Raspberry Pi FT8 設定の問題

Raspberry Pi FT8 設定の問題

Raspberry Pi で FT8 の設定をしていますが、設定の問題があってまだ成功していません。この記事では現在の状況の報告です。

SDRPlay の設定

ソフトウエアラジオ、SDRPlay の設定は問題なくできています。 方法は二つあって、一つは、事前に設定を済ませた Raspberry Pi OS のイメージをダウンロードして利用する方法で、以前の記事で紹介した方法です。これで問題なく、SDRPlay 自体は動作しています。

別の方法は、SDRPlay のサイトから「Build Scripts」（2021 年 12 月 5 日時点の最新版は 0.3）をダウンロードして実行する方法です。パッケージの中にスクリプトが８種類入っているのでファイル名の最初が「１」のものから順番に実行して必要なインストールを行います。途中、再起動が必要ですが、Raspberry Pi のページの Raspberry Pi OS を利用して問題なくビルドできました。結構時間がかかります。全体では数時間かかりました。

CubicSDR と言うアプリを利用して、色々な周波数の通信（放送）がモニタできることを確認しました。

WSJT-X のインストール

WSJT は受信した信号のデジタル情報を処理するアプリです。このアプリを使って、FT8 をはじめとする、アマチュア無線のデジタルパケットを処理して表示できるようにします。

これも、WSJT-X のサイトからソースコードをダウンロードして問題なくビルドできました。ソースコードパッケージに「INSTALL」と言うファイルが含まれているので、その指示に従ってコンパイルします。事前に依存関係のあるパッケージのインストールが必要です。必要なパッケージは「INSTALL」に書かれています。

こちらも、時間はかかりますがコンパイル自体は問題なくできました。インストールは、標準設定では、「/usr/local/bin」にインストールされるので、「wsjtx」とタイプすると起動できます。

問題は？

現在の問題は、SDRPlay の出力、つまり、CubicSDR のアプリと、WSJT-X のアプリが上手く接続できていない点が問題です。 もう少し詳しく言うと、CubicSDR のオーディオ出力を WSJT-X に渡す必要がありますが、これが上手くいっていないようです。通常は、アマチュア無線のトランシーバーと接続する場合が多く、トランシーバーのオーディオ出力や、シリアルポート、USB などを介して接続しますが、今回は、Raspberry Pi に USB 接続した SDRPlay の信号を処理した結果を WSJT-X に渡す必要がありますが、これが上手くいかないのが問題になっています。

この接続は、「仮想ケーブル(Virtual audio cable)」を介して接続するのですが、これが上手くいかないようです。 この仮想ケーブルのソフトウエア自体は上のプロセスでインストールされていて、コマンドも特にエラーが出ることなく実行できるのですが、WSJT-X の設定画面上で認識されていないのが問題になっています。

どうも、「PulseAudio」を利用して指定するようなのですが、これが上手くいかずに現在のところ設定ができていません。

実験として Windows PC でやってみると。。。

当初の目的とは違うのですが、Windows 10 のラップトップに、SDRuno と WSJT-X をインストールして試したところ、この設定では問題なく設定ができて、FT8 の通信をモニタできるようになりました。基本的な設定は、同じで、SDR のアプリ（この場合は、SDRuno）と WSJT-X を仮想ケーブルで接続して利用します。この設定では、WSJT-X のオーディオ設定でデバイスがメニューに認識されていて、特に問題になることなく接続できました。

Raspberry Pi 上では何か足りないようで、こちらをもう少し調査が必要な様です。

まとめ

Raspberry Pi を利用して、アマチュア無線のデジタル通信モードの一つである、FT8 をモニタしてみようということで始めたプロジェクトですが、現時点では、必要なアプリである、SDR のアプリと、-WSJT-X と言うデジタルパケットを処理するアプリのコンパイル自体はできましたが、このアプリの接続に問題があって現状では上手くできていません。

Windows10 では上手く動作したので、設定的には似たような設定を行えば可能なはずですが、何か欠けている様です。もう少し調査してまたアップデートの予定です。

今週は、Windows での設定方法を取り敢えず紹介しようと思います。お楽しみに！