の常温、白湯を飲み、便意がなくても、朝の5分便座に座り、脳にトイレの合図を習慣付けましょう。
 「弛緩性便秘」は腸の蠕動運動が弱い事で起こり、大腸内を食べ物のカスが通過する事に時間がかかるため、便が水分が過剰に吸収されて便が硬くなって起こるのです。
 筋肉量の少ない女性、寝たきりの女性に多く見られる症状で、対策法に腸が動くように刺激するため「不溶性食物繊維」を積極的に取り込んでいきましょう。
 「むくみ腸」は、腸内環境が悪い時に発生し、腸内細菌のバランスが乱れ腸内環境が悪い状態が続くと、腸の粘膜に炎症が起きます。
 そうなると、腸内の免疫細胞が活性化し、粘膜の細胞に水分が導かれて、大腸の腸壁に水分が溜まったように見えてしまうむくみ腸になるのです。
 代謝が悪く、普段から手足がむくみがちな人に、多く見受けられ、水分を多く蓄えた腸は、冷えて動きが悪くなってしまう事で便秘を招きます。
 腸内環境を改善していくには、善玉菌を増やして、発酵食品や水溶性食物繊維を毎日適量取り込んでいく事が重要です。
 また、お腹周りを冷まさないように、お腹周りを温め、有酸素運動やストレッチも、深部体温を上げて腸内環境を良くすることが効果的になります。
 「落下腸」は、大腸の上部分である横行結腸が垂れ下がっている状態を言い、猫背の方に多く、姿勢の悪さ、筋力不足、骨盤の歪みなどが原因に考えられます。
 便秘になりやすい人は、腹筋や背骨のトレーニング、腸のマッサージを丁寧におこない、姿勢を正していき腸に良い習慣をとっていきましょう。
3ー4 リーキーガット症候群でも症状がでる
 年齢を重ねると、大腸の壁にも不都合が生じ、大腸の壁は粘膜で覆われて、その外に血管が通り、健康な腸は、水分やミネラル、消化された粘膜をすり抜けて血管に流れる仕組みになっています。
 しかし、腸が老化してしまうと、腸粘膜の細胞と細胞の繋がりが弱まり、隙間が発生、この隙間を本来ブロックされる病原菌、ウイルス、未消化の栄養素などが血管に入るのです。
 この現象をリーキーガット症候群といい、リーキーガットは「腸漏れ」という意味をもち、リーキーガット症候群は、物理的なバリアが緩んでしまう現象
 大腸の外の血管は、肝臓に通じているので、リーキーガット症候群を発症すると、本来なら排出される病原菌やウイルス、毒素が肝臓に運ばれる事になるのです。
 従来は異物と判断された物質は、肝臓によって解毒されるのですが、肝臓には大きな負担がかかります。

 更に、大腸の中のLPS(糖脂質・リポ多糖)という毒素は免疫増強作用もあるのですが、肝臓がんの原点にもなり得ます。
 また、バリア機能障害を起こすと、免疫細胞が過剰に反応し、腸が炎症を発生、この事を自己免疫疾患と呼び、偏った食事、ストレスなど腸内環境の悪化でも引き起こされます。
3ー5 リーキーガット対策に食事を見直す
 お腹が痛くなると食欲がなくなり、食事をすることが億劫になってしまい、あれもこれも食べられなくなるので、まずは、腸内をリセット、胃腸を空っぽにする事が効果的
 断食ではなく、食感を12〜16時間程開けるように心がけ、胃や腸に負担をかけないようにし、胃腸に定期的に休息を与えるようにしましょう。
 その後症状が落ち着いたら、普段の食事に戻すようにしていき、1日3食、良く噛んで食べて、腹7〜8分目を意識、心がけていきます。
 特に朝食は重要で、「TVを見ながら」「バタバタと食べる」「コーヒーだけ」と朝食を抜いたり雑に扱う方もおられますが、その事が過敏性腸症候群を招きやすくなります。
 整腸に作用するヨーグルト、タンパク源の半熟卵、食物繊維の多い野菜類を食べて、朝の排便タイムを作るように腸の蠕動運動を促す食事を
 水分も、胃腸を整えるために大切になり、人の50〜60%は水分で、普段の汗や呼気、尿として排出されていくので、都度補う必要があります。
 活動量や季節、体格などで異なりますが、1日2.5リットルの水分補給が必要になりますが食事などでも水分が摂れるので、飲む水分量は、1.5リットルを目安に
 水を飲む習慣は素晴らしい事なのですが、水分の摂りすぎ、種類にも注意、飲み過ぎると血圧の上昇に腎臓への負担、清涼飲料水やジュースばかり飲むのは、体へのダメージになってしまいます。
3ー6 ストレスの発散も必要不可欠に
 過敏性腸症候群の原因にあるストレス、年齢関係なくストレスフルになりやすい現状なので、ストレスと日々上手に付き合い、解消していながら生きていく方法が大切になります。
 趣味を思いっきり楽しむ事が、身近なストレス発散になり、体を動かしたり、映画や読書、将棋に料理など自分の好きな事を思いっきり楽しみストレスの解消を
 ストレスの発散に体を動かす事が加わると、更に効果を発揮し、山登り、キャンプ、マラソンに取り組んで、脳の刺激も忘れないようにしていきます。
 現在は趣味がない方も、以前途中まで取り組んでいた事、小さい時にやりたかった事に挑戦していき、新しい友人、場所なども広げて、孤独や無趣味の解消に
 現代は推し活なども脳の活性に効果を発揮し、若さや元気を保つためにも推しを見つける事も脳から腸に良い行動になります。
 ストレスから腸を守るためにも、ただ1日を過ごし体を老化、退化させるのではなく、外に出てストレスを解消し、過敏性腸症候群を少しでも遠ざけていきましょう。
4 小腸の異変SIBOを知り対策改善
 SIBOは「小腸内細菌異常増殖症」の略称の事で、小腸の中で細菌が異常な程に増加してしまい、お腹が張ったり、胸焼け、下痢や便秘の症状が現れます。
 小腸の末端は大腸に突き刺すように入り込んでおり、大腸の腔内え上下2枚の唇に似た高まりをくっついています。
 これはバウヒン弁と呼ばれる部位で、大腸に送られた食べ物が逆流する事を防止する栓のような働きをし、バウヒン弁は回腸と盲腸を繋いでいるため「回盲弁」とも呼ばれています。
 弁を通って大腸に入った物は、蠕動運動によりゆっくりと直腸に向かって真上に推し進められていくのです。
 盲腸も数年前までは、特別な働きをしていないと考えられ不要と言われていましたが、今では免疫機能を司る重要な役割を持っている事も研究で判明したのです。
 小腸と大腸は、どちらも腸と名前がついており、1本の管のように繋がっている臓器ですが、大きさも働きも全く変わってきます。
 働きが違うために大腸に入った物が、再び小腸に逆流すると、トラブルが発生、そのトラブルこそがSIBO、小腸内細菌異常増殖症になるのです。
4ー1 小腸で細菌が増殖し痛みや炎症に
 2000年前後は小腸の内部を詳しく見る事ができなかったのですが、医療の進歩により、小腸の長い管を隅々チェックする事ができるようになったのです。
 詳しく小腸を見る事ができるようになった成果の一つに、大腸に入った食べ物が逆流してトラブルを引き起こすSIBOの発見
 小腸は栄養素を吸収し、大腸は水分やミネラルを吸収して便を生成、排泄する事が主な仕事になっています。
 大腸内には、約100兆個〜もの腸内細菌が棲みつき、大腸の環境を日々整腸、小腸にも細菌が棲みついていますが、数は1万個程と大腸に比べると少なくなります。
 大腸に送られた食べ物が小腸に逆流をしてくるSIBOは、大腸の中にいる細菌も一緒に小腸内に流れ込むので、小腸内の細菌が異常繁殖してしまう事が起こります。
 大腸内の細菌は増殖する際に、水素、メタンガス、二酸化炭素などのガスを発生、このガスは大腸内であれば血液中に吸収され、肺から呼気中に排出されます。

 しかし、小腸でガスが発生した場合、小腸内ではガスへの対応ができず、ガスの行き場がなくなり、お腹の張りやゲップ、胸焼けを起こすのです。
 胸焼けは、小腸で発生したガスが胃液を食道まで押し出すために起こり、放置してしまうと、慢性的な下痢や便秘、不眠、貧血、うつ病など心身共に影響します。
4ー2 運動不足が招くSIBO
 SIBOの直接の原因は、小腸の内容物が逆流する際、大腸に棲む腸内細菌が小腸に侵入する事です。
 しかも、小腸で栄養素を吸収された後になり、水分が多いドロドロの状態、重力に逆らって真上に上がってくる為、非常に強い蠕動運動がなければ上がる事ができません。
 蠕動運動の強さが不十分だと、小腸と大腸の結合部に食べ物が溜まっていくのですが、ここには、逆流を防止するバウヒン弁があります。
 しかし、このバウヒン弁はピッタリと閉まる便ではなく、大腸の滞留物が多くなりすぎると、溢れ出し、ゆっくりじわじわと小腸へ流れ込んでいくのです。
 この蠕動運動が弱くなってしまう原因に運動不足があり、腸の蠕動運動は、腸壁の筋肉の収縮により生まれ、腸の筋肉をつけていく事で改善されます。
 腸の筋肉は腕や脚の筋肉とは関係なさそうですが、相関関係が大いにあり、日頃から運動をして十分な筋肉を維持している人は、内臓の筋肉もしっかりとしています。
 年齢を重ねて家にこもり、座っている時間が長くなると、全身の筋肉と同じように衰えてしまい、腸にも影響を与えてしまうのです。
 更に、運動をする事で血管内に分泌される一酸化窒素(NO)の働きが活発に、筋肉の収縮に必要なエネルギーや酸素を運んでいる血管
 一酸化窒素により血管が若返ると、エネルギーや酸素が腸にも十分に供給されていくので、普段から家でできる簡単な運動を習慣付けしていきましょう。
4ー3 大腸の蠕動が弱くなる原因に注意
 運動不足の他にも大腸の蠕動運動を弱くする原因に「ストレス」があり、環境の変化、旅行などでの便秘、下痢になるのはこの為です。
 脳が強いストレスを感じると、腸の働きは悪化し、旅行などで知らない土地、慣れない場所にいくと、無意識にストレスが溜まっていき
 旅行中のトラブル、普段と違う食べ物や飲み物も大腸の動きに変化を与え、ここに脂っこい食べ物が加わると逆流の原因となります。
 SIBOの原因の3つ目に「夜遅くに大量の食事をとる事」が上げられ、本来、夜はリラックスして副交感神経が働き、睡眠モードに切り替わっていきます。
 このモードが切り替わる時に、胃腸に大量の食べ物が入り、働きが活発になってしまうと、睡眠時に胃腸が落ち着かずに消化の作業に入り睡眠の質が浅くなります。
 夕方以降に食べ物や飲み物を、胃腸に取り込み続ける事も臓器が休息する暇がなくなり、腸を疲弊させ、SIBOを加速させてしまうのです。
 SIBOだけでなく、毎日質の高い睡眠をとるためにも、睡眠の3時間前には食事を終わらせるようにしていき、胃腸に休息を与えていきましょう。

4ー4 胃薬がSIBOの引き金になる事も
 SIBOの原因に「薬」が上げられ、注意するのが抗生物質、抗生物質は体の細菌を撃退してくれるのですが、悪玉菌だけではなく善玉菌も撃退してしまうデメリットがあるのです。
 有害な細菌が減少する一方で、善玉菌まで減少してしまうので腸内細菌のバランスが一気に崩れてしまい、SIBOの発症リスクが高まってしまいます。
 SIBOの症状が激しくなると、小腸に入った細菌を減らす特殊な抗生物質が処方される事があるのですが、担当医、医師の指導の通り飲むと問題はありません。
 抗生物質は細菌は撃退できますが、風邪などの「ウイルス」には、効果が得られないのですが、どんな病気にも効くと勘違いしてしまい
 ちょっとした体調不良の時にも、あまり分を飲まれる方がおられるのですが、この使用が善玉菌を大幅に減少させ、不調が加速し、SIBOの要因となるのです。
 そして、下剤の常用にも注意が必要になり、一般的な下剤は「刺激性下剤」と言い、強制的に腸を動かす薬で、常用をすると、薬を飲まない時に腸の蠕動が衰えてしまいます。
 胃酸を抑えるために胃薬を常用する事も注意が必要で、殺菌作用のある胃酸を抑制するために小腸の細菌が異常繁殖し、SIBOが発生する事があるためです。
 SIBOになるとガスが逆流し、胃酸を食道に押し上げて胸焼けを起こし、この胸焼けを抑えるために胃薬を飲むと、SIBOが悪化するのです。
 薬を使用する際は、自己判断で使用をするのではなく、薬剤師や担当医師に相談をしながら服用していきましょう。


4ー5 2タイプあるSIBOの発見方法
 SIBOになると、便秘や下痢の症状が起こるのですが、便秘になるか下痢になるかは、大腸から小腸に入り込んだ細菌の種類で決まります。
 入り込んだ細菌が、水素ガスを発生させる細菌の場合は、下痢になる可能性が高く、メタンガスを発生させる細菌が多いと、便秘になりやすい事がわかっています。
 どちらの細菌が小腸に入り込むかは、わからないのですが、痩せ型の方は水素を発生させる細菌が多く、肥満の方はメタンガスを発生する細菌が入ることが多い傾向にあります。
 SIBOにより起こる症状は様々あるのですが、SIBOだけに起こる特殊な症状があるという訳ではなく、他の病気にも見られる一般的な症状になります。
 そこでSIBOを早期発見するために「ラクツロース呼気検査」と呼ばれる方法があり、腸内細菌の餌になるラクツロースと言う合成糖を飲み、メタンガスの量を調べます。
 SIBOでない人なら、ラクツロースを食べる菌は大腸にいるはずですから呼気には、水素ガスもメタンガスも含まれません
 反対にSIBOの方は、細菌が小腸に多く流れこんでいるため、どちらかが呼気に含まれ、この検査で下痢タイプか便秘タイプかも判明します。
 最近、腹痛に悩まされており、便秘や下痢の症状が長く続く場合は、専門医に相談し検査の方を受診していきましょう。
4ー6 年齢を重ねるとSIBOになりやすい
 年齢を重ねるとSIBOの発症率が高くなるのですが、SIBOの事をあまり知らない、便秘や下痢はあたり前と思い込んで気が付かない方も多いのが現状です。
 高齢者にSIBOが多くなる原因は、年齢による筋力の低下によって腸の蠕動運動が弱体化し、小腸への逆流をしやすい体内環境になるのです。
 SIBOのリスクは筋力とリンクしており、腸全体の動きが悪くなると、腸のクリーニングが不十分になって、小腸の腸壁に食べカスが溜まります。

 そうなると、この食べカスを食べにくる細菌が小腸に少しずつ増加し、腸内環境のバランスが崩れるのです。
 年齢が若いうちは、男性は下痢、女性は便秘が多いのですが、50代を超えると男性も便秘になるケースが増加し、75歳以上になると差がなくなります。
 年齢を重ねても、若い時のように糖質や質の悪い脂質を摂り続けていると、それらを餌とする悪玉菌が異常繁殖して腸内環境が悪化しやすくなるのです。
 SIBOを防止していくためにも、現代の糖質量を見直し控えていき、食物繊維、水分を多く摂り運動不足にならないように運動を心がけて、SIBOを遠ざけていきましょう
4ー7 SIBOを悪化させてしまう腸活食材
 SIBOは小腸の中に大腸の腸内細菌が侵入して起こるトラブルですが、大腸内で活躍をしている善玉菌が、小腸に無害というわけにはいきません。
 大腸に良いとされている善玉菌を増やす食材を食べる事で、善玉菌が増加しますが、小腸では吸収、分解しにくくガスを発生しやすくなるのです。
 このガスが出て腸壁が押し広げられる事で、過敏性腸症候群のような膨満感などの症状が一部の方に出てることもわかっています。
 この症状を引き起こしやすい食材が、牛乳とヨーグルトになり、ヨーグルトを食べると腸の活性化や便通改善効果を期待してしまいますが
 便通改善が見込めない、それどころか、お腹を壊したり、お腹が張ったりする場合は、乳糖不耐症も見られますが、SIBOの疑いも出てくるので注意が必要になるのです。
5 消化だけではない胃の働き

 胃は、筋肉で出来た袋状の臓器になり、空腹の時は、潰れているのですが、食べ物が入ってくると筋肉の胃壁が膨らみます。
 胃の容量は1.5〜2リットル程入り、「噴門(ふんもん)」という弁が、いったん胃に入った食べ物が逆流をしないようになっています。
 胃の働きは、胃液と蠕動運動による食べ物の消化で、食べ物が入ってくると胃液が分泌、胃液は消化酵素と胃酸が含まれ食べ物を消化します。
 胃酸は非常に強力な酸、体内に入り込んだ病原菌の殺菌や、食べ物の消化の補助に欠かせずないのですが、強力すぎる故に他の臓器に侵入すると、粘膜を傷つけてしまうのです。
 食べ物は胃の上部で、胃液と強力な蠕動運動により混ざり合い、粥状になり下方の方に移動をしていきます。
 胃の出口には「幽門(ゆうもん)」があり、食べ物が十二指腸に間違って流れ込まないように調整し、少しずつ送り出すことにより腸への負担を軽減するのです。
 ただ消化をするのではなく、胃はしばらく食べた物を溜めておく貯蔵庫にもなり、小腸に負担をかけないようにコントロールをしています。
 胃の壁は、粘膜で覆われており、粘膜から胃液と共に粘液が分泌、粘膜は傷つきやすい粘膜を胃液から守るほか、食べ物をスムーズに移動させる潤滑油の効果も持っています。
 高い再生能力をもつ胃の粘膜ですが、強く傷ついたり、慢性的に胃が傷ついていると「胃炎」になり、痛みや胃酸の逆流、胃酸過多など胃が荒れる原因になってしまうのです。
5ー1 胃の不快な症状ディスペプシア
 胃がムカムカしたり、キリキリと痛む、吐き気やもたれなどの症状がある場合は、まず胃炎を疑い、一時的な飲み過ぎや食べ過ぎが原因であれば胃を休めると治る症状を「急性胃炎」になります。
 問題になるのは、この症状が長引いたり頻繁に起こる事で、慢性的な症状がある時は、まず、病院を受診し、消化管内視鏡検査で胃の中を専門家に見てもらいましょう。
 胃カメラは、粘膜の色や胃壁の凹凸を観察でき、胃粘膜の炎症や潰瘍、がんなど器質的な病変の早期発見に非常に有効
 もし、病変があった場合は、機能性ディスペプシアの可能性も疑われ、この病気は2013年に診断が認知された新しい病気で、神経性胃炎や慢性胃炎などと同じようにされていました。
 ディスペプシアはギリシャ語で「消化不良」という意味になり、現代では胃の不快感を表しています。
 ディスペプシアは、体内にはっきりとした原因が認められないのに、慢性的にみぞおちあたりに痛みを生じたり、胃もたれなどの症状を呈する病気を示します。
5ー2 消化不良で胃もたれが起こるディスペプシア
 慢性的に胃がもたれる感じがしたり、食べるとすぐにお腹がいっぱいになってしまう、また、十分に食べることが出来なくなった場合は注意が必要です。
 これらの症状がある場合は、胃の運動機能障害タイプのディスペプシアの可能性が高く、この場合の慢性的は、症状が週に2、3回以上続く、あるいは3ヶ月以上続く場合を指します。
 健康な胃であれば、食べ物が入ってくると上部が膨らんで消化液を分泌、蠕動運動がはじまるのですが、胃の上部が十分に膨らまないと、完全に消化されないまま、胃の下部に溜まるのです。
 これが消化不良の状態、胃の次に続く十二指腸へ食べ物がスムーズに移動していかず、胃もたれの原因になります。
 未消化の食べ物を無理やり十二指腸に送ると、十二指腸で処理しきれずに胃に押し戻され、この事を「十二指腸ブレーキ」と言います。
 通常なら、食後3時間もすれば胃が空になり、お腹が減ったと感じるのですが、食欲もわかず、小腸や大腸にも不調が広がり、下痢や便秘、痛み、胸焼けなどの不調が現れます。
5ー3 内臓知覚過敏タイプのディスペプシア
 内臓知覚過敏タイプのディスペプシアは心窩部痛症候群(EPS)、これは胃の感受性が強いために、通常なら気にならない胃酸を、過敏に感じてしまう事で起こる症状。
 そのため、酸っぱい液が込み上げてくる、胃がムカムカ、みぞおちが痛む、胸焼けがするといった症状が現れるのです。
 似た症状に「胃酸過多」があり、これは胃酸の量が多すぎるために胃の粘膜を傷つける病気ですが、EPSは、胃酸が正常ですが、胃酸に対する感受性が強いために症状が出ると違いがあります。

5ー4 ストレスからディスペプシアに
 腸と脳は「脳腸関係」と言い、自律神経を通じて密接に関係しており、脳がストレスを感じると、視床下部からストレスホルモンが分泌されて、腸に悪影響を与えます。
 その影響は腸だけにとどまらず、胃の蠕動運動も鈍くなり、不規則に動いてしまい不調の原因になってしまいます。
 胃は筋肉の袋なので、筋肉による力強い蠕動運動が消化には不可欠となり、ストレスを感じて蠕動運動が弱くなると消化が不十分になり、消化不良を起こします。
 消化器官にとってストレスが天敵、ストレス過多の状態で食事をしてしまうと、交感神経が高まったままで、胃と腸の働きが悪くなってしまうのです。
 食事の時間は出来るだけリラックスをするため、スマホやTVなどは見ず食事に集中をしていき、リラックスの出来る状態でゆっくりと味わい食べましょう。
5ー5 朝の習慣が胃腸の働きを大きく変える
 健康な人でも生活リズムが乱れると、機能性ディスペプシアになる可能性があり、胃の動きを知って、胃の負担をかけないように心がけましょう。
 朝、起床した直後は、副交感神経から交感神経に切り替わるタイミング、この時、胃や腸は、起床後の交感神経が目覚める時には、胃腸の働きが鈍くなります。
 この状況を変えるのが朝食、胃腸は、食べ物が入ってくると、反射的に消化液を分泌し、蠕動運動を始め、自動的に胃の働きを程よく活性化する事が出来るのです。
 決まった時間に食事を摂る事で、便通も安定していきますが、胃腸が活性化すると言っても交感神経が優位な状態なので、ガッツリ食べずに、消化にいい食べ物を選びましょう。
 シニア層になるとどうしても朝と昼が兼用になる方も多いのですが、朝食を抜いてしまうと、胃腸の動きが鈍ってしまい、機能性ディスペプシアの発症リスクが増加します。
 そして、朝食を抜いてしまうと、タンパク質不足も加速してしまうので、朝食はタンパク質を意識した食事、飲み物を含んで快適な1日をスタートしていきましょう。
5ー6 胃のクリーニングを邪魔しない習慣を
 夕食は睡眠の3時間前に食べ終わる事が理想になり、寝ている間は胃の活動は活発になるのですが、この働きは消化のためでは無く、別の働きで活発になるのです。
 胃の働きには、食べ物を消化する消化活動の他に、胃の中を綺麗にする清掃、クリーニング機能が備わっています。
 この清掃機能は、消化を終えた食べ物を十二指腸に送った後に、残った食べカスや古くなった胃の細胞を綺麗に清掃する働きになります。
 胃の上部を中心に働き、大きな収縮運動を起こしますが、クリーニング機能は胃の中が空になってからでないと開始されません。
 食後5〜8時間後に最も盛んになり、朝食や昼食後だと次の食事が入ってきてしまうので、クリーニング機能開始出来ないため、就寝中が一番のクリーニングのチャンスになります。
 入眠に入る3時間前に食事を終えることで、ちょうど睡眠に入り約2時間後に胃のクリーニングが活発になり、副交感神経が優位になる事で、更に効果が増していくのです。
 反対に、入眠の直前に食事を食べると、胃は消化に専念をしないといけなくなり、消化をしている間に朝を迎えてしまうので、クリーニングを開始できないまま、翌日に疲労感が出てしまいます。
 夜遅くに食事をとると胃に食べ物が残り、起きてから胃もたれや胃痛、胃炎などを引き起こしやすくなるため、夕食は寝る前の3時間前には終わらせましょう。
5ー7 ピロリ菌の除去で胃の病気を抑制
 胃炎を起こす原因はディスペプシアだけではなく、ピロリ菌もその一つになり、胃炎は胃粘膜の表面が炎症を起こしてただれてしまう状態を言います。
 胃潰瘍は、胃の粘膜が傷つき、粘膜の下層まで届いて胃の組織が欠損し、胃壁がえぐれてしまう状態を指します。
 ピロリ菌は、胃の中でアンモニア、サイトカインなどの毒素を生成、それらの毒素が胃粘膜を傷つけて、慢性胃炎、胃潰瘍、萎縮性胃炎、胃がんなどの引き金に
 胃の大敵であるピロリ菌を見つけたら、これを除菌する他なく、ピロリ菌の感染時期は乳幼児期と言われ、感染した胃は、長い年月をかけて胃の中を暴れ回るのです。

 本来、胃粘膜は滑らかなのですが、萎縮性胃炎を発症すると、次第にボコボコになり、この状態が長引くと、胃粘膜が有害物質を吸収したりするのです。
 慢性の胃炎の中でも「急性胃炎」は一過性のもので、その原因の多くが、食べ過ぎ、飲み過ぎ、刺激の強い食やストレスで起こります。
 それとは異なり、ピロリ菌は胃の表層を覆う粘膜の中に棲みつき、長く胃炎状態を継続させるため、慢性胃炎はほぼピロリ菌が原因ということになるのです。
 胃の中は胃酸により強酸性に保たれ、食事や呼吸をする際に、空気に紛れて入ってきた細菌を殺菌するためで、ほとんどの細菌は胃酸に死滅するほど
 しかし、ピロリ菌は酵素を出し、胃のなかの尿素を分解して、胃酸を中和、アルカリ性のバリアを張りながら、強い酸性の胃の中を生き延びます。
 ピロリ菌は棲みついた胃壁に毒素を産生、その毒素を排除するために、胃粘膜に白血球が集合し、その過程で胃に炎症が起こるのです。
 慢性胃炎の場合、常に弱い痛みがあることに体が慣れてしまい、自覚症状がない事もしばしば、気がついた時には、胃の粘膜がただれてしまう事も珍しくありません。
 ちょっと胃に痛みがある場合は、その事を放置せず、専門医に一度相談をしていきましょう、そうする事で、将来の胃潰瘍や胃がんなどを抑制する事ができるのです。


5ー8 胃酸が逆流する逆流性胃炎に注意

 食べ物を口から胃に届けるのは「食道」ですが、その食道を傷つけてしまう代表的な重病が「逆流性食道炎」になります。
 逆流性食道炎は、胃酸が食道に逆流する事で起こり、胸焼け、吐き気、喉の奥の痛みが生じ、胃酸特有の酸っぱさが、込み上げてくる場合も可能性が高くなります。
 胃酸が逆流する理由の一つに「胃酸過多」があり、脂質の消化に胃酸を多く分泌、脂質の多い食事をとっている場合に起こります。
 脂質の多い肉類中心の食事を摂っている方が多い傾向にあり、ピロリ菌に感染していると、萎縮性胃炎で胃酸が減ってしまい、ピロリ菌の除菌後胃酸が増えて起こる事もあるのです。
 更に、食道の筋力低下も逆流を引き起こし、食道と胃の間に逆流を防ぐ働きをする噴門と呼ばれる弁があるのですが、下部食道括約筋の力が弱まると逆流をしやすくなります。
 下部食道括約筋は、肥満や加齢でも弱くなり、下部食道括約筋が弱まると、胃の一部が食道に入り込む「食道裂孔ヘルニア」を招いてしまいます。
 そして、食道の粘膜感受性が強い事でも逆流を引き起こし、食道が知覚過敏になっているために、胃液の量は正常にもかかわらず、不快感を覚えてしまうのです。
 症状が軽いうちは、食生活を変える事で改善でき、脂っこい食事を控えて、夜遅い飲食をやめて、体質や生活習慣を変えていきましょう。
  食後、すぐに横になる事も注意が必要になり、胃酸の分泌状態で横になると、逆流を起こしやすく、胃酸や消化中の物が口元に戻りやすい状態になります。

5ー9 胃に優しい食材で胃を守る
 胃に入った食べ物が十二指腸に送られるまでの時間の事を「胃内滞留時間」と言い、胃内滞留時間が短いほど、消化にいい食べ物になります。
 フルーツと生野菜は消化スピードが早く、炭水化物も消化が早いのですが、糖質の吸収が早すぎて血糖値や血圧、血管の健康ためにはあまり良くありません
 脂肪分の少ないタンパク質も消化に良い食べ物になり、半熟のゆで卵は消化が早く、サラダに添える事で、タンパク質やビタミン、ミネラルを効率よくとることができるのです。
 その他に豆腐や納豆、お刺身、ヨーグルト、白身魚などありますので、胃に違和感がある場合は、消化に良い食材を選び、胃に負担をかけないようにしていきましょう
 反対に、脂肪分の多い物は消化に時間がかかり、霜降りステーキは胃を通過するのに4時間30分以上かかり、胃に負担をかけてしまうのです。
 同じ食材でも、調理方法により胃内滞留時間が変わり、生、煮る、蒸す、発酵、茹でるは胃への負担が少なく、焼く、揚げる調理法は消化に時間がかかります。
 焼く、揚げる食材を食べる場合は、胃腸への負担を和らげてくれる、キャベツ、ブロッコリーに含まれるビタミンU「キャベジン」を一緒に摂りこみましょう。
 ビタミンUは、胃酸を抑えて粘膜を守りますが、熱に弱いので、生で食べたり、レンジでサッと加熱する事で、胃粘膜を守ることができるのです。

5ー10 早期対策の為に早めの検査を

 逆流性食道炎の検査は内視鏡を使用し、健康な人の食道の粘膜は綺麗なピンク色をしていますが、逆流性食道炎になると、赤く糜爛(びらん)、変したりしてしまいます。
 治療には、胃酸を抑制するための薬物治療をもちいり、薬による治療と生活習慣の改善を行う事で、より効果が期待できます。
 規則正しい生活リズム、禁煙、定期的な運動、姿勢を正す、脂っこい食事を控え、熱すぎる食事も食べない、などを心がける必要がでてくるのです。
 また、消化器系の障害に共通することが、ストレスを溜め込まない事、家にいる時もTVやスマホばかりでなく、趣味を楽しみリラックスタイムを毎日持ちましょう。
 逆流性食道炎を放置し続けると、食道がんのリスクが高まり、胃液が食道を傷つけ続けてしまい、年齢を重ねる程、食道がボロボロになり病気耐性が落ち続けます。
 食道がんは初期段階では、自覚症状があまりなく、発見するのが難しいため、発見した時には、重度の症状や他の臓器に転移している事が多いのです。
 近年、胸に違和感や食べ物が引っかかる事が増えた、長年の飲酒や喫煙がある方は、専門医に早めの受診をして、早期対策、生活を改善していきましょう
6 食物繊維をメインに腸内環境を整えていく

 腸内環境を改善していく為には、食物繊維を意識して取り込んでいく必要があり、食物繊維は、水に溶ける水溶性、水にとけない不溶性の2種類に分類されます。
 水溶性食物繊維は、水に溶けるとゼリー状となって粘度を増すのが特徴で、高い保水力があるので、胃の粘膜を保護し空腹感を抑制してくれる作用を持っています。
 大腸内で善玉菌の餌にもなり、腸内細菌のバランスを整え、小腸内では血糖値の急な上昇を抑えて糖尿病の予防、コレステロールの排出を増やして高脂血症の予防もしてくれます。
 水溶性食物繊維は、便の水分量を増やし柔らかくしてくれ、力まずに排泄が出来るようにサポートをしてくれます。
 不溶性食物繊維は、水に溶けないのですが保水性が高く、腸内で水分を吸収して便の嵩が増加します。
 便の量が増える事で大腸を刺激し、蠕動運動を活発にしてくれるので、お通じが良くなり、下痢気味の時には水分を調整をします。

 便秘気味の時は、蠕動運動を活発にして排便を促し、脂肪や胆汁酸、発がん物質などを吸着し、排出してくれる作用も持ち合わせています。
6ー1 様々な食材から腸内細菌を活性化
 善玉菌を増加させるには、食物繊維を多くとる事が重要になり、過敏性症候群やSIBOの治療が落ち着いた際は、一度普段の食物繊維量を見直していく必要があります。
 水溶性食物繊維を多く含む食材には、海藻類、きのこ類、ごぼう、にんじん、ブロッコリーなどが優れ、ネバネバ食材も欠かせません。
 食品そのものに、ビフィズス菌などの善玉菌を含んでいる物を「プロバイオティクス」と言います。
 そして、食物繊維やオリゴ糖など、大腸まで届き善玉腸内細菌のご飯、エサになり、善玉菌の増殖を促す食品を「プレバイオティクス」と言うのです。
 ヨーグルトやチーズ、納豆に味噌などの発酵食品は、善玉菌を多く含むプロバイオティクスの代表的な食べ物で、毎日食べて腸内を活性化していきましょう。
 プレバイオティクスの代表になる玉ねぎ、ごぼう、バナナなどをプレバイオティクスと一緒に食べる事で、善玉菌と餌を効率よく取り込む事ができ、腸内環境をより活性化できます。
 タンパク質を摂る事も重要になり、タンパク質は筋肉をはじめ、体の基礎を作る基本の栄養素、タンパク質不足は臓器の機能も低下するのですが、腸も例外ではありません
 良質なタンパク質を摂取する為には、肉や魚を食べていき、肉類はタンパク質を構成するアミノ酸の組成が人に似ているので、取り込みやすい特性を持ち合わせます。
 魚類に含まれるDHAやEPAなどのオメガ3の脂質には、炎症を抑える働きを持ち、少しの刺激で傷つく腸壁の粘膜を守ってくれるのです。
 腸内環境を改善していくには、腸内細菌の種類を増やす事が重要で、色々な食品を日々食べていく事がポイントになります。

 腸内細菌により好む餌が変わり、偏りなくいろんな食品を食べていくと、腸内細菌の種類が増加し、下痢や便秘が改善されていきます。
 1週間で30種類近い食材を目標にしていくと、自然と腸内環境を整える事ができ、胃腸に負担をかけず、働きを強化する事ができるのです。

6ー2 姿勢を良くして胃腸を正す
 蠕動運動をよくしていく為には、姿勢も大切になり、腸と深い関係にある自律神経は、背骨の中を通っています。

 そのため、猫背やストレートネックなどで姿勢が悪いままでいると、自律神経が圧迫されて潰れてしまい、日々傷ついてしまいます。
 また、内臓脂肪が増加すると下腹が張り出しますが、この事で、脂肪が腸を固定する腸間膜について、常に腸を圧迫した状態になり蠕動運動を妨げるのです。
 座りっぱなしの姿勢も鼠蹊部(そけいぶ)で、体が90度に曲がるので、これが全身の血行を悪くして、腸の動きを鈍らせてしまうので注意が必要になります。

6ー3 腸内環境は歯磨きから始まる
 食事の入り口である口は、消化器官の中でもっとも細菌が入りやすい器官で、常に外気や食べ物、飲み物と触れています。
 そのため、健康な人でも口の中には、100億以上の細菌が棲んでいるとも言われ、口の中に棲みついた細菌は、増殖する時に強い菌を排出し虫歯や歯茎を傷つける原因になります。
 その細菌の中で最も注意するのが「歯周病菌」、歯周病菌は空気を嫌う嫌気性細菌で、歯と歯茎の間のポケットに深く潜ろうとします。
 歯茎の根元が傷ついて出血がはじまり、歯茎が退縮して下がり、歯根が露出し、以前よりも歯が長く伸びたように見えます。
 冷たいものや熱いものを食べるとしみて、知覚過敏になり、根元がグラグラしてきて、放置してしまうと、歯が抜け落ちてしまいます。
 傷ついた血管から体内に入り込んだ歯周病菌は、インスリンの働きを阻害して血糖値を上げる事も研究で判明しています。
 血糖値が上がる事で糖尿病が悪化し、血管の損傷から動脈硬化も招きやすくなるので、生活習慣病を抑制する為にも、口腔内の健康、清潔が重要になるのです。
 歯周病の研究も進み、以前は飲み下された歯周病菌は胃酸により撲滅すると考えられていましたが、菌の中には生き延びて腸に達する菌もあることがわかりました。
 その一つが、ポリフィロモナス・ジンジバリスと言う超悪玉菌で、この菌が腸の粘膜を傷つけ、炎症を引き起こし、免疫力の低下を招いてしまい、過敏性腸症候群に繫がるのです。
 悪玉菌が増殖してしまう一番の理由は、食べかすが口の中に残ってしまう事、歯や歯茎に残った食べかすは細菌達のエサになるので、歯磨きを徹底して行いましょう。
6ー4 口を綺麗にして臓器を守る
 口の中の細菌は、殺菌作用のある唾液の分泌が少なくなる睡眠中に最も増加することが分かっています。
 朝起きた時に、口の中がネバついたり、口臭を感じたら、細菌が増殖している証拠、そのままの状態で朝食を食べると、食事と細菌を体内に飲み込むことになるのです。
 そのため、まず朝起きたら歯を磨く習慣をつけて、口腔内を清潔にした後に朝食をとり、食後も歯を磨き快適な口腔内で1日をスタートしていきます。
 口の中が乾燥し、ネバついた状態をドライマウスと言い、常に口の中が乾いているので細菌が増殖しやすく、感染症のリスクも増加します。
 更には、話しづらくなる、口臭がきつくなる、舌や喉が痛む、食べ物を飲み込みにくくなったり、様々な不都合が起こります。
 ドライマウスになる理由は、加齢やストレス、薬の副作用、噛み合わせなどがあるのですが、一番多い原因が「口呼吸」になるのです。
 そのドライマウス対策も、口呼吸をやめることになり、口をしっかりと閉じて鼻から息を吸うようにしていく「腹式呼吸」を意識していきましょう。
6ー5 舌の筋力が胃腸の良し悪しを決める
 ドライマウスに悩む人の中には、睡眠中に口を開けて寝る癖がある方が多く、この原因は舌の筋力が関わっています。
 舌は起きている時も、口蓋(こうがい)と呼ばれる口の上の壁にピタリと付くのが正しいポジションになり、このポジジョンを維持できていれば自然と鼻で呼吸ができます。
 しかし、舌が下に落ち口蓋との間に隙間ができると、口が半開きになりがち、そうなると自然と口呼吸、ドライマウスになるのです。
 舌が下に落ちてしまう原因は、舌の筋力低下で、舌を正しい位置にキープできなくなり、徐々に下へ下へと落ちてきます。
 舌の力は、物を食べる時も、唾液と食べ物をよく混ぜ合わせる為に必須となり、普段話す時も舌の力が低下すると、滑舌が悪くなり、喋りづらくなってしまいます。
 更に近年では、柔らかい食べ物が増え噛む回数も低下、スマホの普及でメールやSNSを介したやりとりが増え、顔の筋肉を使う機会が減り、衰えてが加速します。
 舌の筋力を保つ為にも、普段の食事ではしっかりと噛む事を意識していき、よく噛む事で唾液の分泌を促し、脳を刺激する事ができ認知症を防ぐ効果もあるのです。
6ー6 口の中を潤わせて免疫力を保つ
 唾液の分泌自体が少ない事もドライマウスの原因になり、口の中が程よく湿っている状態の時、唾液は十分に分泌されています。
 唾液は自然に流れ出る「安静時唾液」と食事した時に出る「刺激時唾液」があり、どちらも重要です。
 食事をした時に出る唾液には、アミラーゼという消化酵素が含まれ、食べ物を柔らかくして飲み込みやすくします。
 唾液がでないと、硬いお肉は食べれず、柔らかいパンも飲み込む事ができず、年齢を重ねると、唾液の量が減り、物を飲み込みにくくなり、食事が苦痛になる事も
 物を食べる為にも、味わう為にも唾液の存在は大きく、唾液が持つ殺菌力は、殺菌から体を守る最初の防御システムとして重要な役割を果たします。
 口には、外から複数の有害物質が入り込み、口の中にいる悪玉菌は、絶えず食べかすをエサにして増殖をしていきます。
 こうした危険から体を守ってくれるのが唾液になり、唾液が十分にでないと、体の抵抗力が落ちてしまいます。

6ー7 自律神経が整えば腸も整う
 脳と腸が密接な関係にある事から「繊細な人」程、お腹のトラブルを抱え込みやすく、腸の調子が悪くなると脳腸相関によって、不安や不快感が増してしまう悪循環に陥ります。
 お腹の不調を治すのに効果がある方法の一つが、自律神経を整える事、自律神経は脳と腸を直接繋いでいる重要な神経になるのです。
 自律神経は体の働きを調整する神経で交感神経と副交感神経から成り、この2つのバランスが日常生活では非常に重要になります。
 交感神経は、体の動きを促す時に優勢になり、日中の作業、仕事やスポーツ、勉強などは交感神経がフルに高まっている状態
 反対に副交感神経は体をリラックス、休ませる時に優勢になり、夕方以降にゆっくりと交感神経から切り替わっていきます。
 この切り替えが上手くいかずに乱れた状態が続いてしまうのが「自律神経失調症」、自律神経失調症を放置してしまうと、胃腸の痛みや下痢、便秘を繰り返してしまいます。
 ほとんどの臓器が、交感神経が優位になっている日中に活発に働くのですが、胃と腸は例外で、副交感神経が優位な時に活発に働きます。
 食べたすぐ後に激しい運動をすると、お腹が痛くなったり、消化不良を起こしてしまうのはこのためで、胃と腸は、他の臓器よりも影響を受けやすいのです。
 自律神経を整える為にも重要になるのが「睡眠」になり、朝起きた瞬間に、自律神経は、副交感神経優位の状態から、交感神経優位に切り替わります。
 この切り替えがスムーズにいくと、自律神経に負担をかけず、胃と腸に無駄なストレスもかかりません。
 しかし、睡眠の質や時間が不十分になると、切り替えが上手くいかず、目覚めた時にだるさや不快感、眠気が残り、臓器の働きが低下します。
 眠りの質に重要になるのが、睡眠ホルモンのメラトニンになり、メラトニンの十分な分泌を促す為にも、朝の行動が鍵を握ります。
 メラトニンは、幸福ホルモンであるセロトニンが夕方以降に変化して生成されるホルモンで、朝一番の光を浴びて約14時間後に切り替わるシステムが体には内蔵されているのです。
 夜に深い睡眠をとる為にも、朝起きてカーテンを開け、朝日をしっかりと浴びる事を心がけましょう。

 朝もバタバタと慌ただしく1日をスタートするのではなく、ゆっくりと朝食をとれるように余裕を持ち自律神経の切り替えを促して、臓器に負担なく1日の始まりを迎える事ができるのです。
まとめ 
 年齢を重ねると増えてくる、将来の不安やお金の事からくる悩みなどのストレス、これら精神面からくるストレスが胃腸の不調を招く事が増加します。
 肉体的な面でも、年齢的な老化により、血圧、血糖値、コレステロールなどが高くなってしまいその影響から胃腸に影響を及ぼす事も少なくはありません。
 毎日の食事を楽しむ為にも、消化器官である胃と腸を日々労る事で、翌日の胃もたれや胸焼け、腹痛、下痢や便秘を防ぐ事ができ、体調の悩みがなくなるのです。
 今、胃腸に不調がある方は、一気に生活習慣を変えるのではなく、小さく小さく習慣を変えていき、ストレスなく健康的なミライフを楽しんでいきましょう。


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