■『両面提示』とは?
相手を説得する際に、「メリット」と「デメリット」の両方を伝える説得方法である『両面提示(two sided presentation)』。
『二面提示』とも呼ばれ、「欠点も晒すべし」のスタンスで、あえて不利になるような「デメリット」も含めて伝える分、説得力は弱まりますが、信頼感を得られつつ「もしもの際」にもクレームを受けにくくなります。
◆効果を明らかにした実験
社会科学者のゲルト・ボーナー 氏は『両面提示』に関する以下の実験を2003年に実施しました。
レストランの広告を3種類作成し、被験者に評価をしてもらいました。
①「メリットだけ」を掲載:「当店はくつろげる雰囲気です」
②「関連しないメリットとデメリット」を掲載:「店内はくつろげる雰囲気ですが、専用の駐車場はありません」
③「関連するメリットとデメリット」を掲載:「店内は狭いですが、くつろげる雰囲気です」
その結果、メリットとデメリットが関連する「③」が一番評価が高く、関連しないメリットとデメリットを訴求した「②」、メリットだけを訴求した「①」が続きました。
つまり、「メリット」だけの『片面提示』よりも、「デメリットも含めた」『両面提示』の方が効果が高いことが明らかになりました。
また、ただ単に「デメリットだけ」を提示するよりも、「メリットとデメリットに関連性がある」方が効果が高いことが判明し、『両面提示』を裏付ける結果になったと言えます。
■『両面提示』のメリット
『両面提示』によって生じるメリットは、以下の点が挙げられます。
●「誠実」な印象を持たれやすい
●説明に「説得力」が増す
●「クレームの予防」につながる
●「LTV」を高める
●「不安なく」購入・導入できるようになる
◆「誠実」な印象を持たれやすい
人は、商品の購入やサービスの導入を検討する際、メリットだけでなくデメリットも検討材料にします。
そのため、『片面提示』を用いてメリットという「一面」を伝えるだけでは、「デメリットを隠しているのでは?」と疑念を抱いたり警戒されてしまうことになります。
デメリットも隠さず伝えることで、相手に誠実な印象を持たれやすくなり、信頼関係を築きやすくなるのです。
◆説明に「説得力」が増す
現在では、大抵の情報はインターネットで調べれば得ることができます。
そのため、販売する側は「相手が事前にある程度の情報を持っている」と想定するのが賢明です。
「利点だけ」を述べる『片面提示』では、信頼されないだけでなく、不信感を抱かれることにもなります。
利点と欠点の「両面」を包み隠さず伝えることで、説得力が増すことにもつながるのです。
◆「クレームの予防」につながる
仮に「メリットだけ」を伝え、後々に「デメリット」が明らかになると、クレームが噴出してしまいます。
「デメリット」も併せて伝えることで、クレームのリスクを減らすことにつながります。
◆「LTV」を高める
昨今のビジネスでは、顧客との長期的な信頼関係を築き、「LTV(ライフタイムバリュー、顧客生涯価値)」を高めていくことが求められます。
「利点と欠点の両方」を伝える『両面提示』は、長期的な関係性を築く・LTVを高めることに対して、ポジティブな役割を担うことになるのです。
◆「不安なく」購入・導入できるようになる
「デメリット(欠点)」も隠すことなく伝えることで、相手にとっては「不確実性」が減り、購入や導入を躊躇する理由が解消されることにつながって、不安を抱くことなく前向きな判断ができるようになります。
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