もはや「性善説」は通用しない!?『旅の恥はかき捨て現象』

もはや「性善説」は通用しない!?『旅の恥はかき捨て現象』

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■日本文化として認識されつつある「おもてなし」

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日本の文化とも言える「おもてなし」の心。

2020年の東京オリンピック招致の際に、IOC総会でのプレゼンテーションにて滝川クリステル 氏が、この「おもてなし」という言葉を使い、その精神をアピールしたことで世界的に注目されるようになりました。

そもそも「おもてなし」とは、「もてなす」の丁寧語です。

「もてなす」とは、「ものを持って為しとげる」から来ており、ここで言う「もの」とは、物理的な物体だけでなく目に見えない事象も含まれます。

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つまり、物や心を使って、お客様に対する扱いや待遇を良いものにすることを意味します。

また、「おもてなし」という言葉には、「表(おもて)無し(なし)」、つまり表裏が無いという意味も含まれていると言われています。

表裏の無い心でお客様を迎える、という精神をあらわしているのです。

■「インバウンド」が進む中で顕在化する「オーバーツーリズム」

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国の施策として推し進められている「インバウンド」。日本文化とも言える「おもてなし」の心も相まって、訪日外国人観光客は増加し続けています。

訪日外国人が増えることで経済的効果が生じている一方、観光地への過剰な訪問によって「オーバーツーリズム(観光公害)」が引き起こされています。

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特定の観光地に観光客が集中することで、交通渋滞や自然環境・住民の生活環境の悪化などが生じています。

これらの問題は、地域の住民生活を脅かすことになり、結果として観光地などの持続可能性を損なうリスクがあります。

●マナー違反
●受け入れ体制の不備
●地域への財政負担
●理不尽なクレーム

 ◆オーバーツーリズムの問題:マナー違反

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「オーバーツーリズム(観光公害)」によって、ゴミのポイ捨てや騒音、文化財の破損など、マナー違反が問題となっています。

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2024年8月、靖国神社の石柱に中国語で「トイレ」を意味する文字が落書きされているのが見つかりました。

警視庁は器物破損事件として捜査を開始、その後、中国人の14歳の少年が関わった疑いがあるとして逮捕状を取りましたが、落書きが見つかった当日に羽田空港から中国に帰国したことが確認されています。

靖国神社は、明治以降の日本の戦争・内戦において政府・朝廷側で戦没した軍人らを祭っているため、歴史認識や政教分離の観点からさまざまな意見がある複雑な問題と言えます。

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2024年に、山梨県の「ローソン河口湖駅前店」が注目されることになりました。

富士山の絶景とコンビニが組み合わさって「映える画像」が撮影できるとして、インバウンド観光客が殺到したため、自治体が対面の道路側に「目隠し」としての黒幕が張る対応を取る事態に発展しました。

発端となったのが、海外のインフルエンサー。台湾のインフルエンサーが、2022年秋に富士山とローソンの画像をSNSで拡散したことで一躍有名になり、インバウンド客の中で「聖地」として認識されることになりました。

この「富士山LAWSON」の問題も、観光地が「オーバーツーリズム」とどう向き合うのかを考えるきっかけになったことであると言えます。

 ◆オーバーツーリズムの問題:受け入れ体制の不備

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通常のインバウンドとともに、大阪・関西万博開催による宿泊需要の増加に対応するため、民泊施設の需要が高まっています。

地域の空き家を活用したり、長期滞在に適した価格設定など、民泊施設の地域・観光客ともにメリットを享受できることから施設数が増加しています。

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その一方で、観光客を受け入れる体制が整っていないこともあり、施設周辺や宿泊部屋でゴミを散乱させるなどで施設・地域住民に負担が生じています。

この問題は、受け入れる民泊施設側の体制不備よりも、宿泊客の「民度」「国民性」が大きく影響していると思われますが。。

 ◆オーバーツーリズムの問題:地域への財政負担

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2025年4月、中国籍の男性が富士山で立て続けに2回遭難するという事故が起こりました。

1度目は、山頂付近まで登った際、「アイゼン(登山靴の底に取り付けて滑り止めとして使用する金属製の爪がついた用具)」を失くしてしまい、下山できなくなり消防に通報し防災ヘリコプターで救助。

その4日後、1回目の現場に置き忘れた携帯電話を回収するために入山したが、体調不良で倒れ、救助隊員が担架で登山口まで搬送。

このケースを発端に、山梨県民・静岡県民の税金で対応されている遭難救助費用の有料化(自己負担)を求める問題にまで発展し、今後の成り行きが注目されています。

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観光客の富士山への「弾丸登山」も問題視されています。

山小屋に止まらずに夜通しで山頂を目指す登山を意味する「弾丸登山」。

この登山方法では、軽装で行うケースが多いため、低体温症や高山病、ほかにも落石や滑落のリスクを高めるため、危険な行為とされています。

対策として、山梨県側・静岡県側それぞれで、夜間の入山をさせないためにゲートを閉鎖して規制を強化したり、登山者の事前登録や通行料を徴収しつつ注意喚起を行うことで、危険な登山者は減少傾向になっています。

 ◆オーバーツーリズムの問題:理不尽なクレーム

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海外からの観光客だけでなく日本人観光客にも、悪質な行動が見受けられます。

来場者が数百万人規模にもなる花火大会。多くの人で混雑する際に起こるのが「トイレ問題」

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開催された花火大会周辺の店舗に対して、トイレを貸さないことに観光客が腹を立てて、Googleマップでその店舗に低評価をしてしまう。

飲食店店舗であれば、百歩譲って「まだ」理解できますが、一般住宅にトイレを借りようとする観光客もいるそうで、「民度」の低い悪質なケースと言えます。

■なぜ「オーバーツーリズム(観光公害)」が起こるのか?

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なぜ「オーバーツーリズム(観光公害)」が起こってしまうのか?

これは、日常的に生活する場所ではない環境であることで「羽目を外す」心理が作用していることが原因の一つなのではないか、と考えられます。

この心理行動を、ことわざを由来にして『旅の恥はかき捨て現象』と(個人的に)呼んでいます。

 ◆「旅の恥はかき捨て(掻き捨て)」とは?

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「旅の恥はかき捨て」とは、知らない土地では普段しないようなことでも、「その場限りで済む」ので平気でやってしまう、という意味のことわざです。

旅行先では、普段の生活圏とは異なり、周囲に自分のことを知っている人がいないため、気が大きくなったり緩んだりして、普段はしないような行動をとってしまうことがあります。

そんな行動は「その場限り」で終わるため、後々まで影響が残らない、という考え方に基づいています。

つまり、旅行先などでは解放的になって、普段なら自制してしないようなマナー違反や迷惑行為をしてしまう(正当化してしまう)傾向をあらわしたのが、『旅の恥はかき捨て現象』というわけです。

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ちなみに海外では、「What happens in Vegas, stays in Vegas(ラスベガスで起きたことはラスベガスに残り、ほかの場所には持ち越さない)」という類語が知られています。

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