■『孤立効果(フォン・レストルフ効果)』とは?
類似したものや同じパターンで並んだ中に「異質な存在」があると、無意識に印象に残りやすくなる心理現象を意味する『孤立効果(フォン・レストルフ効果)』。
1933年にドイツの精神科医ヘドヴィッヒ・フォン・レストルフによって提唱され、『アイソレーション効果』とも呼ばれています。
人間の脳には、「取得する情報を効率的に処理しようとする性質」があるため、多くの共通する情報の中から「異質なもの」を自動的に察知し、例外を「重要」と判断して強く記憶に刻み込むようになるのです。
◆身近な例
日常的に『孤立効果(フォン・レストルフ効果)』を用いている例として、勉強している時にノートの重要な箇所にマーカーで色をつけることが挙げられます。
全体の文字は黒色や青色で統一して、重要な箇所にだけ赤色をつけることで、強調して脳にその情報を留めようとしているのです。
■『孤立効果(フォン・レストルフ効果)』の具体例
具体例として、上記画像のように多くの人物のシルエットが「緑色」である中に、「赤色」のシルエットの人物があると自然と目に留まりやすくなります。
このように、似ているカテゴリーの中に、一つだけ異なるものがあると、無意識に印象に残りやすくなるのです。この現象が『孤立効果(フォン・レストルフ効果)』です。
■Webマーケティングなどビジネスにおける実践例
この『孤立効果(フォン・レストルフ効果)』をビジネス(マーケティングや販売促進施策)に用いることで、見込み客や消費者に商品やコンテンツを印象付けることが可能になります。
●スーパーのチラシ:「赤字の特売品」
●プレゼン資料:「伝えたい箇所を強調」
●Webデザイン:「重要な箇所を目立たせる表現」
●Webサイト・Webページ:「クリックしたくなる」ようなデザイン
◆スーパーのチラシ:「赤字の特売品」
『孤立効果(フォン・レストルフ効果)』はオフラインでも用いられています。
例えば、配布するスーパーマーケットのチラシ。チラシ全体がモノクロの中に「赤字の特売品」が混ざっていると、強調され消費者の注目を集めやすくなります。
◆プレゼン資料:「伝えたい箇所を強調」
『孤立効果(フォン・レストルフ効果)』は、プレゼン資料を作成する時にも効果を発揮します。
商品やサービス、訴求したい点についての説明をしようと、つい多くの内容を詰め込みがちになってしまうプレゼン資料。
ですが、人間の集中力の持続時間はもって「15分」であると言われており、内容を詰め込み過ぎた資料は効果的とは言えません。
そのため、まずは「15分間でプレゼンできる」ことを前提にして、全体的に統一感のあるデザインにし、伝えたい箇所の文字色を変えたり太字に強調することがポイントになります。
◆Webデザイン:「重要な箇所を目立たせる表現」
Webデザインにも活用することができる『孤立効果(フォン・レストルフ効果)』。
「似ているカテゴリーの中に、一つだけ異なるものがある」と『孤立効果(フォン・レストルフ効果)』が生じやすくなるわけですが、「まとまりが良すぎてしまう」とかえって印象に残りにくいサイト・ページになってしまいます。
そのため、Webサイト・Webページ内で「押し出したい箇所」や「重要な箇所」については、来訪ユーザーに意識してもらうために、色やサイズ、画像などによる表現で目立つように工夫する必要があります。
◆Webサイト・Webページ:「クリックしたくなる」ようなデザイン
Webサイトにおいて、来訪ユーザーに「資料請求」や「問い合わせ」、「会員登録」などの具体的な行動を促す、最終的な成果=「コンバージョン(CV)」へ直結させるためのボタンやリンクを意味する「CTA(Call To Action)」。
Webサイトを運用する際には、この「CTA」を強調することが重要になります。
その際にも『孤立効果(フォン・レストルフ効果)』を用いて、「CTAボタン」だけ色を変えるなど意識してデザインすることがポイントになります。
■『孤立効果(フォン・レストルフ効果)』を活用する際の手順
実際に『孤立効果(フォン・レストルフ効果)』を活用する際には、以下の手順で行います。
●「目立たせたい情報」を決める
●目立たせたい情報が複数ある場合は「分割」する
●目立たせたい情報に「コントラスト」をつける
◆「目立たせたい情報」を決める
『孤立効果(フォン・レストルフ効果)』を活用する際には、まず「どのコンテンツ」を対象(ターゲット)の記憶に残したいか、目立たせたいかを決めることが必要になります。
具体的には、商品名やサービス名、ブランド名や価格、注意喚起などを決めます。
◆目立たせたい情報が複数ある場合は「分割」する
「目立たせたい情報」が複数ある場合、『孤立効果(フォン・レストルフ効果)』が思うように機能しなくなってしまいます。
そのため、複数ある場合は「1コンテンツ」の中に収めようとせず、分割することがポイントになります。
◆目立たせたい情報に「コントラスト」をつける
「目立たせたい情報」が決定し分割することができたら、それ以外の情報は色やスペース、サイズに統一感を持たせてデザインし、強調したいコンテンツが際立つよう「コントラスト」をつけます。
「コントラスト(contrast)」とは、「対比」や「対照」を意味する言葉です。「目立たせたい情報」とそれ以外に「差」を生じさせて、目に留まるようにするのです。