「IT」という言葉、なんとなく使っていませんか
「うちもITを活用していかないといけないよね」「あの人はITに強いから」「IT化を進めたい」こういった会話、最近よく聞くようになりました。でも少し立ち止まって考えてみると、「IT」って具体的に何のことを指しているのか、実はかなり曖昧な言葉だと気づきます。
パソコン操作のことなのか、ホームページのことなのか、アプリ開発のことなのか、はたまたセキュリティやネットワークの話なのか。全部「IT」とひとまとめにされることが多いのですが、それぞれはまったく別の分野です。
「ITが得意な人に相談したい」と思っても、何を相談すればいいのかわからない。「ITを勉強したい」と思っても、どこから手をつければいいかわからない。そういった迷いが生まれるのは、この「ITという言葉の広さ」が原因であることがほとんどです。
この記事では、ITという言葉が実際に何を指しているのかを領域ごとに整理して、「自分のビジネスに関係するのはどの部分か」を見極めるための考え方をお伝えします。
ITは「5つの領域」に分けて考えると整理しやすい
IT(Information Technology)とは、情報を扱う技術全般のことを指す言葉です。あまりにも広い概念なので、まずは大きく5つの領域に分けて考えてみましょう。
① 業務・操作ツール:日々の仕事を支える
Word・Excel・メール・スケジュール管理・クラウドストレージなど、日々の業務で使うソフトやサービスがこれにあたります。「パソコンに強い」と言われる人のイメージに一番近い領域で、中小企業・個人事業主にとって最も身近なITです。
ここでの「できる」の目安は、使いたいツールを自分で探して導入でき、基本的な操作で詰まらない状態です。たとえばクラウドサービスを使ってデータを複数の端末で共有したり、チャットツールで業務連絡を効率化したりできれば、この領域では十分と言えます。
② Web・インターネット:情報発信・集客に関わる
ホームページ、ブログ、SNS、Web広告、SEO(検索エンジン対策)など、インターネットを通じた情報発信や集客に関わる分野です。お客さんに自分たちのことを知ってもらうためのIT、と考えると分かりやすいかもしれません。
ここでの「できる」の目安は、ホームページの内容を自分で更新できる、SNSで発信できる、Google Analytics などのアクセス解析ツールの数字を読んで何かを判断できるといったことです。技術的な構築は専門家に任せながら、運用の部分は自分でコントロールできる状態が理想的です。
③ 開発・プログラミング:仕組みを1から作る
アプリ、システム、ツール、Webサービスなどを一から設計・構築する分野です。「ITエンジニア」「プログラマー」と呼ばれる人たちが主に担う領域で、プログラミング言語の知識や開発の経験が必要です。
個人事業主や中小企業のオーナーが自分でここまでやる必要はほとんどありません。ただ、「自社のために何かシステムを作ってほしい」と外注するとき、何を依頼しているのかの概念を知っておくと、打ち合わせがスムーズになります。
④ インフラ・ネットワーク:ITの土台を支える分野
インターネット回線、Wi-Fi、サーバー、クラウド環境など、ITサービスが動くための「土台」にあたる分野です。表からは見えにくいですが、ビジネスのIT環境を安定して動かすために欠かせない領域です。
小規模なビジネスでの「できる」の目安は、社内のWi-Fiや機器の基本的なトラブルに自分で対処できる、クラウドサービスのプランを選べる、くらいで十分です。専門的な構築は業者に任せつつ、日常的な問題に自分で判断できる状態を目指しましょう。
⑤ セキュリティ:ITを安全に使うための知識
パスワード管理、フィッシング詐欺への対処、ウイルス対策、データのバックアップ、情報漏洩の防止これらがセキュリティの領域です。「自分には関係ない」と思いがちですが、個人情報を扱うビジネスであれば、どんな規模でも無関係ではありません。
ここでの「できる」の目安は、パスワードを使い回さずに管理できる、不審なメールやリンクを見分けられる、大切なデータを定期的にバックアップしている、の3つです。難しい技術の話ではなく、「習慣」として身につけられるかどうかがポイントです。
「ITに強い人」はどの領域が得意かによって変わる
ここまで5つの領域を整理してきて、気づいていただけたかと思いますが、「ITに強い人」と一口に言っても、その人がどの領域に詳しいかによって、できることはまったく違います。
ホームページ制作が得意なWeb系の人が、社内ネットワークのトラブルを解決できるとは限りません。プログラミングが得意なエンジニアが、Excel の関数を使いこなしているとも限りません。それぞれに専門性があるのです。
だからこそ、誰かに「IT」の相談をするときは、「何の領域の話か」を自分の中で整理してから相談すると、ずっとスムーズになります。「ホームページを作りたい」「業務を効率化したい」「セキュリティが心配」こうやって領域を絞るだけで、誰に相談すべきかも見えてきます。
まとめ
「IT」は一つの言葉ですが、その中には業務ツール、Web・集客、開発、インフラ、セキュリティという5つの異なる領域があります。「ITが得意かどうか」を考えるより、「どの領域が自分のビジネスに必要か」を考えるほうが、ずっと現実的で役に立ちます。
まず自分のビジネスでどこが課題になっているかを確認してみてください。「ホームページからの集客がうまくいっていない」ならWeb領域、「毎日の作業が非効率で時間がかかっている」なら業務ツールの領域、という具合に。
どの領域から手をつけるべきか迷っているときは、ぜひお気軽にご相談ください。一緒に整理するところからお手伝いします。